デンタル豆知識・雑学ブログ
世界の歯ブラシ、サイズが大きいのにはワケがある?
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
先日、当院の若手歯科医が興奮気味に話してくれました。
「セブ島の旅行中、滞在したホテルの歯ブラシがあまりにもデカすぎて、思わず写真に撮ってしまいました。試しにこれで磨いてみましたが、口の中で動かせなくて一回きりです。」
と見せてくれたのがこちらの写真です。

右:日本から持ってきた歯ブラシ
本当に人用歯ブラシ?というくらい大きく、ブラシヘッドは親指の長さ位ありそうです。ホテルのアメニティ歯ブラシは日本も同様に使い勝手は決して良いわけではありませんが、それにしてもこれは”デカい”としか言いようがありません。
そこで今回のテーマは脱力回としまして、「世界の歯ブラシ、サイズが大きいのにはワケがある?」です。
「世界の…」とありますがこのブログでは主に、北米(アメリカ・カナダ)について述べていきます。他のアジア諸国、欧州や中東、アフリカなどは北米とは異なる歯ブラシ事情があるかもしれません。
目次
日本とはサイズが大違い⁉
サイズがダイナミックな海外の歯ブラシ
先述したのはセブ島のエピソードですが、筆者もその昔一時期、北米に住んでいたことがあるため、話を聞きながら思い切り頷いてしまいました。当時そんな事情は知らず渡航したため、現地調達するしかなく初めて見た時、そのサイズの大きさに「カバさん用の歯ブラシ?」と衝撃を感じずにはいられませんでした。仕方なく現地歯ブラシを使っておりましたが、その時の感想として、“口の中で方向変換やターンが上手く利かず、大きい故、ヘッドが歯茎や頬粘膜に当たって痛くて、歯一本いっぽんを細かくブラッシング出来ず、奥歯の細かい所にも届かず、大雑把に磨く”です。子供用歯ブラシも使ってみましたが、永久歯にフィットせず持ち手も短いためこれもダメでした。
その後、現地に暮らす日本人の先輩方が「歯ブラシと化粧水は、日本からまとめて持ってきた方がよい。」とアドバイスを受けたことは今でも記憶に残っています。そのため、筆者も一時帰国の時に日本の歯ブラシや歯間ブラシをまとめ買いをして、現地帰国するようになりました。
ちなみに、今でも日本から持って行った方が賢いのは日焼け止めだと思っています。
これで磨けるのか?現地歯ブラシはやはりデカかった
デカい、厚い、立体的
写真はカナダで売られているOral-Bの歯ブラシです。(Oral-B Canada社の公式サイトから画像を引用させていただきました)現地ドラッグストアで手に入るごく普通のタイプです。

日本人感覚では思いつかない色使いのパッケージデザインに視線がいきがちですが、やけに立体的で厚みのあるハンドル、そして縦に長く伸びているヘッドにご注目ください。日本の薄くて華奢な歯ブラシに見慣れていると比率の認知が狂います。 加えて毛にもご注目。一本いっぽんがしっかりと太く、密集度が低いですね。商品説明によると、通常タイプより奥歯に届いてしっかりプラークを落とし、長いブラシが歯ぐきをやさしくマッサージしてくれると書かれています。
次の写真2枚は同じOral-B Canada社のホワイトニング向け歯ブラシです。こちらもヘッドが大きい。


