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嗚呼、かんちがい~歯の土台

こんにちは!船橋市東船橋にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

 

日々、お子様から大人の方まで幅広い年齢層の患者様とお話しておりますと、“都市伝説”のような歯のお話を耳にすることがあります。そこで、患者様が勘違いしがちな“お口の中&歯のお話“について『嗚呼、かんちがい』と称し、不定期にブログでご案内しております。先日記念すべき第1弾として『歯のお引越し』のお話を取り上げました。

 

今日は記念すべき第2弾、こちらです!(ジャジャジャジャーン♪)

 

👻『歯の土台は何でもよい。(いや、そんなことはない)』

 

反語的に書いたので分かりにくいかもしれませんが、要は「歯の土台は何でも良いわけではない」ということです。そもそも「土台ってなぁに?」と思われる方も多いと思いますので、まずはそこのお話からしていきますね。

みなさんは、歯に被せ物をしたことがありますでしょうか。大きなむし歯や歯の破折などの際に本物の歯の代わりとなるアレです。しかしながら、歯の頭の部分が大きく欠損している状態のまま、被せ物をしてしまうと支えがなく安定しないのですぐに脱離してしまいます。このように、十分な量の歯質がない場合、歯の根っこ(=歯根)の強度をあげるために歯根を削り心棒を入れてあげます。この心棒のことを土台といいます。歯質が十分でない状態で歯に被せ物や差し歯をつけても、すぐに脱離したり残っている歯の破損につながったりするため、この土台はとても重要な役割を担っています。特に、神経をとった歯は、栄養が行き届かず歯自体の強度が極端に弱くなりますのでこの土台をいかに適切に処置するかはとても大切なことだと言えます。

 

例えていうのであれば、家の建設に似ています。家の柱、基礎に当たる部分がこの歯の土台です。どんなにお洒落で広くて豪邸だとしても、家の基礎にあたる部分に欠陥があったのでは怖くて住めませんよね。特に地震大国と言われる日本では耐震補強は欠かせないはずです。よって、『歯の土台は何でもよい』なんて思っていたら、怖いことだとわかっていただけると思います。

 

(少し話は変わりますが・・・・)

みなさんはスラムダンクという漫画をご存じですか?これは高校男子バスケットボールを題材にしたスポーツ漫画でアニメ化もされている超人気漫画です。バスケ素人の主人公が女の子の前で良い恰好をしようと基本を疎かにしたところ、チームキャプテン(通称ゴリ)が「基本がどれほど大事かわからんのか!!ダンクができようが何だろうが基本を知らん奴は試合になったら何もできやしねーんだ!!」と鬼の形相で叫んでいるシーンがありました。本当に身に沁みます。歯の土台も同じです。

さて、土台の重要性をわかっていただけたところで、更に詳しく話していきます。歯科用語ではこの土台のことをコアと呼び、コアには様々な種類があります。以下に代表的な5つをご紹介しますね。

 

1.レジンコア

白いプラスチックの土台です。

メリット:歯を削る量が少ない。歯根破折の心配が少ない。メタルコアよりも審美性に優れる。プラスチックのため変色や金属アレルギーの心配が少ない。

デメリット:強度・弾性・耐久性が弱いため、補強として金属のピンが必要になる場合が多い。口腔内で製作するため、口腔内環境や歯科医の技術によって予後が左右されやすい。プラスチックにアレルギーがある方には不向き。

2.グラスファイバーコア

弾性のあるファイバーという素材を使っています。ファイバーは釣り竿などにも使われており、歯に似たしなやかさが特徴です。

メリット:ちょうど象牙質と同じ程度のため、強い衝撃が加わった際もファイバーの弾力で歯根破折をしにくい。金属の溶け出しによる変色がない。金属アレルギーの心配がない。光の透過性があるため自然で透明感のある歯を再現できる

デメリット:歯質量によっては使用できないことがある。口腔内環境や歯科医の技術によって予後が左右されやすい。プラスチックにアレルギーがある方には不向き。

3.シルバーコア(メタルコア)

メリット:強度が高い。

デメリット:非常に硬く弾性がないため、歯根が破折するリスクがある。レジンコアやグラスファミリーコアより歯を削る量が多い。光を透過させないため歯が暗くなりやすい。金属アレルギーになる可能性がある。黒く変色しやすかったり、歯肉に黒ずみが出たりする。

4.金パラジウムコア(メタルコア)

メリット:強度が強いため耐久性がある

デメリット:強度が強いため、力が加わった際に歯根を破折する可能性がある。

5.ゴールドコア(メタルコア)

金合金(14K)などの貴金属を使用しています。

メリット:強度が高い。変色や腐食が起こりにくい。金属アレルギーを起こしにくい。シルバーコア等と比べて精密に製作できるため、土台の脱離や二次むし歯などのトラブルが起こりにくい。シルバーコアや金パラジウムコアよりも歯根破折を起こしにくい。

デメリット:硬く弾性がないため、歯根が破折する恐れがある。レジンコア・ファイバーコアと比べて歯を削る量が多い。光が透過しないため歯の自然な透明感が再現しにくい。保険適用外のため費用がかかる

 

 

いかがでしょうか。一言に土台といっても様々な種類がありますね。素材ごとに一長一短あるため患者様のご希望によって当院でも何の素材を使用するか変わってくるのです。ちなみに患者様とお話しておりますと、以下のようなご希望を伺うことが多いです。

 

審美面:「見た目にこだわりたい」、「自前の歯と馴染むよう違和感ない色にしたい」

機能面:「自分の歯と同様に硬いものを食べられるようにしたい」

費用面:「保険の範囲内で費用面を抑えたい」

耐久面:「なるべく長く保てるようにしたい」

清潔面:「汚れがつきにくいのが良い」

 

ビバ歯科・矯正小児歯科では治療の際にそれぞれの良いところ、心配なところをご説明させていただきますのでぜひご相談下さい。

毎日使い、一生付き合っていくあなたの大切な歯です。

ぜったいに「歯の土台は何でもよい」とは思わず、真剣に素材選びをしてくださいね。そのためのお手伝いを当院でさせていただきます。

 

🦷歯の豆知識🦷

今回話題になった土台ですが、歯科用語では“コア”と呼びます。英語ではcoreと書き、意味は「(果物の)芯」、「(電線などの)芯」、「(原子炉の)炉心」、「(地球の)中心核」などです。

ビジネスマンの間では『我が社のコアとなる事業です』などと使い、自社の中心となる事業という意味で使いますよね。もしくは若者の間ですと『〇〇のコアなファンだ』と言ったら、〇〇の熱狂的ファンだという意味で使われることもあるかと思います。ちなみに私は、すみっコぐらしというキャラクターのコアなファンです(笑)

もし同じファンの患者様がいらっしゃいましたらぜひご来院の際にお声掛け下さい☆