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ちょっと豆知識『歯科用語』

こんにちは。

千葉県船橋市にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。当院はJR総武線【東船橋駅】南口から徒歩30秒にあります。

 

私事で恐縮ですが、実は先日自身の歯の定期検診のためかかりつけの歯医者さんに行きました。その日は歯のクリーニングをしていただき、歯石が取れてスッキリ。思わず舌でツルツルになった表面を触りニヤニヤして帰宅しました。定期的に通院していて感じることですが、こちらの歯医者さんはスタッフの皆様の対応がとても丁寧です。マスクをしていてもわかるくらい受付さんが笑顔ですし、かつドクターも説明が一つひとつ丁寧です。歯医者さんで勤務しているとはいえ、事務スタッフの私にとっては専門的な歯科用語はわからないこともまだまだ多いので、1つひとつかみ砕いてドクターが説明してくださり、とても勉強になりました。

ただ、ふと1つ気になったことがあります。それは『歯医者さんでは様々な専門用語が飛び交っているけれど患者さんにはどう聞こえているんだろう?』ということです。みなさんは歯医者さんに行ったときに歯科医師や歯科衛生士、歯科助手などが話しているのを聞いて『それってどういう意味?』と気になったご経験はありませんか。

 

“レントゲン”や“マウスピース”と言うと、何となくイメージも付くかと思いますが、“オーラルフレイル”や“インレー”と言ったカタカナだらけの表現だと、『・・・?(ナニソレ)』

と思うことありませんか。また、歯医者さんでなくても学校の検診の際に「右上4番C1、5番C2」などが聞こえてきて、それが隠語のように思え底知れぬ不安を感じたことはありませんか?私は幼少期に学校の歯科検診でそのアルファベットを聴きながら心臓がバクバクして本当に嫌でした笑。

 

そこで本日は【歯医者さんでよく使われる歯科用語】のご紹介をしたいと思います。これらの用語の意味を知っていると、次のようなメリットがありますよ。

 

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☆自分の歯の健康状態がわかる☆

☆自分に適した治療方法の選択ができる☆

⇒「痛みさえなくなればいいや」という考えでその時だけ歯医者さんに通うということは実はとても非効率です。歯医者さんは治療内容によっては時間がかかり、複数回に分けて通院するため「時間がもったいない」と思われる方も稀にいらっしゃいますが、実は長い目でみるとそうではないのです。定期的に歯科検診に通うことでむし歯にならず、その結果痛い思いをすることもないですし、治療により時間やお金がかかることもなくなります。また治療費を抑えようと保険適用の治療を選択しがちですが、場合によっては保険外でも先行投資をした方が自身の生活に適している場合もあります。例えばむし歯の治療の詰め物です。一言に詰め物といっても様々な素材があり一長一短です。もちろん歯医者さんはその道の専門家ですから薦められる治療を

受けるのも良いことですが、歯は毎日、いや一生使っていく大切な身体の一部です。その選択をする際にある程度の知識を持ち合わせていた方が納得して治療を進められますよね。

 


今回だけで全ての用語をご案内することはできませんが、特によく使用される歯科用語に絞ってご紹介します。ぜひ本ブログをお気に入り登録していただき、歯医者さんに行かれる際のガイドブックとしてご利用下さい。

 

=名称編=

  • 歯列…歯並びのこと。

 

  • 乳歯…いわゆる子どもの歯。上下あわせて20本あります。前歯から奥歯に向かってアルファベット順(A,B,C,,,,)に数えます。

 

  • 永久歯…いわゆる大人の歯。上下あわせて28本あります。前歯から奥歯に向かって数字(1,2,3,,,)で数えます。ただし親知らずを含めるとプラス4本で32本です。親知らずは人によって生えたり生えなかったりするので、人によって歯の本数が異なります。

  • 歯肉…いわゆる歯ぐき。健康的な歯肉はきれいなピンク色ですが、炎症を起こすと赤色に変色します。

 

  • 歯髄…歯の神経。細い血管や痛みを感じる器官が集まっていてこの歯髄までむし歯菌が達すると痛みを感じます。むし歯が進行した際に「神経を取る取らない」ということで言及されますが、歯髄が生きている状態、すなわち神経がある歯を“生活歯(せいかつし)”、歯髄が失われた状態、すなわち神経がない歯を“失活歯(しっかつし)”と呼びます。

 

  • 象牙質…歯の一番表面にあるエナメル質のすぐ下にあり、歯髄を取り囲んでいます

 

  • セメント質…歯の根っこ(歯根)の表面を覆っている組織

 

