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子どもの歯列矯正、いつするのが良い?

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

当院ではその名の通り“矯正治療”をおこなっています。そのため日々診療後に矯正治療をご検討されている方向けに個別の無料相談を受けています。そしてその中で患者様からよく聞かれる質問があります。それは『子どもの矯正治療はいつ始めるのがよいですか?』です。実はこの質問に対して歯科界統一の回答はなく、同じ不正咬合(出っ歯や受け口などの治したほうがよい歯並び)でも歯科医師個々に考え方が異なることもあります。ちなみにビバ歯科・矯正小児歯科としては矯正治療を始めるベストなタイミングは「幼少期」と考えています。ただ幼少期と言っても歯の生え具合によって細かく分かれますのでこのあと詳しく説明していきますね。

さて今日は“子どもの歯列矯正のベストなタイミング”についてのお話です。以下のようなお悩みを抱えているお父さんお母さん、ぜひ最後まで本ブログを読んでくださいね。

  • 「子どもの歯並びが気になるから矯正治療に興味がある」
  • 「結局乳歯は抜けてしまうのに、乳歯の段階で矯正治療は必要なの?」
  • 「矯正治療で子どもに痛い思いをさせるのはかわいそう」

 

早期矯正治療のメリットとは

先ほど矯正治療を始めるベストなタイミングは幼少期、と伝えました。ただ誤解がないようにお伝えしたいのですが、歯の矯正治療はどの年齢の方でもできます。高校生・大学生はもちろんのこと、20代・30代・40代と成人してからの矯正治療も可能です。実際に当院にも大人の方で矯正治療をおこなっている方も数多くいらっしゃいます。そしてその中の最高齢は70代後半の方です。しかし、「矯正治療をいつ始めるのがよいか?」と問わればそれは早い時期に始めるに越したことはありません。よく病気は早期発見&早期治療と言われますがそれと同じ考えです。特に幼少期から矯正治療をおこなうメリットは次のようなことが考えられます。

 

顎を拡大しやすい

歯は顎の大きさ(スペース)に合わせて生えてきます。そのため顎が小さい(スペースがない)と歯はギュウギュウになってしまうのです。例えば「野菜の詰め放題」を想像してみてください。限られた箱のスペースに野菜を詰めていくわけですが、大きな箱なら余裕があり綺麗に詰められます。しかし小さな箱に野菜を詰めようとすれば所狭しと詰め込みことになりますよね?そうするとたちまち野菜たちは潰れたり重なったりしてグチャグチャになります。ここで言う箱は顎の大きさ、野菜は歯です。これと同じことが顎の中で起こるのです。すなわち顎が十分に成長してスペースがあれば歯は正常に生えられますが、顎が小さいとそこにギュウギュウに歯が生えるのでガタガタした歯並びになってしまいます。いわゆる乱杭歯です。歯科用語では叢生(そうせい)と言います。
ゆえに正常に歯を並べるためには顎のスペースを確保することが非常に大切です。そして幼少期は骨の成長途中であることと骨が柔らかいため顎の成長をコントロールすることができます。しかし10歳前後になると少しずつ骨が硬くなっていくため次第に顎の拡大が難しくなるのです。

 

歯が動きやすい

発育途中の子どもの骨は柔らかいためその分歯が動かしやすいです。そのため矯正中の動的期間においても弱い力で歯を動かすことができるため、歯が動くことによる痛みも少なく済みます。

将来抜歯をするリスクが減らせる

歯が生えるには顎のスペースが必要です。そして先述の通り幼少期にはそのスペースを治療により拡大することができます。すると大人の歯すなわち永久歯が生えてきても全部そのスペースに収まるため将来的に歯を抜くというリスクを減らすことができます。
ちなみにビバ歯科では成人でも顎を拡大し、親知らず以外の歯を極力抜かない矯正治療をおこなっています。しかしながら幼少期と比べると成人の場合には顎の骨の成長が止まりかつ骨が硬くなっています。そのため顎を広げてスペースを作るというのが幼少期に比べると難しくなるのです。そうすると無理矢理スペースを確保するために今ある歯を抜くという“抜歯”の選択肢をとる歯医者さんもいます。しかし、歯は1本1本にその役割があります。重度のむし歯であったり過剰歯(歯の本数が多い)であったりすれば別ですが、そう簡単に自身の健康な歯を抜くことは歯科医師としておすすめできません。

治療費用が抑えられる

歯の移動が成人よりもスムーズにおこなえるため、その分費用を抑えられることがあります。

定期的な通院がしやすい

矯正治療をスタートするにあたり事前の診査や経過の確認を含め、定期的な通院が必要になります。しかし成長するにつれて、学校や会社など社会生活の時間が長くなるため通院のタイミングを逃しがちです。幼少期であればコンスタントに通院できるため確実に治療を前に進めることができます。

