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乳幼児の摂食嚥下障害

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

先日こちらのブログで摂食嚥下障害についてお話しました。摂食嚥下障害というのは、食事中にむせたり咳こんだりして、うまく食べられない・飲み込めない状態を言います。ところでこれだけ聞くと摂食嚥下障害というのは体の機能が衰えた高齢者をイメージしませんでしたか?ところが乳幼児においても摂食嚥下障害の症状があります。例えば、食べ物を噛まないで丸飲みにしてしまうような子だったり、食事中にむせてしまう子だったりです。しかし乳幼児期は咀嚼機能を身につけるのにとても大切な時期です。なぜならこの時期に身につけた食習慣が大人になってからの食生活の軸になるからです。

 

 

乳幼児の摂食嚥下障害

乳幼児の摂食嚥下障害の主な症状です。

誤嚥

  • 呼吸障害
  • むせ
  • 肺炎 など

 

過敏

  • 摂食拒否
  • 触覚過敏 など

 

口唇閉鎖不全(お口ポカン)

  • 口呼吸
  • 原始反射の残存
  • 口輪筋の緊張
  • よだれ など

 

舌突出

  • 原始反射の残存
  • むせ
  • 口唇閉鎖不全 など

 

咀嚼不全

  • 丸飲み
  • むせ
  • 窒息
  • 食べ物が口に残る など

 

食べこぼし

  • 目、手、口が協調しない
  • 口唇閉鎖不全
  • 姿勢が悪い
  • 一口量が身についていない

 

乳児嚥下と成人嚥下

乳幼児の嚥下障害を理解する前にまずは「乳幼児の嚥下」と「成人の嚥下」のちがいを知っておきましょう。

 

乳児嚥下の特徴

  1. お口を開けたまま
  2. お口の奥まで乳首を引き込み
  3. 舌を前に突き出すように前後に動かすことで嚥下する
    ⇒おっぱいに吸い付いているため、お口周りの筋肉が強く収縮している

 

成人嚥下の特徴

  1. お口を閉じたまま
  2. 咀嚼や舌の動きで食べ物を塊にして
  3. 舌を上顎に押し付けて
  4. 上下の歯が咬みあった状態で、舌で食べ物をのどの奥に送り込むことで嚥下する
    ⇒お口周りの筋肉は強く収縮しない

 

なお乳児嚥下から成人嚥下へはすぐに変化するわけではなく、“離乳食”でトレーニングをしながら成人嚥下を身につけていきます。言ってみれば離乳食は噛むための基礎が学習されるとても大切な時期なのです。

 

食べる機能の発達過程

食べること・飲み込むことは生まれもった体の機能ではありません。発育期の適切なタイミングで適切な働きかけにより獲得していく機能です。なお摂食嚥下機能の発達は個人差があります。ゆえに月齢での判断ではなくお口を観察することが大切です。具体的には「歯の生え方」、「口の動き」、「食べ方」をみていきましょう。

 

*以下月齢は目安です*

経口摂取準備期(哺乳期)【チュッチュッ期】

指しゃぶりやおもちゃ舐めなどお口から食べ物を食べる準備をしている時期です。お口に刺激を与えることで原始反射が少しずつ消えていきます。そして原始反射がなくなったときが離乳食スタートの目安です。
⇒この時期は飲食物をノドで送り込む機能を習得しておらず、ミルクなどは重力で流し込みます。そのため授乳の際は赤ちゃんの頭をやや後ろに傾けた姿勢にします。

◎口腔内の特徴
歯はまだ生えていません。

 

◎唇の動き
半開きで上下唇共にほとんど動きません。

 

◎舌の動き
前後の動きでお口から舌がでてきます。特に授乳時には舌と下顎を連動させながら乳汁を搾り取る動きをします。

 

嚥下機能獲得期(離乳初期/生後5,6ヶ月頃)【ゴックン期】

お口を閉じて食べ物を飲み込む動きを学習する時期です。また、乳児嚥下から成人嚥下への移行が始まります
⇒ドロドロ状のもの(ヨーグルト・野菜のペースト・ドロドロのおかゆ等)など少しずつ離乳食に慣らしていきます。また離乳食を与える際の赤ちゃんの姿勢にも注意しましょう。哺乳期は赤ちゃんの頭が上向きでしたが、この時期からは首が座った垂直な方向の姿勢にします。

 

◎口腔内の特徴

  • 歯はまだ生えていません。
  • 顎間空隙があります。これはお口の奥の歯肉が上下でくっついている時に、前の歯肉はくっついておらず隙間があることです。

 

◎唇の動き

上唇は少しだけ動きだし、下唇が内転(下唇をお口の中に巻き込む)します。

 

◎舌の動き

前後に動きます。そのため舌でノドの奥に食べ物を送り飲み込めるようになります。

 

捕食機能獲得期(離乳初期/生後5,6ヶ月頃)【ゴックン期】

上唇を下げて食べ物をスプーンなどから擦り取り、お口に取り込む動きを獲得する時期です。嚥下機能獲期と同様に、お口を閉じて飲み込むことを学習します。
⇒早く食べさせようとして、上唇が下がらないうちに上顎に引っ掛けるようにして食べさせるのはNGです。「自ら食べる」という動作が身に付かなくなってしまいます。スプーンなどで下唇をチョンチョンと刺激すると上唇が下がってくるので試してみましょう!

