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蓄膿症を歯医者で治す~その鼻水、歯が原因かもしれません

こんにちは。千葉県船橋市東船橋にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。突然ですが、みなさんに質問です。

原因不明の鼻水や鼻づまりが続いたらどうしますか?熱があれば風邪やひょっとするとこのご時世新型コロナウイルスを疑うかもしれません。でもそうでなければ・・・?おそらく多くの方が耳鼻科にかかるのではないでしょうか。そして鼻付近に痛みがあれば“蓄膿症(ちくのうしょう)”を疑う方も多いことと思います。ところが実は歯医者さんにしか治せない蓄膿症があるのをご存じでしょうか?今日は歯が原因の蓄膿症のお話です。

 

蓄膿症って?

まずは蓄膿症(ちくのうしょう)について説明します。これは鼻の奥の空洞に膿がたまる病気です。症状は「鼻づまり」、「ドロッとした黄色い鼻水」、「頭痛」、「顔面、鼻周辺、目、歯などの痛み」、「臭覚・味覚を感じない」などがあります。主な原因は風邪・花粉・カビなどの菌が鼻の入口(鼻腔)に炎症を引き起こすことです。そして炎症が長引くと空洞内の粘膜も腫れて鼻腔との通路が塞がり慢性副鼻腔炎となります。これがいわゆる蓄膿症です。なお蓄膿症は俗称で正式には副鼻腔炎と言います。

ここで副鼻腔という言葉ができてきたのでそれについても簡単にご紹介しますね。以下のイラストをご覧ください。

私たちの鼻の周りにはたくさんの空洞があり、これらを専門用語で副鼻腔と呼びます。副鼻腔はその場所によって名前がついており、前頭洞、篩骨洞(しこつどう)、蝶形骨洞、そして上顎洞に分けられます。そして実はこれら副鼻腔の奥の方は脳や眼に隣接しており副鼻腔炎(蓄膿症)が進行した場合には失明することもあるのです。もちろん失明というのはごく稀なケースではあります。しかし、「たかが鼻づまり」、「たかが鼻水」と放っておくとこういうケースがあることを知っておいてください。

 

歯医者さんでしか治せない蓄膿症

さて今回は副鼻腔の中の1つ上顎洞に注目していきます。上顎洞は鼻の両脇にある空洞です。何かしらが原因でこの上顎洞に膿が溜まり炎症が生じたものを上顎洞炎と呼びます。

上顎洞炎の原因は主に2つに分けられます。

 

1.鼻性上顎洞炎

鼻性というのは「鼻が原因の」という意味です。風邪などが原因で起こった鼻炎により上顎洞に膿がたまった状態です。

2.歯性上顎洞炎

歯性というのは「歯が原因の」という意味です。原因の大半はむし歯や歯周病などによる細菌が上顎洞に入り炎症を引き起こすということです。その他に、外傷(歯根が割れたり、亀裂が入ったり)が原因になることもあります。なお歯根(歯の根っこ)の先端が上顎洞に近い人ほど歯性上顎洞炎が起きやすい傾向にあります。

 

いずれも症状は似ているので、鼻性なのか歯性なのか患者様ご自身での判断は難しいです。よく『鼻性の上顎洞炎では左右両側の上顎洞が炎症を起こすのに対し、歯性の上顎洞炎では原因のある歯と同じ側(片側)だけが炎症を起こす』と言われていますが、実はそうとは限りません。実際に当院にご来院された患者様の中にも片側のみの炎症だったけれど鼻性上顎洞炎だったという方がいらっしゃいました。このことがより判断を難しくしている一因です。そのため、確実に診断をするにはCT画像の撮影が必須です。CTとはComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略で、人体の輪切り画像をコンピュータによって再構成する装置です。歯科では矯正治療やインプラント治療でも頻繫に使われています。

 

歯性上顎洞炎の場合、「症状は鼻」すなわち耳鼻科の領域にでますが、「原因自体は歯」すなわち歯科の領域にあります。そのため、患者様からすると『じゃあ、どっちの病院に行けばいいんだ?』と迷われますよね。ケースバイケースではありますが、歯に原因がある場合にはまずは歯科で原因となっている歯の治療が優先です。これが『歯医者さんにしか治せない蓄膿症』ということです。続いて実際に当院で歯性上顎洞炎の治療をした患者様のお写真をみていきましょう。

 

実際の症例写真

先ほどご紹介したCT画像は、通常では見えない組織の中まで立体的に見ることができる装置です。CT画像では正常な上顎洞は黒く写ります。逆に炎症がある上顎洞はグレーぽく写ります。それでは実際にCT画像と共に見ていきましょう。

 

症例1

主訴:鼻炎が続いて治らない
診断名:歯性上顎洞炎(左右)
上顎の奥歯4本(右上7/左上5.6.7)が重度のむし歯。歯根と呼ばれる根っこの先にまで炎症が広がり根尖性歯周炎も発症。
治療方法:原因の上顎歯計4本を抜歯、上顎洞洗浄
予後:粘膜の腫れ・炎症がおさまりました。CT画像を比較すると明らかです。術前では上顎洞内に粘膜の腫れが顕著でしたが、抜歯後は炎症がおさまり黒く綺麗に写っています。

※CTでは左右逆に写ります。

 

症例2

主訴:左上奥歯及び歯ぐきが痛い。また副鼻腔炎の治療で耳鼻科にも通院していたが完治しない。
診断名:歯性上顎洞炎(左)
上顎の左6番目にむし歯。
治療方法:原因となっている歯の根管治療(根っこの治療)、上顎洞洗浄
予後:粘膜の腫れがおさまりました。

今回は2つの症例をご紹介しました。どちらの患者様も鼻に何かしらの異常を感じてはいたものの、「まさか歯が原因だなんて…」と驚かれていました。このように歯性上顎洞炎の場合は原因となる歯の“特定”がとにかく重要となります。そして1つ目の症例のように原因となる歯が複数あればそれらをすべて治療することが重要です。もし今、長く続く鼻づまりや鼻水に悩まされており、耳鼻科での治療でも改善されないというのであればそれは歯性上顎洞炎かもしれません。そしてそれは『歯医者さんでしか治せない蓄膿症』です。ぜひ一度ビバ歯科・矯正小児歯科までご相談下さいね。

医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
住所 〒273-0002
千葉県船橋市東船橋1-37-10
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電話番号 047-421-0118
最寄り駅 JR総武線「東船橋駅」南口 徒歩30秒
アクセスの詳細はこちら
駐車場 敷地内に5台分の駐車場があります
休診日 水曜(第1週)・木曜(第2週以降)・日曜・祝日