適応能力が高い

矯正装置はお口の中に入れるものですから最初は違和感をもちがちです。しかし大人と比べるとお子様の方が矯正装置に慣れるのが早く適応能力が高いといえます。

 

骨格的な特徴を改善しやすい

不正咬合・歯列不正には上顎前突・下顎前突・過蓋咬合・叢生・空隙歯列など様々なタイプがあります。それらの中には、その不正咬合特有の特徴的な顔貌があります。例えば、下顎前突ではいわゆる三日月顔だったり、しゃくれ顎だったりの受け口顔の骨格になりやすいのです。そのような顔の特徴は成人になるまで放っておくとそのような骨格をもったお顔に完成してしまいます。早期に不正咬合を改善することにより、お顔の特徴を改善することが期待できます。

 

下顎を前方に誘導しやすい

過蓋咬合や上顎前突の一部には、下顎が奥に入り込んでいることが多くあります。このようなケースでは下顎が後退していることにより、気道が狭くなりイビキ・無呼吸のリスクがあるケースも少なくありません。そのようなケースでは下顎を前方に誘導する治療がおすすめです。なぜなら、そうすることでイビキ・無呼吸の改善につながることが多いからです。しかし顎関節は10歳前後には完成するため、下顎の前方誘導は10歳頃までに行うことが望ましいです。

 

早期矯正治療のデメリットとは

治療期間が長い

矯正治療のゴールは親知らずを除いた永久歯(全28本)が生えそろうまでです。そうすると15歳前後まではその経過を観察する必要があるため、必然的に矯正期間が長くなります。

モチベーション維持が難しいことがある

幼少期では矯正治療の意義を患者様すなわちお子様本人が理解することは難しいと言えます。そのためお子様の通院や治療に対する意識やモチベーションをあげるために、お父さんお母さんはじめご家族のご協力が必要です。

矯正治療の時期

ここからは治療時期を具体的にお話していきます。まずは下の表をご覧ください。歯列にはその成長段階に応じて名前が付いています。

▲一般的な治療時期

まずは乳歯列期です。3~5歳のこの時期は全部が乳歯でかつ骨も柔らかい時期です。ここでは顎を正常な大きさ・方向に成長させることに注力します。なぜなら歯の生えるスペースを確保することがとても大切だからです。また顎の大きさというのは呼吸のパフォーマンスにも影響します。この時期に正しい呼吸すなわち鼻呼吸を習慣化させるのです。
※なお口呼吸の例としてお口ポカンがあります。詳しくは以前のブログ『”かわいい”だけじゃ済まされない!お口ポカンは病気です』をご覧ください。

 

続いて混合歯列期です。その名の通り、乳歯と永久歯が混在している期間です。お父さんお母さんとしては「大人の歯が生えた!」と一喜一憂するときですが、口腔環境を保つのが難しい時期でもあります。なぜなら、生えかけの歯だったり、高さが違う歯だったりが混在し歯ブラシをあてるのが難しくなるからです。そのうえ生えて間もない永久歯は酸に対する耐性が弱いためむし歯になりやすいという特徴もあります。更にはお子様の成長と共に自我が芽生えお父さんお母さんの“仕上げ磨き”を嫌がる子がでてきて、ますますむし歯リスクが高くなるのです。
ちなみに永久歯の中で最初に生えてくる第一大臼歯は、俗に6歳臼歯とも呼ばれており、この歯をむし歯にしないことが最大のミッションです。というのも、6歳臼歯を基準にして残りの永久歯が生えて全体の歯列が決まるからです。この時期の矯正治療では歯の移動、顎の拡大はもちろんのこと、正しい呼吸や正しい舌の動きにも注力します。なおこの時期はどんどんと永久歯が生えかわり親子でお口の中を観察する機会も増えます。お父さんお母さんはもちろんのこと自我が芽生えはじめた子の中には自分の歯並びや咬み合わせを気にする子もでてくるかもしれません。よって親子二人三脚で前向きに矯正治療と向き合えることから歯列矯正を始めるのにもふさわしい時期と言えます。骨のやわらかさや自我の芽生えなど“お子様の成長を利用した治療”ができます。
※6歳臼歯の詳しいお話は以前のブログ『歯の王様~最大最強の6歳臼歯』をご覧ください。

 

ところで乳歯列期や混合歯列期に矯正治療をおこなうことについて以下のようなご意見をいただくこともあります。

『どうせ乳歯は抜けちゃうんだから、その時期に歯並びを整えても仕方ない。永久歯が全部そろってから一気に整えた方が効率がよいのでは。』

一見ごもっともに聞こえるご意見ですが、ハッキリ言わせていただくとこの考えはナンセンスです。繰り返しになりますが、歯が正常に整列するには顎のスペースが大切です。そのためには幼少期からの正しい顎の成長が必要不可欠。つまり永久歯が生えそろう前の乳歯列期や混合歯列期というのは、“将来永久歯をきれいに並べるための土台作りの期間”なのです。そのため早期での矯正治療が大切です。

