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第17回コラム いよいよ世界標準の口腔癌検査がスタートします。

今夜も20:00から、市川総合病院で委員会がありました。第8回のコラムで、「口腔癌個別検診委員会」という仮称でご報告した委員会です。

今回から正式に委員会名が決まりました。Oral Cancer Detected System in Ichikawa city Network(OCDSIN)という長い名称ですが、日本名にすると口腔癌早期発見システムネットワーク会議となります。

今回の委員会では、市川総合病院の皆様に新しい口腔癌検査の紹介やデモをしていただきました。これにより、今後は我々の一般歯科診療所でも、かなり精度の高い口腔癌検査が出来るようになります。

医療法人社団 聖祥会のビバ歯科・矯正小児歯科とビバ・ファミリー歯科・矯正歯科では、この方法をいち早く導入し、両医院で精度の高い口腔癌検診が可能になりました。

今回のコラムでは、このシステムについてご紹介しましょう。

お口の中にデキモノや治りにくい口内炎がある方には、是非、受診をお勧めします。

I.この新しい口腔癌検診は、どのようなものなのでしょうか?

1. イテック社が開発したThin Prep液状細胞診システムで、まだ日本国内では新しく、始まったばかりの口腔癌検査システムです。日本ではオリンパス社が取り扱っています。
2. これまでの細胞検査システムに比較して高品質で高精度の検査が可能になります。
3. 1回の細胞採取で多数のサンプルを作ることが出来るため、患者様から何度も細胞を採取する必要が極めて少なくなり、患者様の負担がとても少なくなります。
4. 多数のサンプル作成が出来ることにより、形態学的検査だけでなく、免疫細胞化学や分子生物学などの様々な分析・解析に活用することにより、多くの検査情報が得られることになります。
5. 従来の方法に比較して検体の長期保存が出来るため(約6週間)、再検査や他の検査の組み合わせにより、より制度の高い分析が可能になります。

II.この口腔癌検検査の流れ

1.検体採取

患者様のお口の中の病変部から、細胞を採取します。この時、表面麻酔をしますので、痛みはほとんどありません。 細胞の採取には、きれいな歯間ブラシを使います。

検体採取

2.細胞採取

採取した細胞をバイアルの溶液の中に溶かします。この状態で、市川総合病院の臨床検査科に送ります。

検体を入れるバイアル
検体を入れるバイアルです。

細胞採取細胞採取

3.標本作成
市川総合病院臨床検査科では、送られてきた検体を検査器械にかけるなどして、検査のためのサンプルを作成します。

検査機械検査機械です。

4.顕微鏡検査
市川総合病院臨床検査科では、さらに出来上がったサンプルを、顕微鏡などを用いて検査します。

顕微鏡検査
5.検査結果

約1週間程度で、市川総合病院から検査結果が当院に送られてきます。当院にては、検査結果を患者様にお伝えいたします。

6.その後の対応

検査結果によりその後の対応は分かれます。
もし、口腔癌が疑わしい時には、さらに詳しい検査や治療などを市川総合病院などの高次医療機関で受けていただ けるように手配いたします。また、あまり心配する必要のない疾患の時には、診療所での治療を受けていただくことになります。

III.患者さんの負担は?

1. 当院を受診し、お口の中から細胞を取らせていただくだけの検査です。表面麻酔を使いますので、ほとんど痛くありません。
2. 約1週間後に、検査結果が分かります。その時も、当院にご来院下さい。
3. この検査は保険診療が適応されます。3割負担の場合の窓口負担金は、約千数百円程度です。

ビバ・デンタル 代表  関本浩貴