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第5回 顎顔面口腔育成研究会学術大会に参加して

10月8.9に院長先生・高橋さん・稲井さんと「第5回 顎顔面口腔育成研究会学術大会」に参加させていただきました。

私がこの「ランパの学術大会」に参加させて頂くようになって3回目になります。今年は一昨年と同じお茶の水の「solacity」で行われました。この会場は広くてきれいで歩いていると自分がキャリアウーマンになったような錯覚をおこします。

院長・高橋さんと3人でおしゃれファミマでコーヒーを買って、いざ会場へ!会場には毎年のごとくたくさんの先生方やスタッフの方々が学術大会に参加されていました。

1日目の講演内容は「適切な顎顔面発育は閉塞性睡眠時無呼吸症を予防できるのか」

「呼吸様式に伴う上気道形態の変化・いびき音とCTを用いた評価法」

「人の進化から口腔機能を考える」です。

今はいびきや無呼吸は(太った中年)だけではなく子供も起こす時代です。

ビバ歯科でも他機関と連携して無呼吸の審査をしていますが、寝ている間に何回も呼吸が止まっているお子さんたちが結構いらっしゃいます。その原因は人それぞれ様々ですが大切なことは舌のポジションです。舌のポジションを正しくするというのはランパの目的でもあります。舌が正しい位置にいられない状態(口が小さい・歯列不正・口呼吸・アデノイドetc)だと舌がのどの方に下がり気道を圧迫して無呼吸を引き起こす原因の1つとなります。

無呼吸を起こすと学力低下、発育不全等様々な不調を引き起こすので治すのは成長期のなるべく早い段階で行うのが大切とのことでした。

昔の子供に比べると今の子供は顎が細く歯並びが悪い子が多いとよく聞きます。確かに小児の患者さん(矯正で通院している方以外)で子供の乳歯列に多く見られる空隙(歯と歯の間の隙間)がない子がたくさんいます。これにも様々な要因がありますが、私が講演を聞いて驚いたのは昔は今のように食事の時に一緒に飲み物を出さなかったということです。その例として「サザエさん」の夕食のスライドが出てきました。茶ぶ台の上には飲み物がなく、食事が終わってからやっとお茶が出てきたのです!私は今まで勝手に食事は飲み物を飲みながらとるのが正しいと思っていました。ところが飲み物と一緒に食べる=流し込み→あまり噛まないということにつながるとのことでした。逆に、飲み物(汁物は別)が無いと→よく噛んでから飲み込む→唾液がたくさん出るし顎も発育が促進される→歯列不正になりにくいということにつながります。よく噛んで食べたほうがいい事やかたいものを食べたほうがいい事は知っていましたが、このことは知らなかったので驚きました!

2日目は「なぜ口から食べないといけないのか」

「人類学から見た不正咬合・700万年前の人類進化論・日本人はどこから来たのか」です。

最初の講演は介護から見た口で食べることの重要性についてです。子供だけでなく高齢者もよく噛んで食べる、口から食べる事により病気などの症状が改善するという内容でした。

例えば、合っていない義歯で食事→食べられない→チューブでの栄養摂取(口腔機能の低下)

→肺炎を起こしやすい→体が弱ってくるというマイナスのサイクルになりやすい

逆に、きちんと口から食べる事ができると噛むことにより脳が活性化・唾液が出て免疫が上がるというプラスのサイクルになりやすいとの事でした。

私事ですが今年の始めに大好きな人が肺炎が原因で82歳で亡くなりました。当時の状況を思い出しながら講演を聞いていて、入院患者さんの口腔ケアをもっと積極的に行って肺炎等で亡くなる方が少なくなってほしいと思いました。

最後の講演は人類の進化についてです。

縄文人はすごく歯並びが良かったことや江戸時代の人は出っ歯が多かった等、そうだったのか~と驚く内容がたくさんありました。

そしてとても感動したのが日本人はどこから来たのか?を調べる一大プロジェクトの映像です。

当時の人達がどうやって海を渡り沖縄の島に辿り着いたのかを実際に検証するもので、様々な分野の専門家達が知恵を出し合って草から船を造り、大陸から海を渡るというプロジェクトです。結果は潮の流れが強くて人の力だけで島から島の横断はできませんでしたがそれまでの過程や参加者たちの思いの強さ自然の偉大さにとても感動しました。

このプロジェクトは再来年も行うそうです。次こそは成功してほしいし、ちょっぴり私も参加してみたいな・・・と思いました。

今回の学術大会はいつもと少し違い、色々な方向から現代人を考えようというものでした。

普段お聞きすることが出来ない講演が聞けてとても勉強になりましたし、とても充実した2日間でした