 

最後に永久歯列期です。
この時期の治療を上の表で「重篤化の覚悟」と記しました。これは骨が硬くなり顎を広げることが難しい、という意味です。というのも、永久歯列期とりわけ成長がほとんど終わった成人になると、上下の顎の位置やお顔の骨格がほぼ完成しているため、歯が並ぶスペース(=顎の大きさ)を広げるには限界ができるからです。そのため年齢を重ねるほど歯を動かせる範囲は小さくなります。これも当院が矯正治療を始めるベストなタイミングを「幼少期」としている理由の1つです。また永久歯列期に「ガタガタの歯並び」や「上下の顎の咬み合わせがわるい」などが見られるのは、その原因の多くが幼少期にあるといえます。例えば幼少期の口呼吸・舌の悪癖・指しゃぶり・頬杖などです。このようなお口の周りの筋肉の機能不全が永久歯列にも影響を与えるのです。それゆえ幼少期からの正しい呼吸の習慣化などが重要になります。しかし、永久歯がすべて生えそろったあとも、中学生や高校生であれば顎やお顔の骨格の成長はわずかながら続いています。そのため、この成長を利用した矯正治療が可能です。

実際の症例

ここからは治療時期ごとの実際の症例についてご紹介します。

乳歯列期

◎主訴:反対咬合(受け口)
◎矯正治療の方法:ムーシールド(マウスピース)

※ムーシールドの詳細はこちら

◎考察:受け口のお子様は早めのスタートがおすすめです。なぜなら受け口は骨格的な影響を受けやすくいわゆる受け口顔の特徴が顔貌に残りやすいからです。そのためできるだけ早期に治療をスタートして骨格的な特徴を残さないようにした方が望ましいです。このケースでは比較的早期に治療をスタートし、早期に受け口の改善につながりました。また受け口のままでは上顎骨が成長しにくいため鼻呼吸にネガティブな影響を与えることがあります。

混合歯列期(前期)

◎主訴:過蓋咬合(ディープバイト)…噛んだだときに下の前歯が見えないほど深く咬みあっていること
◎矯正治療の方法:トレーナーシステムのT4K(マウスピース)

※T4Kの詳細はこちら

◎考察:過蓋咬合はトレーナーシステムやプレオルソなどの筋機能療法としてのマウスピース矯正が効果を発揮しやすいケースです。このケースでもトレーナーシステムのT4Kで過蓋咬合の改善につながりました。また過蓋咬合は下顎が奥に入り込んでいるためイビキ・無呼吸などが潜んでいることもあります。過蓋咬合が改善することにより、イビキ・無呼吸などの改善につながることもあります。

混合歯列期(後期)

◎主訴:叢生…上下の歯がガタガタしている
◎矯正治療の方法:T4K(マウスピース)
◎考察:永久歯への生えかわりが進んでいましたが、患者様ご自身がマウスピースの装着時間をしっかり守れたことが効果につながりました。T4Kは舌のポジションを本来の正しい位置に誘導し、低位舌を改善することにより歯列不正や不正咬合を改善する治療法です。永久歯の生えかわりが進んでいても正しく取り組めば効果を発揮します。

永久歯列期

◎主訴:叢生…上下の歯がガタガタしている
◎矯正治療の方法:床矯正→ワイヤー矯正

◎考察:永久歯列なっても床矯正で正しく取り組むことにより、歯槽骨を拡大し歯列不正の改善につながりました。このケースでは床矯正のあとにワイヤー矯正をおこない、さらに良い咬み合わせになりました。

さて今日は子どもの矯正時期についてお話しました。もし今あなたのお子様、ご家族、そしてあなた自身が歯並びに悩んでいたら、ぜひ一度ビバ歯科・矯正小児歯科までご相談くださいね。当院では矯正をご検討中の方向けに、無料での矯正相談を行っています。ご希望の方は047-421-0118までお電話にてご予約をおねがいします。

 

最後に

「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何?」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです!

(問い合わせ方法)

  • お問い合わせフォームはこちら
  • TwitterのDMは@viva_shikaで検索

医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
住所 〒273-0002
千葉県船橋市東船橋1-37-10
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電話番号 047-421-0118
最寄り駅 JR総武線「東船橋駅」南口 徒歩30秒
アクセスの詳細はこちら
駐車場 敷地内に5台分の駐車場があります
休診日 水曜(第1週)・木曜(第2週以降)・日曜・祝日