ブログ・予防歯科
歯磨き粉の選び方~迷ったときに読んでください
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
突然ですが、こんなお悩みはありませんか?
『歯磨き粉の種類がありすぎて、どれを使えばいいかわからない』
『歯周病を予防するのに効果的な歯磨き粉を知りたい』
現在はドラッグストアやオンラインショップなどで実に様々な種類の歯磨き粉が販売されていますよね。わたしの場合職業柄か、どんな商品が販売されているのか定期的にチェックをしているものの、「え?こんなの出てるんだ!」と初めて知る商品も数多くあります。そしてそんな時ブログを読んでくれている方からこんなご意見をいただきました。
「お悩み別のオススメ歯みがき粉をブログにしてほしい」
大変ありがたいお声です!
そこで今回のブログでは患者様のお悩み別に“オススメの歯磨き粉”をご紹介していきたいと思います。歯磨き粉選びで迷っている方、ぜひ最後までご覧くださいね。
目次
歯みがき粉の役割
おそらく多くの方が歯を磨く際には、歯磨き粉を使用しているものと思います。もちろん歯みがき粉をつかわずに、歯ブラシだけでブラッシングをしても丁寧に行うことで歯垢などの汚れを除去できます。しかし、むし歯予防や歯周病予防、ステインの除去などについては十分な効果を得られるかと言えばそうではありません。そこで歯磨き粉の出番です。歯ブラシにプラスアルファの効果を与える役割が歯磨き粉にはあるのです。
ところで、俗に歯磨き“粉”と呼ぶことが多いですが、粉状のものをお使いの方は少ないのではないでしょうか。実際にドラックストアでみていても今はチューブ入りのペースト状のものがほとんどかと思います。しかし実はかつては粉状のものを使っていた時期がありその名残から歯磨き粉と呼ばれているそうです。そう言われてみると、靴を入れるのに“下駄箱”だったり、ペンを入れるのに“筆箱”だったりと昔からの呼称をそのまま使っているものってありますよね。俗に言う歯磨き粉は、正式には歯磨剤(しまざい)と言います。ただ、わかりやすくするために本ブログでは歯磨き粉で統一していきますね。
歯磨き粉の成分
細かな分類にいく前に、歯磨き粉*を構成する成分をみていきましょう。まず歯磨き粉は大きく分けて2つの成分からできています。1つ目が「基本成分」、2つ目が「薬効成分」です。このブログをご覧になっているみなさんが気になっている“お口のお悩みごとの効果”については2つ目の「薬効成分」がポイントになっています。・・が、せっかくですのでまずは基本成分からお話させてくださいね。
*なお、薬機法(旧薬事法)では、基本成分のみを含んでいるものを「化粧品」、基本成分のほかに薬効成分を含んでいるものを「医薬部外品」と分類されています。本ブログでは医薬部外品の歯磨き粉をメインでお話しています。
基本成分
基本成分は6つです。成分ごとの大まかな役割はこちらの表で、より詳しく知りたいという方はこの後の説明文もご覧ください。
清掃剤(研磨剤)
※以下便宜上、研磨剤と表記します。
その名の通り、歯の表面に付着した歯垢や着色汚れを効率的に落とすための成分です。しかし研磨剤と聞くと歯を傷つけてしまうのでは、と心配される方も多いですよね。確かに研磨剤入りの歯磨き粉は歯の表面のエナメル質を傷つける可能性があります。しかし国内で市販されている歯みがき粉の研磨性は国際規格に基づき安全性が確保されています。またある程度の研磨力がないと着色汚れいわゆるステインを落とすことができません。歯や歯肉を傷つけないようにブラッシングの強さを調整していきましょう。
なお、研磨剤は清掃剤とも表記されていますが、残念ながらむし歯を予防する効果はありません。
主な成分)炭酸カルシウム、無水ケイ酸、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム 等
湿潤剤
歯みがき粉の乾燥、硬化を防ぎ、水分を与えお口の中での使用感をよくする成分です。これが無いと歯磨き粉がすぐに乾いてしまい、チューブから出せなかったり、お口の中で固まったりしてしまいます。成分のグリセリンは化粧水や乳液などの保湿剤としても使われていますね。
主な成分)グリセリン、ソルビトール 等
発泡剤
歯みがき粉を泡立てることで、その有効成分をお口のすみずみまで行き届かせます。また泡立つことで歯肉へのダメージを和らげ快適にブラッシングをすることができます。泡立ちを良くしてくれるぶん、満足感を得られやすいものですが、あまりつけすぎると磨き残しにつながることもあります。適量を心掛けましょう。
主な成分)ラウリル硫酸ナトリウム 等
粘結剤
歯磨き粉に粘度を与えペースト状に維持する役目をしています。わたしたちがチューブから歯磨き粉をスムーズに押し出し、歯ブラシにのせることができるのはこの粘結剤が適度に粘度を保っているからです。また唾液で薄まってもある程度の粘性を維持することで歯ブラシと歯肉との間の摩擦を軽減し、歯肉のダメージを少なくする働きもあります。
主な成分)アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース 等
香味剤
