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災害時の口腔ケア、どうしたらいい?

こんにちは、スタッフの後藤です。

今年の秋は災害レベルの大型の台風が続いていますね。

今週末も前回の台風15号をしのぐ大型の台風19号が千葉に接近しているようで、

ニュースを耳にするたびに不安な気持ちになります。

また同時に先月千葉県を襲った台風15号で今もなお災害の爪痕が色濃く残っている

市町村がまだまだ多い状況なので、被災された皆さんの事がとても心配です。

 

災害はいつ・どこで・誰の身にも起こること…。もしもの時・いざという時のために

今回は災害後の避難生活における口腔ケアを考えてみましょう。

 

■感染症や肺炎を防ぐためにも口腔ケアを!

避難生活になると給水が制限されることが多く、優先順位を考えると身体やお口の

お手入れまではなかなかできないかもしれません。しかし避難生活が長引けば

その分体力も消耗します。

身体も心も非常に強いストレスにさらされ、免疫力が低下している状態が続くと

感染症や肺炎、特に誤嚥性肺炎のリスクが高まります。高齢者は特に注意が必要です。

限られた水や道具でも口腔内をできるだけ清潔に保ち、全身の病気のリスクを防ぎましょう。

 

■歯みがきのコツ&気をつけること

食事はできるだけ決められた時間に摂るようにしましょう。食後のお手入れは

限られた水や道具を使って行う場合が多く、食事の回数が増えると口腔内のお手入れや

歯みがきの回数を増やすことになります。

そのため「だらだら食べ」や「ながら食べ」はできるだけ控えましょう。

入れ歯を使っている方は食後に入れ歯をきれいにし、就寝前には外しましょう。

 

1、歯ブラシがある時

歯みがきをする前にまず水で濡らしたティッシュで口を軽くふきます。

そしてコップに少量の水(30ml程度)を入れ、その中に歯ブラシを入れて濡らし

歯をみがきます。歯ブラシが汚れたら濡らしたティッシュで汚れを拭き取ります。

コップの水を少しずつ口に含み、数回にわけてすすぎます。

もし手元に歯みがき粉があった場合は、すすぎの水が確保できるまでは少量だけを使い、

すすぎの回数を増やさないよう(水を使いすぎないよう)心がけましょう。

 

2、歯ブラシがない時

食後に少量の水(30ml程度)や無糖のお茶でブクブクうがいをします。

一度に多くの水を含んで吐き出すよりも少量の水分で何回か繰り返して

うがいをしたほうが口腔内の汚れを薄める効果があります。

うがい後にティッシュペーパーや汚れていないタオル、ガーゼやハンカチ

などの布で歯の表面をこすって出来る限り汚れを取り除きます。

 

3、水が使えない時

水が使えない場合はティッシュペーパーやハンカチなどの布で歯の表面を

こすって出来る限り汚れを取り除くとともに、唾液の分泌を促しましょう。

このときキシリトール入りシュガーレスガム(糖分が入っていると

むし歯リスクが高くなるため糖分が入っていなタイプが望ましい)があると

便利です。唾液の分泌を促すためにガムを10分以上噛んで、口の中に

唾液をまんべんなくゆき渡らせてからその唾液で口をすすぐことができます。

ちなみにガムは長期保存が可能なため賞味期限が切れていても健康に

問題は生じません。普段から常備しておくと安心です。

また、手元にマウスウオッシュがあった場合は、唾液うがいの後に

積極的に使ってください。口腔内の菌の繁殖を防ぐことが期待できます。

 

4、入れ歯のお手入れ

できれば毎食後、少なくとも1日に1度は外してウェットティッシュや

ガーゼやハンカチなどの布、スポンジなどで汚れを取ってください。

部分入れ歯ではブリッジの金属部分に汚れがたまっている場合が多いので、

義歯用の歯ブラシや歯ブラシ、綿棒、ティッシュペーパーを巻き付けた

ようじなどを使って汚れを取ってください。

就寝時は外して義歯洗浄剤が入った水の中で保管することが望ましいですが、

非常時には薄めた食器洗い用の中性洗剤でも代用することができます。

(口に入れる際には洗剤を充分に洗い流してから装着してください。)

 

■唾液の分泌を促すことが重要

唾液には天然の保護剤の役割があります。

しかし極度のストレスにさらされていると唾液が出にくくなることがあります。

ですので唾液が出やすくなるように意識的に口を大きく開いたりすぼめたり、

頬を膨らませたりすぼめたりして積極的に唾液腺を刺激してください。

口を開きながら舌を出して上下左右に数回動かす体操も唾液の分泌を促すのに効果的です。

感染症予防にもなりますので、ぜひ取り入れてくださいね。

 

最後に…

災害が起こらないことが一番の願いですが、もしもの事態に備えて口腔ケア用品も

非常用品と一緒に準備しておきましょう!