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妊娠中・産後~ママのお口のケア

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。先日新聞を読んでいたらこんな記事を見かけました。

2023.4.26読売新聞より▲ クリックすると別ウィンドウでひらきます

G-U-MやOra2などのオーラルケア製品で有名なサンスターグループが、妊娠・出産経験者を対象に妊娠中・産後の口腔状態について調査をしたという内容です。その結果、妊娠・出産経験者の43%の方が「妊娠中や産後に口腔状態に変化があった」と答えたそうです。具体的な回答は次のとおりです。

『むし歯になりやすくなった』・・・42%
『歯がもろくなる』・・・36%
『歯茎から出血しやすくなった』・・・28%
『口臭が気になるようになった』・・・28%

 

昔は『一子産むと一歯失う』とまで言われていたようですから、妊婦さんは歯が弱くなるというイメージがつよいかもしれません。たしかに妊娠中はホルモンバランスの変化などにより歯ぐきが炎症しやすくなるなどお口のなかの衛生状態が悪くなることが考えられます。しかし、マタニティ歯科での正しい治療や生活習慣の管理をすれば、歯がボロボロになるということはありません。そこで今日は妊娠中・出産後の歯のトラブルを防ぐ方法についてお話していきたいとおもいます。ぜひ最後までお付き合いくださいね。

なぜ歯のトラブルが増えるの?

妊娠中や出産後に起こる歯のトラブルは「赤ちゃんに栄養がとられているから」などと言われることがあります。しかし、実はそれだけが原因ではないのです。つわりなどの体調の変化やホルモンバランスが大いに関わっているのです。

食習慣の変化

子宮が大きくなるにつれて胃が圧迫され、一度に必要量の食事が摂りづらくなります。すると「だらだら食べ」、「ちょこちょこ食べ」が増えます。通常食事後に歯磨きをしていれば問題ないのですが、これらの食べ方をすることで口腔内がリセットされず常に酸性の状態になることで、むし歯の原因になります。

 

唾液量の変化

妊娠中には唾液量が減少する方もいます。すると洗浄作用(お口の中の食べカスを洗い流す)や抗菌作用(病原微生物に抵抗する)が弱くなり、むし歯の原因菌が増えやすくなります。さらに、唾液には緩衝採用というものがあります。食事のあとの口腔内は酸性に傾くのですが、この緩衝作用により酸性に傾いたお口の中を中性に戻しているのです。しかし唾液の分泌量が減少するとお口の中が酸性側に傾いたままとなり、これは歯を溶かす原因になります。

 

ホルモンの影響

胎児の発育に欠かせない女性ホルモン。しかし歯や歯茎にとっては必ずしも良いことだけではありません。例えば妊娠中に分泌が盛んになるホルモンとして、「エストロゲン」・「プロゲステロン」があります。そして実はこれらの女性ホルモンを栄養源にする歯周病菌が存在します。その一例がプレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)という嫌気性細菌です。この細菌はエストロゲンやプロゲステロンなどを栄養源にして、妊娠中に爆発的に増えます。すると歯肉が腫れたり出血したりします。いわゆる妊娠性歯肉炎の発症です。そして歯肉炎が悪化すると歯周炎という病気に進行します。こうなると歯肉の炎症が進むことのは勿論のこと、歯周ポケットが深くなり、さらに歯を支えている顎骨が溶けてしまいます。このような歯周病の進行は早産や低体重児の原因になるリスクも確認されていますので妊娠中のオーラルケアは非常に大切です。

 

歯みがきの質の変化

個人差はあると思いますが、つわりにより歯ブラシを口に入れるだけで吐き気がして、歯みがきがツライという声も聞かれます。また体調が芳しくないと日常の動作が緩慢になり歯みがきなどが面倒になることも少なくないです。それにより歯みがきの回数が減ったり、歯みがきの時間が短くなったりして口腔内環境が悪化、むし歯や歯周病につながるリスクが増えるのです。

 

つわりの影響

つわりにより強酸性の胃液の逆流が起こり歯の表面が溶けだす酸蝕症のリスクが高まります。

※酸性が口腔環境に与える影響についてはブログ『ダイエットで歯がボロボロに』でもご紹介しております。

 

歯のトラブルを防ぐために

間食にはキシリトールガム

甘い飴やチョコレートを食べたくなることもあります。しかし砂糖を含む製品はむし歯リスクを高めます。そのため、間食には、砂糖不使用のキシリトール製品がおすすめです。特にキシリトール100%のガムはそれを噛むことで唾液の分泌が促され、お口の中を洗浄してくれる効果があるのでおすすめです。

こまめなうがい

妊娠中や産後育児で疲れていて歯磨きがむずかしい、と言ったこともあるかもしれません。そんな時は“うがい”をするようにしましょう。特に食事や間食直後のうがいがおすすめです。なお、水以外にカテキンを含む緑茶でのうがいは殺菌作用があるので効果的です。

 

ケアグッズの見直し

つわり中はお口の中に歯ブラシを入れるのが辛いときがありますよね。歯ぐきや頬っぺたの内側に歯ブラシが触れただけで嘔吐反射が起きる方もいるそうです。そのため、ヘッドがコンパクトな歯ブラシや、タフトブラシの使用がおすすめです。また同様に歯磨き剤についても味を変えてみると磨きやすくなることがあります。たとえば普段は定番のミント味を使用していてもつわり期間は味覚が変化してミント味が苦手になる方もいらっしゃいます。そういう場合には、ミント感をマイルドにした「ソフトミント味」や柑橘系の「シトラスミント味」などを試してみましょう。また、どうしても歯磨き自体がむずかしい時には、洗口液の併用もおすすめです。歯科医院はもちろん現在はドラックストアでも様々な種類のものが販売されています。アルコール無配合のものもありますので、自分の使いやすい好みにあったものを選びましょう。しかし、洗口液はあくまで“補助的”な位置づけです。歯磨きほどの効果は得られません。そのため少なくとも1日1回、特に就寝前には歯磨きをするように心がけましょう。

さて本日は妊娠中・産後のお口のケアについてお話しました。体調の変化やつわりの重さは人それぞれ異なります。無理のない範囲で自身にあったケア方法をみつけてくださいね。

 

最後に

「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何?」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです!

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医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
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千葉県船橋市東船橋1-37-10
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