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第7回コラム 「ついにアンティークが壊れた!」
やはりアンティークは、壊れやすかった!
考えてみれば当たり前のことですが、このサイトのクローズアップでも紹介している「レトロな水洗金具」がついに壊れてしまいました。つい先日までは、ブーンといううなり声を上げるだけで使えるには使えていたのですが、最近になり、あまりうなり声がしないなと思っていたら、ついに水が止まらなくなってしまいました。やはりパッキンが悪かったようです。
しかし、そこはアンティークの悲しさで、すでに今の世の中には交換のパッキンがありません。しかたなく水洗金具ごと交換ということになりました。
その工事のために、今日は朝からドンナハウスの担当者と水道屋さんがきました。
アンティークと言っても、しょせんは中古品です。中古品を洒落そうに少し高く値段をつけているのがアンティークですから、永くは持ちません。この水洗金具の寿命は7年と9ヶ月でした。もう役に立たなくなった水洗金具だから捨てるのかと思っていたら、妻は大事そうに箱に入れてしまってしまいました。いったいどうするのだろうか?
新しくなった水洗金具は、ピンピカで使いやすそうです。患者さん達のことを思うと、これで良かったのかも知れません。
水洗金具たちが擬人化して見えたので、蛮勇を奮って、ここで彼らに詩を送ります。
古い大きな水洗金具、ついに壊れてしまいました。
故里(ふるさと)を、はるかに離れたアジアの国で、とうとうリタイヤしてしまいました。
幾百の顔を洗い、幾千の手を清め、数多(あまた)の口を漱ぎ続けて(すすぎつづけて)きました。
働き続けた水洗金具、すっかり疲れてしまいました。
優しい静かな水洗金具、ここらで少しお休みです。
新しい部品が見つかる日まで、そっと深く眠ります。
若い元気な水洗金具、いよいよ今日がデビューです。
きれいなピカピカな体で、いろんな仕事をこなします。
幾多(いくた)の昼を行き、数多(あまた)の夜を超え
幾万の手を清め、幾億の口を漱ぎます。
いつかリタイアする日まで。
深く静かに眠るまで。
ビバ・デンタル 代表 関本浩貴