余談ですが、先進国で歯科予防の意識が大変高い国、スウェーデンで販売されている歯ブラシを、調べてみたところ、北米サイズと変わりませんでした。
実は歯科予防意識は高い
ならば、現地の人たちは歯磨きに対して無頓着なのか?と思うかもしれません。
しかし答えはNO。日本とは医療制度が異なり、医療が身近でない社会事情、例えば、公的医療保険だと歯科治療は適用外など(注1があるため、デンタルケアに関しては日本人以上に真面目に取り組まざるを得ません。
(注1)国で統一された日本の国民皆保険制度とは違い制度は各州によって異なりますが、日本のような医科・歯科どちらも使える公的医療保険制度は稀です。
その証拠に現地ドラッグストアのオーラルケアの売り場はなかなかの圧巻で、品揃えを眺めると口腔ケアへの意識の高さを感じられます。例えば、歯磨き粉。高濃度フッ素は当たり前。パッケージには大きく製品ごとに特化した効能効果(むし歯予防、口臭、歯垢除去、歯茎ケア、エナメル保護、知覚過敏、ホワイトニングなど)が書かれています。これは日本と同じですね。ただ違うのは、商品のディスプレイが横置きで(紙箱に入っています)です。深い理由はわかりません。中には効能が重複過ぎて、本当にそれだけの効果があるのか疑わしい商品もあったりしますが…。フロスも色々種類です。海外ドラマの中にも、子供に「歯を磨け」と煩いくらいに命令する両親と、まだ寝たくない子供のシーンはけっこう見かけます。ここまでお口の予防意識が高いのに、歯ブラシが大きいのはどうしてなのか?その理由を探っていきます。
なぜそんなに大きいの?
日本人と欧米人、歯の大きさはそう変わらない
想像されがちではありますが、欧米人の歯は大きい説。日本人と比べて骨格が大きい故、そのような考えが出ても不思議ではありません。当院で摂食嚥下訓練実の指導に当たる先生曰く、日本人の歯と比べても、大きさはそう変わらないのだそうです(日本人にも歯の大きい方はいらっしゃいます)。ならば、他に考えられる理由はなんでしょう。
つまることろ…
それは国民性による歯磨き方法の違い。
なんと…「日本の当たり前は海外で当り前でない風習」の一つに歯磨きが含まれていました。合理的に手早く一気に物事を進めるダイナミック気質の彼らと、丁寧に物事を一つひとつ進める職人気質の我々日本人の図です。
一気に手っ取り早く磨くには、コンパクトブラシで細々とブラッシングするより、大きなヘッドで歯を磨くのが理にかなっているのでしょう。そして、落としきれない汚れはフロスとマウスウォッシュのダブル使いすればよいという解釈です。
一方、日本ですと「小さめの歯ブラシで小刻みにブラシを動かしながら丁寧に…」と指導されます。これは歯磨きに対する文化の違いですので、どちらの方が正しいのか決めつけるものではありません。虫歯や歯周病を予防できればいいのですから。
ただ、あちらの歯科衛生士さんのブラッシング指導が気になったため、調べてみたところ面白いことがわかりました。
アメリカ人の歯科技工士で、歯科衛生士で、公衆衛生学修士号とMBAも(凄い!)取得していらっしゃるデリックさんのブラッシング動画です。流石はお綺麗な歯をしていらっしゃる。とても物腰柔らか落ち着いた口調でお話する指導法は癒しのブラッシング。元気な衛生士さんもいいけれど、彼のような衛生士さんも素敵です。動画内ではブラシの当てる角度&動かし方と場所を解りやすく説明しています。
続きまして、アメリカの歯科衛生士でYouTuberのウィトニーお姉さんの歯磨き動画。
元気いっぱい(サムネ画像もGoodチョイス)、滑舌の良い英語はまるで英会話の先生のよう。こちらもブラシの当てる角度&動かし方と場所をアニメーションと並行しながら解説。デモということもあるのか、ブラシの動かし方が大きく速いです。ウィトニーお姉さんも歯並びがキレイ。
執筆していて面白いことに気付きました。アメリカでは4年制大学に歯科衛生学部があるということです。お二人とも学士号をお持ちです。
最後はオーストラリアの歯科医師直伝のブラッシング動画です。
歯科医師であるドクタースーパ先生が歯の模型を使ってレクチャーしています。
なんとスーパ先生、歯ブラシ小刻み磨き派です。上のお二人が”円を描くように”と指導しているのに対し、スーパ先生は上下磨きやくるくる磨きは、歯周ポケットに歯垢をかき集めてしまうのでやめましょうとおっしゃってます。ただし、動画内の歯ブラシがやけに大きいと感じるのは私だけでしょうか。
これらの動画を見てわかるのは、
- ブラシは45度の角度で
- 歯ぐきも必ずマッサージ
- 動かし方は円を描く派と小刻み派
- 歯磨きタイムは2分くらい
- 奥歯から磨き始める
- 上顎・下額どちらかから磨くかは指導者による
先の衛生士、癒しデリックさんと元気ウィトニーお姉さんが指導する歯磨きはダイナミックな印象を受けます。「動」です。それに対して、最後のスーパ先生はブラシを軽く押し当てながら小刻みブラッシングを推奨しているのは、先生がアジア系だからなのでしょうか。「静」です。他に気になったのはブラッシングタイムです。日本ですと3分~5分が良いと言われていますので、「2分は短い」逆に「2分でも十分ならラッキー」と感じる方はいるかもしれません。これは貴重な情報です。
最近ですと、ヘッドが小さめな大人用歯ブラシや電動歯ブラシも見かけるようになっていますが、日本的サイズよりまだ大きいなと感じます。
巷には文化比較の書かれた記事が多くありますが、歯ブラシにもその国の文化や国民性が現れていることが知れて興味深いですね。
ビバ歯科・矯正小児歯科からおすすめの歯ブラシをご紹介させてください
せっかくですから、この場を借りて宣伝させてください。
小刻みブラッシング派におすすめな歯ブラシです。
サンスター バトラーハブラシ BケアM(ふつう)当院販売価格 350円(税込)

商品説明:プラークコントロールのためのベーシックタイプ。
薄型ヘッドで奥歯
まで磨きやすい
先端を丸くした先細毛(テーパード)が細部までしっかりプラークを除去します。

