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体をむしばむ歯周病

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

タイトルにある歯周病。どこかで一度は耳にしたことがあるとおもいます。知らないうちにこっそりと進行し、重症化すれば歯がポロリと抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。
・・と、ここまでは至極有名なことかもしれません。しかし歯周病の影響はお口の中に留まりません。実は、歯周病は“全身をむしばむ病気”なのです。頭の先から足の先まで影響し、最悪の場合命を落とすこともあります。今日はそのお話です。

 

歯周病と全身疾患

歯みがきをしていて歯肉から出血したことはありませんか?実はそれが歯周病の始まりです。歯周病菌が歯肉に攻撃をして体の中に入ろうとするのを、体の免疫(白血球等)が阻止しようと攻撃するため出血が起こるのです。なお歯肉の出血、膿、腫れがあるというのは常に歯肉周辺もしくはその中で炎症が起きている状態です。そして炎症がある状態が続くと炎症物質(サイトカイン)が作られます。それが歯肉の中の毛細血管から血液中に侵入し、血液に侵入した炎症物質が体の中をかけめぐるのです。これは全身の健康に様々な悪影響を及ぼします。以下がその例です。

 

認知症

歯周病菌が体内に侵入すると、認知症の原因物質が脳に蓄積され記憶障害を引き起こします。特に認知症の大半を占める「アルツハイマー型認知症」の原因物質(アミロイドβ)は、歯周病菌が原因で脳への蓄積速度が速まることがわかっています。

 

心疾患

歯周病菌が血液中に侵入すると血管の壁を傷つけたり、血小板に異常を起こしたりして「血栓」ができやすくなります。血栓とは血の塊で心筋梗塞、狭心症、不整脈などの原因になります。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は食べ物やだ液が誤って気管に入ることが原因で発症する肺炎です。通常はむせることで異物の侵入を防ぎますが、高齢や脳血管障害になるとその機能が衰えます。すると食べ物などと一緒にお口の中の細菌が肺に入り炎症を起こします。その原因菌の多くが歯周病菌です。高齢者に限ることではありませんが、誤嚥性肺炎の予防には歯周病菌のコントロールが重要になります。

 

糖尿病

歯周病は糖尿病の合併症の1つと言われていましたが、逆に歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという関係もあります。つまり歯周病になると血糖値が高くなる可能性があるということです。出血・膿がある歯周ポケットからは歯周病菌(炎症物資)が血管内に入り、体中に放出されます。通常血管に入った細菌は体の力で死滅しますが、歯周病菌が死んでもその毒は残りそれが血糖値に悪影響を及ぼします。すなわち血糖値を下げるためのホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。

 

早産・低体重児出産

歯周病に罹患している妊婦さんはそうでない妊婦さんの7倍以上もの確率で早産・低体重児出産が起こるリスクがあると言われています。血流にのって運ばれた歯周病菌や炎症物質が子宮に到達すると、子宮が収縮する刺激を受けます。そのため出産予定日より早くに子宮収縮を起こし早産・低体重児出産になるのです。

 

動脈硬化

動脈硬化は血管内壁が厚く硬くなり、血管が狭くなる病気です。歯周病菌が血管内に入りその内側の膜にくっつくと炎症を起こし、沈着物として蓄積します。それにより血管内膜が少しずつ厚くなり動脈硬化を引き起こすのです。

※動脈硬化は血流が少なくなったり途絶えてしまったりして、その血管の先の臓器に重篤な病気を発症することがあります。例えば脳であれば脳梗塞、心臓であれば心筋梗塞などです。

 

肥満

歯周病と肥満は相互に関係しています。特に肥満の人は歯周病にかかりやすいです。これには脂肪細胞でつくられる炎症性サイトカイン“TNF-α”が関係しています。TNF-αは歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かし、歯周病を発症・進行させるのです。
また逆に歯周病が肥満を引き起こすとも言われています。2007年にフランスの研究者が「大腸に存在する“グラム陰性菌”の毒素により肝臓と脂肪組織に脂肪がつき、体重が増加する」と発表しました。この毒素を構成するLPS(リポ多糖)は細菌による炎症の元になる物質で、グラム陰性菌の表面に密集しています。そして歯周病菌もグラム陰性菌の一種なのでLPSがあります。ゆえにこれが血管内に入り体内に侵入すると肥満の原因になるということです。

 

今回は歯周病と全身疾患の関係についてお話しました。ここにあげた例は一部ですが、いずれにしても歯周病を予防するのが最も重要です。

みなさんは毎日のセルフケアをどの程度おこなっていますか。手鏡をみて歯1本1本を磨いていますか?フロスや歯間ブラシはつかっていますか?また定期的に歯医者さんでプロフェッショナルケアをしていますか?お口の中のプラーク(歯垢)は48時間後にはバイオフィルムという膜を形成し、その内部ではどんどん細菌が繁殖します。しかもそれは歯ブラシで除去することができません。お口の中、体の中、そしてあなたの命を守るためにぜひ一度真剣にお口のケアについて考えて見て下さいね。

 

最後に

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医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
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千葉県船橋市東船橋1-37-10
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