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老化はお口から始まります~オーラルフレイル

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

みなさん『フレイル』という言葉を聞いたことはありますか?これは「加齢により心身が老い衰え、健康な状態と要介護状態の中間状態にあること」を指します。現在日本の65歳以上の高齢者人口割合は29.1%(2022年9月15日推計;総務省統計局のデータより引用)でいわゆる超高齢社会の状態です。人生を歩む中で万人に平等に訪れるのが“加齢”や“老い”。そのためフレイルは避けて通れない道です。しかし、フレイルというのは、早く介入して対策をおこなえば元の健康な状態に戻る可能性がある状態でもあります。実際に厚生労働省のHPでも「早めに気づいて、適切な取組を行うこと。そうすれば、フレイルの進行を防ぎ、健康に戻ることができます。」と記載されています。一説によると平均寿命と健康寿命の差は約10年とも言われていますが、出来る限りQOL(=Quality of life)を維持しながら人生を送りたいですよね。そこで今日はお口の中のフレイル、その名もオーラルフレイルについてお話したいと思います。

 

オーラルフレイルとは

オーラルフレイルとは「食べ物を噛んだり飲み込んだりする力が低下する」、「舌の動きが悪くなる」など口腔内の機能が虚弱になる状態を指します。英語ではOral(口腔)Frailty(虚弱)と書きます。このような状態になると、食事がスムーズにできなくなるため栄養が不十分になったり、滑舌が悪いため会話が苦痛になり人とのつながりを避けてしまったりすることになります。栄養摂取や社会とのつながりは心身の健康に必要不可欠なものですから、オーラルフレイルが起こるとフレイルも引き起こされることになります。すなわちフレイルの入口に“オーラルフレイル”(歯や口の機能低下)があるといっても過言ではありません。よってオーラルフレイルを防ぐために歯の喪失の予防や口腔機能の維持がとても重要だと言えます。定期的な歯医者さんでの検診は言わずもがなですが、ここではオーラルフレイルへの対策としてできる「セルフケア」についてみていきましょう。

 

オーラルフレイル対策のために

セルフケアとしてできることは大きく2点あります

1.口腔内を清潔に保つ

歯を失うことはオーラルフレイルにつながります。なぜなら歯は食事では食べ物を噛み砕く、会話では正しい発声をするなど重要な働きをしているからです。歯を失う原因で多いとされるむし歯や歯周病から歯を守るために歯垢(プラーク)を除去し常にお口の中を清潔に保つことが大切です。そのために大切なのが毎日毎食後の“歯磨き”です。特に年齢を重ねるにつれて歯ぐきが下がるため歯の根元部分にできる『根面う蝕』*や、過去に歯科治療を行った詰め物や被せ物の下がむし歯になる『再発むし歯(二次う蝕)』*など大人特有のむし歯リスクもあがっています。

*過去のブログで詳しく説明しております。ぜひ合わせてご覧ください。
根面う蝕については「大人のむし歯『根面う蝕』」を☑
再発むし歯については「大人のむし歯『再発むし歯』」を☑

歯の表面だけではなく歯と歯の間(歯間)や歯と歯肉の境目部分などは特に歯垢が溜まりやすい部位でもあります。歯ブラシだけではなく、以下のようなケアグッズも取り入れながら日々ケアしていきましょう。

 

タフトブラシ(ワンタフトブラシ)

毛束が1つのヘッドの小さな歯ブラシです。そのため普通の歯ブラシでは届きにくいところの清掃に最適です。歯と歯の隙間や歯と歯ぐきの境目にも入り込み歯垢をしっかりと除去してくれます。また歯並びがガタガタしている部分や奥歯、そして生えかけの親知らずなども磨き残しが多い箇所ですのでタフトブラシの使用がおすすめです。

 

デンタルフロス

歯と歯の間の歯垢をかき出すためのアイテムです。細い繊維を束ねて糸状にしたもので歯間に溜まった歯垢を糸が絡みとってくれます。むし歯や歯周病の予防はもちろんですが、食べかすが原因の口臭も改善・予防することができます。指巻きタイプは必要な長さを切り指で操作するため始めは扱いが難しいと感じる方も多いですが小回りが利くためしっかりと歯垢を除去できます。ホルダータイプはフロスがホルダーに取り付けられており持ち手があるため、指での操作が苦手な方やフロスを初めて使う方に適しています。当院でも様々なタイプのデンタルフロスをご用意しておりますのでぜひ歯科衛生士にご相談下さい。

 