 

◎口腔内の特徴

  • 下の前歯2本が生えます。
  • お口の中が少し広がり、舌を上顎方向に動かせるようになります。

 

◎唇の動き

上唇が動き、下唇は内転します。

 

◎舌の動き

前後に動き、上方向にも少し動くようになります。舌はお口から出ません。

 

押しつぶし機能獲得期間(離乳中期/生後7,8ヶ月頃)【モグモグ期】

お口を閉じながら食べ物を舌と上顎で押し付けてつぶし、食べる動きを獲得する時期です。この際、顎が上下に動くため食べ物を噛んでいるように見えますが、実際にはまだ噛む能力はありません。
⇒舌でつぶせるくらいの離乳食を与えるようにしましょう。もし段階を経ずに硬いものを与えると、「丸のみ」の癖がつきあまり噛まない食べ方を身に付けてしまいます。

 

◎口腔内の特徴

  • 上下の前歯が2本ずつ生えます。
  • 歯が生えたことによりお口の中が上下に広がるため、舌の上下の可動域が大きくなります。

 

◎唇の動き

唇が左右同時に伸縮して、上下の唇がしっかり閉じて薄く見えます。

 

◎舌の動き

前後、上下に動きます。また左右にも少し動きます。それによりつぶした食べ物をひとまとめ(食塊)にして飲み込みやすいようにします。

 

すりつぶし機能獲得期(離乳後期/生後9~11ヶ月頃】)【カミカミ期】

前歯で食べ物を噛みきり、上下の奥の歯ぐきで食べ物をすりつぶして食べる動きを獲得する時期です。
⇒前歯に食べ物が触れることで食べ物の量や硬さを感じます。この時期は歯ぐきですりつぶせるくらいのものを前歯でかじり取らせるようにしましょう。そうすることで「一口量」を学習していきます。一口量がわからないとお口から食べ物がこぼれたり、歯ぐきですりつぶせないまま喉に入ってしまって窒息したりする危険があります。

 

◎口腔内の特徴

  • 上下4本ずつ前歯が生えます。
  • 奥歯が生える準備として奥の歯ぐきが盛り上がってきます。
  • 左右の幅が広くなるため、舌の左右への動きも活発になります。

 

◎唇の動き

咀嚼が身に付くため、上下の唇がねじれ噛む側の口角がくぼみます。そして同じ側の頬が膨らみます。

 

◎舌の動き

前後、上下にくわえて左右にも動きます。それにより食べ物を舌で移動させながら歯ぐきですりつぶし、更にお口の中の食べ物をまとめて、混ぜ合わせて飲み込むことができます。

 

自食準備期(離乳完了期/生後12~18ヶ月頃)【パクパク期】

自分で食事をとる準備の時期で、手と口を協調させることを覚えます。
⇒食べ物を目で見て、手でつかんで、お口に運ぶという一連の流れを身に付けます。「時間がかかるから」という理由で、スプーンでお口に運んであげたくなるかもしれませんが、ここは積極的に自分で食べさせるようにしましょう。

 

◎口腔内の特徴

第一乳臼歯(乳歯の奥から2番目の歯)が生え始めます。

 

◎唇の動き

意識的に自由に形をかえることができます。

 

◎舌の動き

様々な方向に動かすと共に、頬・顎などと協調した動きができます。

 

手づかみ食べ機能獲得期(離乳完了期)【パクパク期】

食べ物を自分の手で持って口に持っていくことを獲得する時期です。
⇒はじめは手とお口のタイミングが合わず、「こぼず」、「首を横に向けて食べ物を取り込む」、「手のひらで押し込む」など上手に食べ物をお口に入れることができません。また「食べこぼしで部屋が汚れるから」などの理由で手づかみ食べをさせないことは一口量の学習を阻害してしまいます。この時期はじっくりと成長を見守ることが大切です。

◎口腔内の特徴

上下に第一乳臼歯が生えて上下12本の歯が生えます

 

◎唇の動き

意識的に自由に形をかえることができます。

 

◎舌の動き

様々な方向に動かすと共に、頬・顎などと協調した動きができます

 

食具食べ機能獲得期(離乳完了期)【パクパク期】

スプーンなどの食具をつかって食事することを身に付ける時期です。
⇒不慣れで、食べ物をこぼすことがあります。しかし徐々に手・指・口の動きが協調するようになりスムーズにお口まで運べるようになります。なお、まだ大人と同様の噛む力はありません。食べにくい・飲み込みにくいなどの食べ物は、とろみをつけたり水分を足したりなどの工夫が必要です。

 

◎口腔内の特徴

乳犬歯(前から3番目の歯)が生えて上下16本の歯が生えます

 

◎唇の動き

意識的に自由に形をかえることができます。

 

◎舌の動き

様々な方向に動かすと共に、頬・顎などと協調した動きができます

 

さて今回は摂食嚥下障害の原因を、食べ方を身に付けていく過程にフォーカスしました。しかし、脳性麻痺・ダウン症など病気が原因での摂食嚥下障害や、唇顎口蓋裂など食べるために使う部位の先天的な形態異常が原因での摂食嚥下障害などもあります。ビバ歯科・矯正小児歯科では摂食嚥下指導を専門とする歯科医師が治療にあたりますので、もしお悩みがあればぜひご相談ください。普段は大学で臨床・研究・教育をしているため治療日は不定期ですが、こちらで日程をご案内しています。

 

最後に

「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何?」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです!

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医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
住所 〒273-0002
千葉県船橋市東船橋1-37-10
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電話番号 047-421-0118
最寄り駅 JR総武線「東船橋駅」南口 徒歩30秒
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