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今年も筑波大学附属聴覚障害者支援学校歯科技工科に講義に行ってきました

ビバ歯科・矯正小児歯科の関本浩貴です。
2022年6月23日木曜日午前10時半から筑波大学附属聴覚障害者支援学校歯科技工科 3年生の講義に行ってきました。

 

当日は聴覚障がいをもつ学生さんたちに口元の動きを見やすくするため、換気をしながらマスクを外しております。

 

僕が受け持つパートは 「生理咬合を考える」というタイトルで主に筋肉位が顎関節症や筋肉の凝りに与える影響について 講義かつ実習をしています 。元々は僕の恩師である 仙台市でご開業の川村秋夫先生に教えていただいた内容をベースに講義をしていますが、筋肉位を体感していただくことにより 学生の皆さんに 正しい下顎位とはどういうものなのかを感じ取ってもらっています。

授業内容としては

① 講義内容として ニュートラルリレーション (最も脱力する下顎位) を獲得した咬合とはどのようなものかを座学で勉強してもらい

ついで

② カムカムチューブ体操 を実施していただくことによって正しい下顎位を実感してもらい 、正しい下顎位を得られることによって全身の筋肉が全身の筋肉のコリが改善するということを身をもって体験してもらっています 。

さらに

③ 最後に自分自身の生理咬合に基づいたマウスピーススプリントを 製作調整してもらうことにより 、どのような マウスピースが 生理咬合を再現・維持できるのかを 実習を通じて理解して頂いています

 

授業時間は 約2時間程度なのですが 、 以上の 三つの項目を織り込むことにはいささか無理があるようで ③の マウスピーススプリントを製作調整する実習については終了まで辿り着けない学生さんも数名見受けられました。来年は もう少しアレンジして座学の時間を簡素化して十分な実習時間が持てるように工夫したいと考えています 。

 

昨年のブログでも書いたのですが僕自身は この歯科技工科で講義することをかなり楽しみにしていて 、毎年少しずつ授業内容をアレンジして学生の皆さんに理解しやすいくなるように努力しています。また 講義が終わった後にしばらく経った後に学生方からの感想文を頂いているのですが、 自分で言うのもなんなんですが 学生の皆さんの評価が結構いいので毎年の講義の励みになっています 。また その感想文の中には僕が思っている以上に 理解を深めている学生さんもいて逆に驚かされたりしています。来年もまた少し工夫を凝らして授業に臨みたいと思っています 。

 

ただここでとても残念な報告をしなくてはなりません 。
筑波大学附属聴覚障害者支援学校歯科技工科は来年度から新しい学生を受け入れずに 、 あと2年をもって閉校するということが決まったそうです。歯科技工科は3年間ですので今1年生に在学している学生を以て終了になるそうです。僕が受け持っている学年は3年生なので来年と再来年 講義したら それで終了ということになってしまいます。
以前は聴覚障害者向けの歯科技工士学校は国内に数校あったのですが 、今では この筑波大学附属のみが残っていて国内で唯一の聴覚障害者向けの歯科技工士養成学校になっています 。この学校が閉じてしまうということは国内から聴覚障害者向けの歯科技工士学校がなくなってしまうということを意味していて、非常に残念でなりません。僕がこの学校で講義できるのもあと2回になってしまいました。その分あと2回の講義は心を込めて学生の皆さんの記憶に残るような講義にしたいと思っています。