  • 歯槽骨…歯ぐき(歯肉)や歯の根(歯根)を支える骨

 

  • 歯根膜…歯根周囲の維持組織でショクアブソーバーになっています。

=病症編=

  • う蝕(うしょく)…むし歯のこと。カリエスとも言います。

 

  • 歯垢(しこう)…歯の周りに付着する白っぽい細菌の塊。プラークとも言う。むし歯や歯周病の原因になる。ちなみに排水口のヌメリなども細菌の塊なので歯垢の仲間ともいえます。あのヌメヌメがお口の中にあると思うと怖いですね。この段階ではまだ歯みがきやデンタルフロスでの除去できますので、毎日の積み重ねが大切です。

 

  • 歯石(しせき)…歯垢が石灰化して石のようにかたくなり歯の表面にこびりついたもの。歯ブラシで除去することは不可能のため、歯医者さんでの専門的な治療が必要になります。

 

  • 歯周病…歯垢(=プラーク)が歯と歯ぐきの間にたまり炎症が起こる病気。大きく2つに分類され、歯ぐきのみが腫れる“歯肉炎”と歯肉溝(*)が深くなり歯周ポケットができる “歯周炎”があります。重症化すると歯槽骨まで炎症が波及し歯がグラグラしてきて抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。日本人の40歳以上のおよそ8割が歯周病であると言われています。

*歯と歯ぐきの間のことを歯肉溝(しにくこう)と言います。

 

  • 歯周ポケット…歯周病等で歯肉溝の溝が深くなったもの。この深さで歯周病の進行度を診断しますが、一般的に溝の深さが4㎜以上あると歯周病とされています。

 

  • ステイン…歯の表面の着色汚れ。この黄ばみの原因は加齢によるものの他、煙草・コーヒー・チョコレート・カレーなど嗜好品によるものがあります。

 

  • 舌苔(ぜったい)…舌の表面に付着する苔のようなもの。鏡をのぞいて口を大きく開けて舌を出してみ下さい。もし舌の上に白い苔(こけ)のようなものが溜まっていたらそれが舌苔です。特に重度でなければ早急な治療の必要はありません。しかしながら、舌苔は細菌の塊です。口臭や誤嚥性肺炎を引き起こす原因になりますので、舌磨きブラシで優しくブラッシングしてこまめなケアをしましょう。

 

  • 口内炎…口の粘膜にできる直径数ミリの円形ないし楕円形の炎症。代表的な口内炎に慢性再発性アフタがあります。寝不足や栄養不足が続くとお口の中にプツっとできることがありますよね。食べ物がしみたり、誤って噛んでしまったりとストレスになることも少ないです。ビバ歯科・矯正小児歯科では口内炎を繰り返す患者さん向けに医療機関専売の純度の高いサプリメント、“グルコン酸亜鉛サプリメント”や“ビタミンB群サプリメント”を販売しています。先日ブログの主である私も突如下唇の裏側に口内炎が2つできて、会話や食事をするたびに痛くて困っていたのですが、院長先生の勧めで毎日摂取していたらあっという間に治りました。

 

  • 口腔がん…舌、歯肉、頬の内側など口の粘膜にできるがん。なかなか完治しない口内炎は口腔がんの可能性もあります。当院では“Thin Prep液状細胞診システム”という口腔がん検査を導入しています。血液検査のように針を刺すことはなく、該当患部を歯間ブラシで擦過するだけで細胞を採取する簡単な検査です。
  • 歯髄炎…むし歯が進行し、歯髄(歯の神経)に炎症が起こること。むし歯の痛みのほとんどがこの歯髄炎が原因。

 

  • 脱灰(だっかい)…むし歯の第一段階。むし歯の原因菌が作り出した酸によって、歯の一番表面の組織であるエナメル質からリンやカルシウムが溶け出し、ひどくなると歯は白く濁り光沢がなくなります。そして脱灰の状態が継続し悪化すると歯に穴があいたむし歯になります。

 

  • 再石灰化…唾液の働きにより脱灰が起きた部分を修復すること。フッ化物入りジェルの塗布なども有効。

 

  • 歯ぎしり…就寝中や何かに集中している際に上下の歯を擦り合わせたり、顎を前後左右に動かしたり、グッと食い縛ったりすること。上下の歯の噛み合わせ面がすり減ったり、歯のつけ根が折れたりすることがありますので、マウスピース装着などによる治療をおすすめします。

 

