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災害時の歯みがきが命を守る
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
先日1月1日に発生した石川県能登地方を震源とする大規模な地震によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。余震が続き避難所での生活で不安な時を過ごされていることに本当に心が痛みます。被災された皆様の安全と地域の1日も早い復興を心より願いお祈り申し上げます。
今回の地震を受けて、ブログの筆者は防災バッグの点検を改めておこないました。1年に1度の点検…といってもよくよく考えると季節によって必要なものがかわりますよね。例えば冬なら使い捨てカイロのような防寒グッズを、夏なら経口補水液や塩飴などの熱中症対策グッズなどです。しかし、季節を問わず通年で必要な避難グッズというのもありますよね。すなわち人が健康に生活をするために毎日必要なものです。その中でも今回は『オーラルケアグッズ』の必要性について書いていきます。
目次
災害時もお口のケアが必須
みなさんの防災バッグには歯ブラシなどのオーラルケアグッズは入っていますか?
家族の安否や食糧の確保など大変な中ですが、災害時にもお口の中の衛生状態に注意をしないといけません。なぜならむし歯や歯周病が悪化した場合に歯医者さんに行こうと思っても被災していて機能していない可能性があるからです。またむし歯の痛みで鎮痛剤が欲しくても薬局が機能していない可能性もあります。しかしもっと重要なことがあります。それはお口の中が不潔だとインフルエンザや新型コロナウイルスなど全身疾患につながる恐れがあるということです。インフルエンザやコロナなどの疾患は避難所で感染が広がり、最悪の場合命を落とすことも考えられます。また口腔内が不潔になると血栓のリスクを招き、脳梗塞や心筋梗塞の発生にもつながります。更に高齢者は誤嚥性肺炎にも注意が必要です。これらのことから災害時にもお口のケアはとても大切です。
歯周病菌がインフルエンザを拡大させる
しばしば風邪やインフルエンザ予防にはうがいが大切と言われます。しかしうがいよりも実は「歯みがき」が大切です。なぜなのでしょうか?これには歯周病菌が絡んでいます。実は歯周病菌がいるとインフルエンザにかかりやすくなるのです。その仕組みを簡単に説明します。
①歯周病菌が出す酵素(プロテアーゼ)が、ノドの粘膜を保護するタンパク質を破壊する
②破壊された部分からウイルスが侵入し細胞に付着する
③その後細胞の中でウイルスが増殖し感染が拡大していく
ちなみにプラークに棲みつく歯周病菌は抗生物質などの薬で除去したり(⁂1)、体の免疫細胞で撃退したりすることができません。そのため歯周病菌はプラークごと歯みがきで除去する必要があります。これだけでも歯みがきの大切さがわかりますね。
⁂1…ジスロマック(アジスロマイシン)など一部の抗生物質は効果があります。これは当院の歯周病の治療にも用いられています。
避難生活での歯みがきの仕方
災害の際には断水などの影響で水不足が懸念されます。そのためいかに少量のお水でケアをするかも大切です。
歯ブラシに少量の水を浸し、歯磨き粉を使わずに磨く
一般的な発泡剤を含む歯磨きを使うと、お口をすすぎたくなりますよね。そのため歯磨き粉を使わずに歯をブラッシングするとお水の使用を抑えられます。
※なお歯磨き粉を使った場合にも大さじ1程度の水で軽くすすぐのが良いです。なぜなら歯磨き粉に含まれる有効成分(フッ素等)がお口の中に留まるからです。
デンタルリンス(液体歯みがき粉)で歯を磨く
ペースト状の歯磨き粉の液体バージョンをデンタルリンスといいます。適量をお口に含んで30秒程すすいだら吐き出し、後は歯ブラシで歯を磨きます。通常の歯磨き粉のようなぶくぶくとした泡立ちがなく、また液体のため薬用成分を歯のすみずみに行き届かせやすいです。さらに清涼感があるため、お口の中がさっぱりします。
歯ブラシがない場合はどうするか
歯ブラシの備えがなく手に入らない場合がありますよね。その場合には次の方法でケアをしましょう。
食後すぐにお口をすすぐ
飲食後にはお口の中が酸性に傾き歯が溶かされていきます。それを少しでも防ぐために、食事をしたあとにはすぐにお水やお茶でお口をすすぎましょう。
清潔なティッシュやガーゼ布で歯の表面を擦る
写真のように人差し指に巻き付けて、歯の表面の汚れをできる限り擦り取りましょう。歯と歯の間や歯の溝などは難しいですが、何もしないよりは有効です。
シュガーレスのキシリトールガムを噛む
事前に災害バックに備えておく必要がありますがガムを噛むことは有効です。噛むことでだ液の分泌が促進されむし歯予防につながります。なおガムは砂糖が入っていないシュガーレスのものを用意しましょう。
防災バックに備えるべきもの
災害時にもお口の健康、すなわち全身の健康状態を維持するために必要だとおもわれるケアグッズは以下の通りです。
・歯ブラシ
家族分用意をしましょう
・歯磨き粉
小さなチューブタイプのものであればかさばりません。なお災害時は水不足が懸念されますので、ペーストタイプよりもジェルタイプのものがおすすめです。ジェルタイプは発泡剤が配合されていない分泡立がないので磨いたあとにうがいの必要がありません。またジェルが歯に密着しやすいのでフッ素がお口の中に長く残り歯を守ってくれます。
・フロス、歯間ブラシ
歯と歯の間はむし歯になりやすいためできればこちらも備えましょう
・入れ歯やマウスピースの洗浄剤
入れ歯や可撤式のマウスピースを使用している方は、専用の洗浄剤を備えましょう。生活に必要なアイテムのため清潔に保つことが大切です。
・キシリトールガム
先述の通り、ガムを噛むことはだ液の分泌を促しむし歯予防につながります。荷物に余裕があれば備えておきましょう。
災害はいつ何時起こるかわかりません。この機会にぜひ防災バックの見直しをしましょう。
最後に
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医院名 | ビバ歯科・矯正小児歯科 |
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