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歯の根元がなくなる!?こんな症状があったら“くさび状欠損”かもしれません

こんにちは! JR総武線東船橋駅南口ロータリー内にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

突然ですが、みなさん楔(くさび)って聞いたことがありますか?

堅い木材や金属で作られたV字形または三角形の道具のことです。木や石を割ったり、重いものを押し上げたり、車輪を固定したりと様々な場面で使われますよね。一番身近なところですと、ドアストッパーがくさびです。またくさび型と言えば一端が他端に至るにつれて徐々に狭くなっていることを表し、くさび型〇〇というように、その形態を表す言葉でもつかわれますね。

 

さてそんなくさびですが、実は私たちの歯にも“くさび型”ができるということをご存じでしょうか?今日は歯がくさび状に削れてしまう“くさび状欠損”についてのお話です。

 

くさび状欠損って何?

くさび状欠損(WSD: wedge shaped defect)とは摩耗症の一種で歯と歯ぐきの境目が一部欠けている状態のことを言います。歯頚部と呼ばれる歯の生え際の表面がすり減り、その欠損部分が三角形のくさび型に似ているためこのような名前が付けられています。病名自体はあまり聞きなれないかもしれませんが、30代を過ぎ年齢と共に多くみられる病気です。ちなみにくさび状欠損は歯が部分的に失われ痛みも伴うことから一見するとむし歯と勘違いされがちです。しかしむし歯菌が原因ではありません。原因は他にあるのです。

 

▲歯頚部がくさび状に欠損しています

 

くさび状欠損の原因

むし歯はミュータンス菌という菌が糖質から作り出す酸によって歯が溶かされていく病気です。それに対し、このくさび状欠損とは物理的な外的要因によって歯の表面が削られ失われてしまう摩耗症の1つです。

かつてその原因は硬めの歯ブラシや研磨剤入りの歯磨き粉の使用、そして過剰なブラッシング圧とされていました。しかし現在では睡眠中の歯ぎしりによる応力、すなわち歯と歯との咬合力が原因であるということが有力になっています。歯ぎしりにもいくつか種類がありますが、クレンチングと呼ばれる強い噛みしめやグラインディングと呼ばれる歯を横に揺さぶる力が代表的です。これら咬合力によって歯がたわみ変形し、エナメル質や象牙質が破壊されていくのです。その結果、くさび状にすり減りえぐれてしまいくさび状欠損となります。

また不正咬合などの咬み合わせの悪さによるダメージも歯質を破壊しくさび状欠損を引き起こす原因になります。その他、生活習慣が影響して症状が表れる方もいらっしゃいます。例えば吹奏楽器やパイプ、釘などを習慣的に歯でくわえる場合、その物の形状で摩耗しくさび状欠損となることがありますので注意が必要です。

 

 

くさび状欠損の症状

知覚過敏のような症状がでます。

・空気や息があたるとしみる

・歯みがきで歯ブラシが当たると痛い

・冷たいものや熱いものの飲食したときにしみる

 

 

くさび状欠損の治療方法

・知覚過敏専用の薬剤を塗布したり、フッ素で歯質を強化したりする

・歯質(エナメル質・象牙質など歯をつくる成分のこと)が大きく欠損しむし歯のリスクが高い場合にはコンポジットレジン*をもって欠損部を充填、修復する

*コンポジットレジン:歯の色によく似ている白いプラスチック素材の詰め物。むし歯治療後の詰め物としても使用されます。

・削れている部分が歯髄(歯の神経)に近い場合には根管治療(神経の治療)を行う

 

 

そしてこれら治療と並行して、そもそもの原因を取り除いていく必要があります。

セルフケアの見直しとして、歯ぎしりによる歯のダメージを軽減するために就寝時にマウスピースを装着するなど、患者様と歯科医院の二人三脚で解決していかなければなりません。また、歯質への負担を少しでも軽減するため、荒い研磨剤入りの歯磨き剤の使用を避けたり、正しいブラッシング方法を身に付けたりすることも大切です。

なおくさび状欠損について自然治癒することはありません。欠損した歯は放っておいて回復することはないのです。

ゆえに進行度に応じた適切な早期治療が必要です。そして食いしばりやブラッシング方法などの生活習慣を見直し予防に努めていくことが大切です。もし今知覚過敏のようなキーンとする痛みがあるようでしたら一度ビバ歯科・矯正小児歯科までご相談下さいね。