  • 知覚過敏…むし歯ではないのに、冷たいものや熱いものが歯にしみたり、歯みがきをする際に痛みや不快感を感じたりする状態。歯肉が痩せて歯の根っこが露出したり、歯ぎしりによって歯の一番表面にあるエナメル質を摩耗しその内側の象牙質が露出していたりすることが原因で起こります。

 

  • 酸蝕症…酸性が強い飲食物や胃液などの酸により歯が溶ける病気。極度なダイエットによる摂食障害で嘔吐を繰り返すと胃酸が逆流し酸蝕症になることもあります。また運動時の水分補給として必須なスポーツドリンクも酸性度が強いため要注意です。摂取する際には最後に水やお茶を飲むなど工夫しましょう。

 

  • 口腔乾燥症:いわゆるドライマウス。唾液の分泌量が減り、お口の中が乾燥する症状。原因は加齢による分泌量の低下、口呼吸、薬の副作用、そして貧血、脱水、糖尿病など全身疾患に伴う症状などがあります。特に新型コロナウイルスの感染対策によりマスクが欠かせない現代では、鼻も口も覆われ息苦しいですよね。そのため、どうしても無意識に口呼吸になりがちです。以前のブログでも『口呼吸のデメリット、鼻呼吸のメリット』について触れていますのでぜひ参考にしてください。

 

  • 誤嚥性肺炎…異物が肺に入り、肺の中で細菌が繁殖し肺に炎症が起こること。通常唾液や食べ物は食道を通って胃にいきますが、誤って気管に入ってしまいムセることがありますよね。このことを誤嚥と言いますが、あまり頻繫にムセる症状がある方は要注意です。以前のブログで『誤嚥性肺炎』について触れていますのでぜひ参考にしてください。

 

  • 不正咬合…歯並びや咬み合わせの異常。歯みがきが届きにくい箇所には歯垢が溜まりやすくなりむし歯や歯周病の原因になることが多いです。その他にも、顎関節症の原因、呼吸への影響、発音の不明瞭など日常生活に支障を及ぼすことがありますので、早めの矯正治療相談をおすすめします。以下に具体的な不正咬合の例をあげます。

 

叢生(そうせい)⇒「乱杭歯(らんぐいば)」や「八重歯(やえば)」とも呼ばれる。顎が小さかったり、歯が大きかったりして歯が生えるスペースが足りず、歯並びがガタガタになっている状態。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)⇒「出っ歯」とも呼ばれる。2つのタイプがあり、“上顎前突症”という上顎が出ているタイプと、“下顎後退症”という下顎が引っ込んでいるタイプに分けられる。

下顎前突(かがくぜんとつ)⇒「反対咬合(はんたいこうごう)」や「受け口」とも呼ばれる。下顎全体や下の前歯が前方に出ている状態。

過蓋咬合(かがいこうごう)⇒上下の歯を咬み合わせたときに、上の前歯が下の前歯にかぶさり過ぎて下の歯がほとんど見えない状態。

開咬(かいこう)⇒歯を咬み合わせた際に奥歯は咬んでいても、前歯が咬み合わずに上下の隙間が開いている状態。指しゃぶりや口呼吸が原因になる場合もあります。

交叉咬合(こうさこうごう)⇒上下の歯を咬み合わせた際には、通常上の歯が下の歯にかぶさっている。しかし交叉咬合の場合、上下の歯のどこかが交差していて、上の歯よりも下の歯が外側に出ている状態になる。

 

  • オーラルフレイル…オーラルは「口」、フレイルは「虚弱」を表し、口腔機能の低下のこと。食べこぼし、ムセ、滑舌の悪さ、口の乾燥など些細な症状であることもあるため注意が必要です。

 

=治療編=

    • 染め出し液…歯垢は白っぽいため、見た目だけでは歯と区別がつきにくいです。そのため、染め出し液(赤や青色の色素)で歯垢部分に色を付けます。歯みがき指導の際にこの染め出し液を使用することでその患者さんの磨き残しの癖がわかります。
    • 抜髄…むし歯が進行し炎症が起きている歯髄(歯の神経)を抜くこと。
    • 根管治療:細菌に感染した根管の治療のこと。院内では「根治(こんち)」とも呼んでいます。
    • 印象(いんしょう)…歯や顎の模型を作る為の型取り。粘土のようなかたまりをお口の中に入れて行います。ひんやりとした独特の感触です。詰め物、被せ物、マウスピース、そして義歯を作る際などに行います。