味や香りを付けることによりブラッシング後の爽快感を与える成分です。香りは交感神経と副交感神経のバランスを安定させるため、お口の中だけではなく全身の気分転換にもつながります。お気に入りの香りの歯磨き粉をつかうと日々のケアを楽しみながら続けられますね。
主な成分)メントール、サッカリンナトリウム 等
保存料
歯みがき粉の酸化などの変質を防いだり、開封後の細菌の増殖を防いだりするための成分です。
主な成分)パラオキシ安息香酸エチル 等
薬効成分
さてここからがお待ちかねの薬効成分(薬用成分)です。薬効成分は厚生労働省によってその効果が認められ認可された成分です。その働きによって効能・効果が期待できます。冒頭でお伝えしたとおり、現在は歯科医院でもドラッグストアでも数多くの歯磨き粉が販売されています。すべての商品をご紹介するのは難しいため、ここではお悩み別に“成分名とその効果”をご案内していきますね。ご自身で選ぶ際には商品に記載されているコンセプトや成分表示を確認するとよいですよ。普段聞きなれない単語が多くカタカナばかりで「うわぁ」となりそうですが、覚える必要はありません!下の表を手元に置きながら商品売り場で吟味しましょう!(笑)それではお悩み別に見ていきますね。
むし歯予防をしたい
むし歯は歯垢の中のむし歯菌が出す酸によって歯が溶かされる病気です。その予防には「歯質の強化」、「歯垢の形成を抑制」に効果がある成分を選びましょう。
歯周病予防をしたい(歯肉炎・歯周炎)
歯周病は、歯垢の中の歯周病原細菌が出す毒素で歯周組織に炎症が起きる病気です。重症化すると歯を支える骨が溶かされ最悪の場合歯が抜け落ちてしまいます。その予防には、「原因となる細菌を殺菌する作用」、「歯肉の炎症を抑える抗炎症作用」、「歯肉をひきしめる収れん作用」などがある成分を選びましょう。
知覚過敏で悩んでいる
知覚過敏はエナメル質の下にある象牙質の表面が露出することで神経が刺激され、歯が痛んだりしみたりする病気です。象牙質が露出する原因は加齢による歯肉退縮、歯ぎしりによる歯の摩耗など様々です。予防には「神経の痛みの伝達をブロックする成分」や、「刺激の入り口である象牙質の表面にある象牙細管を封鎖する成分」を選びましょう。
歯の着色が気になる~ホワイトニング
歯の着色はコーヒーやワインなどの飲食物なのか、もしくは喫煙によるものなのかその原因は様々です。その原因によって成分を選びましょう。
口臭が気になる
お口の中の細菌が食べ物のカスなどを分解・発酵する際にでるガスが口臭の素になります。例えば、メチルメルカプタン(玉ねぎが腐ったような臭い)、硫化水素(卵が腐ったような臭い)です。口臭予防には殺菌作用のある成分を選びましょう。
※ただし、口臭の原因には歯周病や舌苔など他の疾患であったり、もしくは副鼻腔炎、糖尿病などの全身疾患があったりすることも考えられます。そのような場合には一度かかりつけの病院で診てもらうことをおすすめします。
おすすめの歯磨き粉
最後におすすめの商品の一部をご紹介します。
むし歯予防
『Check-Up standardチェックアップ スタンダード』
LIONさんから発売されているこちらはフッ素が1,450ppmと高濃度配合です。また低研磨、低発砲で歯にもやさしく、日常使いしやすい1本です。
歯周病予防
『ジェルコートF』
ウエルテックさんから発売されているこちらは高い殺菌力でむし歯・歯周病菌の殺菌に有効です。また発泡剤、研磨剤が無配合のジェル歯磨き剤のため歯にやさしい1本です。電動歯ブラシとの併用もできます。
知覚過敏予防
『MERSSAGE Hyscareメルサージュ ヒスケア』
松風さんから発売されているこちらは知覚過敏症状を防ぐのに有効な硝酸カリウムと乳酸アルミニウムを配合した歯磨き粉です。またフッ素が1,450ppm配合されているためむし歯予防にも最適です。香味はグレープフルーツミントとソフトミントの2種類があるため、ぜひお気に入りのフレーバーをお選びくださいね。
ホワイトニング
『Brilliant more wブリリアントモアダブル』
LIONさんから発売されているこちらはポリリン酸ナトリウムとピロリン酸ナトリウムのダブル成分を配合。イオンの力で歯の表面からステインを浮き上がらせて落とし歯本来の白さを引き出します。香味は、ナチュラルペーパーミント、シトラスミント、アプリコットミントの3つからお選びいただけます。
口臭予防
『ミルラ&プロポリス』
ディスナ社さんから発売されているこちらは天然ハーブを素材に作られた歯磨き粉。天然ハーブのミルラやフェンネルの殺菌・抗菌効果により、お口の中の気になる臭いを抑えてくれます。更に、プロポリスと呼ばれる炎症抑制作用のある成分も含まれているため、歯周病や口内炎に悩んでいる方にもおすすめの歯磨き粉です。
さて最後までお読みいただきありがとうございました。今回は歯磨き粉のご紹介ということでかなり長いブログになってしましましたが、気になる“成分”はありましたか?むし歯、歯周病、知覚過敏など、お口の中のお悩みはまさに十人十色です。もし歯磨き粉選びに迷っていたら予防歯科のプロフェッショナル、ビバ歯科の歯科衛生士たちにお任せください。ぜひあなたにぴったりの歯磨き粉を一緒に見つけましょう!
最後に
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