歯間ブラシ

こちらもデンタルフロス同様に歯と歯の間の歯垢を除去するアイテムです。持ち手の先端には1本の針金を起点としてその周囲に毛がついています。比較的歯間が広い方向けになりますので、歯と歯の隙間が狭い方はデンタルフロスの使用がおすすめです。無理に歯間に挿入しようとすると歯や歯ぐきを傷つける恐れがあるためご注意下さい。

 

舌ブラシ

その名の通り舌をケアする専用ブラシです。舌も歯同様に清潔さを保てないと汚れが溜まります。それはやがて目に見える状態である舌苔(ぜったい)となって現れるのです。鏡の前で舌をベーと出したときに舌の上に白っぽいものが沢山付着していたらそれが舌苔です。舌苔は食べかすや細菌が付着したものですから放っておけば口臭の原因にもなります。オーラルフレイル予防にもなりますので、もし今口臭が気になる方がいれば舌ブラシをセルフケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。磨くときには優しい力で奥から手前に掻き出すようにしましょう。

 

洗口液(マウスウォッシュ)

洗口液は液体のため、歯の表面や隙間に浸透し持続的に抗菌効果を発揮してくれるアイテムです。フッ素成分が配合されているものであればむし歯予防にも効果が期待できます。なおアルコールを含んだものは清涼感が得られるためそれだけで満足してしまいがちですが「洗口液はあくまで歯磨きの補助的役割を担うもの」です。必ず歯磨きをしたうえで使用するようにしましょう。

 

2.口腔機能を維持する

口腔機能とは食べ物を噛む、飲み込む、また声を出すなどといったお口の働きのことです。これらの動作は唇、舌、お口周りなど多くの筋肉がスムーズに動いて成り立ちます。逆に言えば口腔機能の低下は食事や会話に支障をきたすためゆくゆくは全身の機能に影響を及ぼすいわゆるフレイルにつながります。以前のブログ「”かわいい”だけじゃ済まされない!お口ポカンは病気です。」でご紹介した今井一彰先生が考案された『あいうべ体操』も口周りや舌の筋肉を鍛えるのにおすすめです。他に日本歯科医師会推奨のオーラルフレイル対策のための口腔体操各種もございます。イラストや動画付きのためとても分かりやすいです。ぜひ参考にしてみてください。

 

最後に*参考記事のご紹介

フレイルに関する興味深い記事が読売新聞に掲載されていたのでご紹介します。

『5秒間に「タ」と言える回数が少ない人ほど、将来、フレイルになる傾向がある』という研究結果についてのお話でした。60歳以上の対象者を2年追跡調査したところ、2年後にフレイルと判定された人たちは健康と判定された人たちに比べて、2年前の段階で「タ」と言える回数が少なったというのです。つまり既に口腔機能の衰えが始まっていたと予測できます。5秒間の回数は平均でわずか2回ほどの差でしたが2年後には健康状態に大きな差がでる可能性があるとの研究結果です。これをみてもオーラルフレイルの予防がいかに大切かわかりますね。

 

読売新聞より引用

 

ちなみに、当院の院長セキモトもこの記事を読んで早速「タ」のタイムトライアルに挑戦していました。1回目は惜しくも29回。これは記事によると舌の動きが衰えているグループの平均回数です。このままでは歯医者さんとしてのプライドが許さないと言わんばかりに2回目にトライ!今度はなんと37回でした。これにはビバ歯科スタッフ一同拍手喝采!院長の日々の口腔ケアと執念を感じた時間でした(笑)これだけで口腔機能の低下と診断はできませんが、自身や大切な人の健康状態をみるためぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?

 

(おまけ)

ちなみに5秒間で何回「タ」を言えるかとなった時に『どうやって数えよう?』となりますよね?必死に「タ」を言いながら同時進行で数えるのは至難の業ですし、かと言って野鳥の会のように数取器をカチャカチャするのも指がつりそうです。そこで院長先生はある工夫をしていました。

まず紙とペンを手元に用意します。そして、「よーいドン」と共に「タ・タ・タ・・・」と言いながら同じタイミングでひたすら打点していきます。その結果がこちらです。赤い点々がたくさん…。そうです。この打点の個数が「タ」の回数になるのです。なかなか斬新なアイディアですよね。ぜひ試してみて下さいね。

 

医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
住所 〒273-0002
千葉県船橋市東船橋1-37-10
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電話番号 047-421-0118
最寄り駅 JR総武線「東船橋駅」南口 徒歩30秒
アクセスの詳細はこちら
駐車場 敷地内に5台分の駐車場があります
休診日 水曜(第1週)・木曜(第2週以降)・日曜・祝日