筑波大学附属聴覚特別支援学校歯科技工科に行ってきました

こんにちは。船橋市東船橋にビバ歯科・矯正小児歯科、院長の関本です。

 

誰にでも楽しみにしている日というのがあると思いますが、僕にも1年の内でとても楽しみにしている日が幾つか有ります。その中の一つが、筑波大学附属聴覚特別支援学校歯科技工科での講義の日です。

 

筑波大学附属と言っても茨城のつくば市ではなく市川市の国府台にあるため、市川市歯科医師会の一部の先生方が持ち回りで講義時間を担当しています。僕もそのローテーションの中の一人なのです。

この学校は表記通り筑波大学の附属で、聴覚障害の学生さんを集めた学校の歯科技工科です。筑波大学の前身は東京教育大学で、その時代から附属の一つに聾学校があり現在に至っています。聴覚障害者の歯科技工学校は全国でも珍しく、以前は国内に3校程あったのが、現在はここだけになってしまいました。そのため日本全国から学生が入学してきます。

 さかのぼること20年程前、大学の先輩がもともと担当されていたのですが、そろそろ年だから若い君に引き継ぎたいと言われて受け持つことになりました。すでに僕は当時の先輩の年齢を遥かに超えてしまっているのですが、興味深いので続けさせていただいています。できれば階段を登れるうちは続けさせていただきたいと思っています。実は講義室は4階にあるのですがエレベーターが無いため、階段で登らなくてはなりません。いずれは高齢になって登れなくなる日が来ると思いますが、その日までは続けていけたらいいなと思っています。

 

聴覚障害のある学生さんたちとのコミュニケーションをどのように取っているかというと、講義中は担任の松本先生が、僕が口頭で話している講義内容をそっくりそのままワード打ちしてそれをスクリーンに映し出して下さっているので授業が成立しています。僕も言葉よりも視覚からの情報の方が伝わりやすいと思うので、できるだけ講義内容をパワーポイントにするようにして授業をするようにしています。

僕の講義は「生理咬合を考える」というタイトルで、本来の下顎位を体験する方法、その下顎位にある時に起こる体の変化などについてレクチャーしています。今年も登板の日が来て、6月24日木曜日に行ってきました。もともとは授業時間中の多くを講義にあて、一部カムカムチューブ体操という顎の癖取り体操を実習として取り入れていましたが、昨年から大きくアレンジしてマウスピースの調整も取り入れて実習の時間を大幅に増やしました。実習を多く取り入れたことはとても評判が良く、学生たちは真剣に取り組んでくれています。

 ただマウスピースの調整を取り入れることで、事前の仕込みが大変になりました。授業日以前に学生たちの顎模型を取り寄せて前日までに各学生の口腔内に合うマウスピースをビバ歯科で用意しなくてはならないのですが、それをビバ歯科のスタッフの平崎が一手に引き受けてくれています。本当に感謝しています。彼女のおかげで、僕の授業のクオリティーが一ランク上がりました。

 

さて、当日の僕の授業内容を簡単に説明します。

1.まず噛み合わせの機能について説明しています。

 咀嚼の機能だけではなく呼吸や体勢の保持器官、さらにはストレス発散器官としての役割があることなどを解説しています。

2.次に顎のズレを補正するためのカムカムチューブ体操を実習してもらいます。

 多くの人の顎が少なからずズレていて、そのズレを補正するためのカムカムチューブ体操をすると嚙合わせに良い変化が表れ、結果として頭頚部だけでなく全身の筋肉のリラクゼーションにつながること体験してもらいます。多くの学生が自身の筋肉の凝りが軽減することや噛み合わせの変化を実感するので、新鮮な体験になるようです。

3.マウスピースの調整

 マウスピースでの調整を通じて顎がずれていない状態を作りだす体験をします。そうすると嚙み合わせがあっているとはどういうことなのかを体験することができます。そのことは、いずれ学生たちが歯科技工士になった後の、技工物の製作に必ず役立つことだと思っています。

 

今年もそのような内容で、充足感のうちに授業を終えることができました。もちろん様々な改善点があるのですが、それらは来年の授業に生かしていきたいと思っています。

以前はこの学校には車で行っていたのですが、一度、道路工事で授業に遅れてしまったことがあり現在は電車で市川駅まで行ってそこからタクシーで行くようにしています。そのため帰りは徒歩でバス停まで歩くのですが、実は僕はこの帰り道が好きです。和洋女子大学と筑波大学附属特別支援学校の間を通っている道なのですが、あまり人通りがなくとても静かな道です。

どの街にも表通りから一本入った道で、表通りとは違う、ゆったりとした時間が流れている界隈があると思うのですが、支援学校からの帰り道がまさにそうなのです。適度な静寂があり、あまり多くの人の目には触れないであろう小さな自然があったりします。

 来年もまた、授業をブラッシュアップして講義をして、この道を歩こうと思いながら帰ってきました。