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歯科治療と肝炎

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

新型コロナウイルスの流行以降、医療現場には更なる感染症対策の徹底が求められました。そのため以前のブログでもご紹介しましたが、当院ではディスポ(使い捨て)器具の使用や滅菌機器の使用をしています。ところで血液やだ液など患者様の体液に触れる処置がメインの歯科では他にも身近な感染症があります。その中の1つがウイルス性肝炎です。今日は歯科スタッフとしての立場からお話をしたいとおもいます。ぜひ最後までご覧くださいね。

 

肝炎とは何か?

肝炎とは「肝臓に炎症が起こり、肝細胞が破壊されていく病気」のことです。日本ではウイルスの感染によって肝臓に炎症が起こるウイルス性肝炎が肝臓病全体のおよそ80%を占めます。ちなみにその原因となるウイルスはA・B・C・D・E型の5つありますが、その中でも歯科スタッフにとって特に注意を要するものがあります。それはB型・C型の肝炎ウイルスです。これらのウイルスに感染すると一部の人で肝炎が慢性化して肝がんを発症することがあります。それぞれの特徴は次のとおりです。

B型肝炎

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することで起こる肝臓病。

  • 感染すると体の中から排除することができない
  • 感染予防のためのワクチンあり

 

C型肝炎

C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで起こる肝臓病。

  • 感染しても治療薬で体の中から駆除することができる
  • 感染予防のためのワクチンなし

 

なお、感染の主な原因はB型肝炎もC型肝炎も同じです。

(感染原因)
輸血・血液製剤・性交渉・出産・注射針の使い回し・針刺し事故・汚染された器具を使用した皮膚を傷つける行為(刺青、ピアス、鍼)等

 

このB型肝炎、C型肝炎は血液や体液を介して感染するため、お口の中の処置をする歯科現場ではこれらのウイルスに対する感染対策はとても大切です。特に歯科で注意すべきなのがいわゆる針刺し事故です。針刺し事故とは、医療従事者が患者の血液などで汚染された器具で外傷を受けることを指します。例えば注射針で指や手などを刺してしまうことなどがその例です。絶対にあってはならない事故ですが、絶対に安全とは言い切れません。そのためビバ歯科・矯正小児歯科は定期的に従業員へのワクチン接種の声掛けをしています。

 

ビバ歯科の感染対策

当院では以下のような感染対策をしています。

基本的装備

マスク・フェイスシールド・ゴム手袋の装着
※ゴム手袋は患者様ごとに使い捨てです

 

クラスBの滅菌器

クラスBのオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)を使用しています。世界的に最も厳しいとされるヨーロッパ規格のEN13060に準じた滅菌器です。この分類にはクラスB、クラスS、クラスNがあり、クラスBが最も滅菌性が高いものになります。パック詰めされた器具や歯を削るエアータービンヘッド・マイクロモーター・ハンドピースなど複雑な構造の器具も完全に滅菌することができます。肝炎ウイルスはもちろんエイズウイルスなどの感染対策にも欠かせません。
※なお当院では肝炎患者様専用の器具(ミラー・バキュームetc)を用意しており、その他の患者様の器具とわけています。

↑オートクレーブ

 

注射針回収ボックス

所定の位置に注射針を差し込んで回転させると注射針だけがボックス内に落ちる仕組みです。これを使用することにより血液・体液が付いた針を誤って手や指に刺すことを防止します。

ラッピング

歯科医師や歯科衛生士など施術者が触れる部分にはラップを巻いたり袋を被せたりします。例えばライト、バキューム(だ液・水などを吸う器具)、タービンやコントラ(歯を切削する器具)などです。

 

トングやピンセットの使用

アルコールワッテやガーゼなど蓋付の容器から物を出す際には、トングで蓋を開けてピンセットで中身を取るようにしています。なぜなら施術者の手は患者様のお口の中を触っておりそこに血液・体液が付着していることがあるからです。その汚染したゴム手袋でそれらの容器を直接触れないようにしています。

 

問診の徹底

お口の中のことだけではなく、全身疾患に対する問診を必ず行います。特に既往歴や常備薬の内容を把握しておくことは院内感染を予防するためにとても大切です。

 

