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気道拡大でイライラ解消

こんにちは。

千葉県船橋市にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。当院はJR総武線【東船橋駅】南口から徒歩30秒にあります。

 

新型コロナウイルス感染症対策のため、マスクが欠かせなくなりましたね。そしてその影響もあってか歯科治療を希望する患者さんにも変化がありました。

それは、歯科矯正すなわち歯並びを整えたいという患者さんからのお問い合わせが増えたということです。院名にある通り、もともと当院では歯科矯正に力を入れておりましたが、マスク着用が習慣化して以降ご相談いただく件数が増加しました。そこで本日は矯正治療のメリットについて実際の症例写真と共にご紹介したいと思います。

 

さて、何度か過去のブログでも取り上げております通り当院の矯正治療の一つにランパセラピーがあります。マルチブラケット法やインビザラインが様々な年代の患者さんに行われるのに対し、こちらのランパセラピーは成長発達期のお子様向けの治療方法です。歯並びの乱れというのは歯の生え方に目が行きがちですが、実はこれ顎骨の成長不足だということをご存じでしたか?「出っ歯」や「受け口」のような不正咬合の症状がみられるお子様たちに共通する特徴が実は上下顎骨の前方への成長不足なのです。これにより顎骨に歪みが起こり、結果的に歯が並ぶスペースがないことで歯並びの乱れが引き起こされているのです。こういった顎骨の成長不足という原因を改善するため、お写真のような器具を上顎骨に装着し上前方に牽引する治療、それがランパセラピーです。

 

ランパセラピーの効果

下記は先日、ランパセラピーの4回目クールが終わったお子様の頭蓋骨のレントゲン(セファロレントゲン)です。術前に比べて大きな変化が2つあるのですがわかりますでしょうか。

 

 

1.上顎が上にあがりました。

お写真の赤線にご注目下さい。上顎がグッと上向きになったのが確認できるかと思います。更に黄線の箇所をご覧いただくと、上顎が顔面前方に成長しているのがわかるかと思います。ここまででもランパセラピー治療の大きな効果です。

 

2.気道が拡大しました。

気道とはその名の通り空気の通り道です。鼻腔、口腔、気管などからなっており肺に通じているため呼吸器系の要ですね。青線でなぞった箇所が気道です。術前と比較すると、術後に気道が太く拡大している様子がわかると思います。

 

このように上顎や気道が拡大されたことにより、鼻・副鼻腔炎やイビキ・睡眠時無呼吸症候群といった呼吸器系の症状に改善が期待できるのです。

※今回ご紹介させていただいたレントゲン写真につきましては患者様のお母様からご了承を頂いております。

 

副鼻腔炎とは

先ほど副鼻腔炎と申しましたが、実はこれ俗にいう蓄膿症(ちくのうしょう)のことです。私たちのお顔の中央にドシーンと構えている鼻。この周囲にはいくつかの空洞がありこの空洞のことを“副鼻腔”と言います。副鼻腔は薄い粘膜がついた骨で囲まれており、中に空気を蓄えています。

「え、顔面に空気?何のため?空気がなければもっと小顔になれるじゃない!」

 

と思ったそこのあなたストップです。

この空気には様々な役割があると言われているんです。例えば顔面に強い衝撃を受けた時にその衝撃を吸収して脳や眼球を保護したり、吸い込んだ空気の温度や湿度の調整をしたり、更には頭の骨の重さを軽くしていたりと言われています。また副鼻腔内の粘膜にはごく小さな毛が生えています。これが外から入ってきた異物などを絡めとって排泄する働きもしているのです。そして副鼻腔の更なる機能として、脳の冷却機能があります。脳は体の中で一番カロリーを消費する臓器でとても発熱しやすいです。そのためパソコンのファンのように脳を冷却するためのとても大切な機能があります。集中力不足や多動性の陰に副鼻腔炎が隠れているとの話もあるくらいです。

“副”と付くと、何となく“サブ”のような意味に思えますが、この空洞、すなわち副鼻腔には様々な働きがあるのです。ところが、この副鼻腔の中に何らかの原因で膿がたまると副鼻腔炎を引き起こすのです。先述の通り副鼻腔炎のことを蓄膿症とも呼んでおりますが、「膿を蓄える症状」と表記する“蓄膿症”とはなんともこの病気のことをよく表していると思います。

 

では具体的にどんな症状がでるのか見ていきましょう。

 

小林製薬さんのCMで蓄膿症のお薬 “チクナイン”を見たことがある方も多いのではないでしょうか。CM内では『鼻の奥にドロッとした膿がたまる』、『イヤなにおいがする』とありますがまさしくその通りで、副鼻腔炎(蓄膿症)になると、溜まった膿のせいで黄色く変な臭いのする鼻汁・痰がでたり、鼻が詰まってにおいがわからなくなったりします。更に悪化すると、頭やおでこ、目の奥や頬などが痛くなるなどと様々な症状が出てきます。特にお子様の場合は副鼻腔炎から中耳炎を併発することも多いと言われておりますので、早い段階に耳鼻咽喉科で治療をうけることをおすすめします。

 

なお花粉症持ちの方はわかると思うのですが、鼻づまりでイライラすることはありませんか?私はスギの時期に花粉症に悩まされるのですが、においが分からなくなり、何となく頭も重くかったるくなります。そして鼻で呼吸ができないので口呼吸をしがちです。以前のブログで繰り返しご紹介しておりますが、口呼吸になるとドライマウスによりむし歯や口臭などといったリスクが高くなります。そして鼻づまりのイライラはお子様にも同じことがあるようです。当院院長の関本によるとお子様のADHD(注意欠陥・多動性障害)の中にはこの副鼻腔炎が原因となっている例もあるようです。

 

 

歯科矯正で呼吸の改善

さて、歯科治療のお話に戻ります。冒頭でランパセラピーにより上顎の成長と気道拡大をしたお子様のお話をしました。これにより呼吸がしやすくなり、イビキや睡眠時無呼吸といった症状の改善が見込まれます。

 

繰り返しになりますが、不正咬合・歯列不正のお子達の中には呼吸の問題を抱えている子たちが少なくありません。だからこそ、保護者の皆さま、お母さん、お父さんにお願いです。

\\お子様のいびきや口呼吸を無視しないでください//

 

そこには何か“原因”があるはずです。

そしてそれが歯並びによるものでしたら、私たちが力になれます。

正常な歯並びはたくさんのメリットをお子様にもたらします。

例えば

  • 正しい発音でお話ができる
  • 見た目へのコンプレックスが軽減できる
  • 口呼吸による感染症のリスクをおさえられる
  • 歯みがきがしやすくなることでむし歯になりにくくなる

などです。

 

お子様の健康や幸せを願わない保護者様はいないはずです。ちょうどこの時期夏休みでお子様と向かい合う時間も普段より多く取れるとおもいます。ぜひお子様の口元をご覧いただきお子様の健康について考えてみてはいかがでしょうか。