  • コンポジットレジン(CR)…むし歯治療に使用する保険適用の奥歯の詰め物。白色で自然な歯の色に近いため銀歯のように目立ちません。歯科技工所を経由して作製するのではなく、歯科医院での治療時に歯科医師が直接詰めるタイプの治療のため短時間での処置が可能です。
  • 歯石除去…歯の表面に付着した歯石をスケーラーと呼ばれる器具で除去する治療。スケーリングとも呼ばれる。
  • PTC…プロフェッショナル・トゥース・クリーニングの略。歯ブラシやデンタルフロスなどで、歯の表面にこびりついた汚れや色素を落とす歯と歯ぐきのクリーニング。

 

  • PMTC…PTCよりも更に専門的な器具を使用し、歯科医師または歯科衛生士がより徹底して歯面清掃をすること。

 

  • エックス線検査…外見からはわからない歯根や骨の状態を診るためのレントゲン検査。目的によっていくつかの種類があります。

パノラマ⇒上下の歯全体を真正面から撮影

 

デンタル⇒パノラマと比べると範囲が狭く、3~4本の歯をアップにして撮影

 

CT撮影⇒三次元的に撮影

 

セファロ⇒矯正診断や睡眠時無呼吸症候群の診断に使用

 

顎関節撮影⇒顎関節部の診断に使用

 

  • ホワイトニング…歯を白くする治療のこと。専用の薬剤を歯の表面に塗布し、更に光を当てて歯を白くする方法や歯の表面を薄く削りセラミックの歯を接着させて歯の色を白くする方法などがあります。当院では歯科医院でおこなうオフィスホワイトニングだけではなく、患者さんご自身が自宅でできるホームホワイトニングも行っています。詳細はこちらをご覧ください。

 

  • インレー…詰め物。歯の神経が生きていて比較的小さなむし歯の治療に使用します。素材は様々あり患者さんのご希望に応じて選べます。下のお写真はジルコニアです。

 

  • クラウン…被せ物。神経を抜くような大きなむし歯や歯を全体的に削った際に被せる冠状の被せ物です。素材は様々あり患者さんのご希望に応じて選べます。下のお写真はゴールドです。

 

  • ブリッジ…歯を失った部位の両隣の歯を削って支えにし、上から人工歯(ダミーの歯)のキャップを被せる治療方法

 

  • インプラント…歯を失った部位に人工の歯根(インプラント)を埋入し、更にその上に歯(歯冠)を取り付ける方法

 

  • コア…根管治療をした歯の強度を補うために入れる心棒。クラウンなど被せ物をする際の土台になります。白いプラスチック製から金属製のものまで素材は様々です。以前のブログで詳しく紹介しておりますのでぜひご覧ください。

 

  • 義歯…入れ歯。総義歯(すべての歯を失った時にいれる)と部分床義歯(部分的に歯を失った時にいれる)があります。以前はクラスプと呼ばれる針金のようなバネで留めるものが一般的でした。しかし、現在ではお写真のようなノンクラスプデンチャーというバネのないタイプもあります。歯ぐきの色味に近いピンク色の樹脂をつかって固定するため、義歯が目立ちにくいです。

 

  • ブラケット…矯正治療の際に、歯につけてワイヤーを通すためのパーツ。金属製のものや、目立たない透明タイプ、カラフルな色付きなど様々あります。

 

  • リテーナー…矯正治療で歯を動かしたあとに、元の位置への後戻りを防ぐために使用する着脱式の装置。

 

  • マウスピース…着脱式の装置。顎関節症の治療のためのマウスピースや、スポーツの際に衝撃から歯を守るためのマウスガード、就寝時の歯ぎしりから歯を守るナイトガードなどがあります。硬さの違いで種類があり、ソフトタイプはシリコン素材で柔らかくゴムのように曲げられます。ハードタイプはプラスチック製のため曲げられませんがソフトタイプに比べて厚みが薄いです。またマウスピースを利用した矯正装置もあります。

いかがでしたか?

今回は数ある歯科用語の中でよく使われる言葉の一部をご紹介させていただきました。中には「あっ、なんか耳にしたことあるな~」といった名称もあったかと思います。ただ、例えば“むし歯”のことを“う蝕”と言われても一般的にはあまりピンときませんよね。他にも“歯列”よりも“歯並び”の方がイメージがつきやすいと思います。そのため、ビバ歯科・矯正小児歯科では患者さんへのご案内の際には出来る限り馴染みのある言葉に置き換えてわかりやすいご説明を心がけています。ただもし治療の際に気になる言葉や不明な言葉がありましたらぜひスタッフまでお声掛け下さい。今回の豆知識ブログが患者さんと二人三脚で治療をすすめていくための一助となれば嬉しいです。