肝炎感染者を見極める

先ほど問診で既往歴を把握すると書きました。しかしB型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)に感染していても無症状で感染に気が付いていない患者様もいらっしゃいます。そのため私たち歯科医師は他の疾患から肝炎の可能性を疑うこともあります。
例えばHCVは肝臓だけではなく口腔粘膜疾患との関連性があります。具体的には口腔がんの患者様にはHCV感染者が多かったり、扁平苔癬(⁂)にもHCVが関与したりするケースがあります。

⁂ 扁平苔癬(へんぺいたいせん)…粘膜の病気です。粘膜に白いレース状おしくは網状の模様が見えます。またその中には赤い炎症や潰瘍、びらんがあります。最近の知見では前がん状態すなわち口腔がんになる可能性があるという報告があります。

↑口腔がんの症例

↑扁平苔癬の症例

 

今回は歯科現場で特に注意が必要な感染症のB型肝炎・C型肝炎についてお話しました。いずれの肝炎も予防法や治療法があります。よって歯科医師・歯科衛生士・歯科助手などは定期的に肝炎ウイルスの検査を受けることが大切です。そして陽性・陰性の結果に応じてワクチン接種や治療薬の投与などを早急にすることが求められます。また逆に患者様にもご協力いただきたいのが受診時の既往歴の共有です。患者様から歯科スタッフへ、そして歯科スタッフから患者様へなど感染が伝播することを防ぐためにも感染対策に万全を期しながら日々治療にあたっていきます。

 

最後に

「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何?」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです!

(問い合わせ方法)

  • お問い合わせフォームはこちら
  • X(旧Twitter)のDMは@viva_shikaで検索

医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
住所 〒273-0002
千葉県船橋市東船橋1-37-10
(タップでGoogleマップが開きます)
電話番号 047-421-0118
最寄り駅 JR総武線「東船橋駅」南口 徒歩30秒
アクセスの詳細はこちら
駐車場 敷地内に5台分の駐車場があります
休診日 水曜(第1週)・木曜(第2週以降)・日曜・祝日

監修者情報

所属

  • 日本口腔インプラント学会 専門医・専修医
  • 日本顎咬合学会認定医
  • 厚生省認可日本歯科先端技術研究会認定医
  • RAMRA研究会登録医
  • 日本床矯正研究会会員
  • 日本小児矯正研究会会員
  • 日本全身咬合学会会員
  • 日本老年歯科医学会会員
  • 国際歯周内科学研究会会員

院長

Hirotaka Sekimoto

略歴

  • 1982年

    明海大学歯学部卒業
    明海大学PDI歯科臨床研修所入所

  • 1985年

    明海大学PDI歯科臨床研究所研修課程終了
    開業医勤務

  • 1991年

    ビバ・ファミリー歯科開設

  • 2000~2003年

    市川市在宅寝たきり老人等歯科診療特別委員会委員長
    市川市歯科医師会歯科介護支援センター運営委員長

  • 2003~2006年

    市川市歯科医師会学術担当理事
    千葉県歯科医師会生涯研修委員会委員

  • 2011年~

    市川市歯科医師会会計担当理事

  • 2017年~

    市川市歯科医師会監事

所属

  • 日本口腔インプラント学会 専門医・専修医
  • 日本顎咬合学会認定医
  • 厚生省認可日本歯科先端技術研究会認定医
  • RAMRA研究会登録医
  • 日本床矯正研究会会員
  • 日本小児矯正研究会会員
  • 日本全身咬合学会会員
  • 日本老年歯科医学会会員
  • 国際歯周内科学研究会会員

院長の今までとこれから

文学少年から歯科医へ転身

学生時代は三島由紀夫に夢中で、小説家を目指していたことも。父の一言をきっかけに歯科医の道へ進みました。

歯科医は情熱を注げる仕事

仕事が生活の中心。常に学び続け、より良い医療の提供を目指しています。

今後の展望

予防や噛み合わせに加え、呼吸の問題にも対応できる歯科医院を目指します。