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親知らずのタラレバ話

ビバ歯科・矯正小児歯科スタッフの後藤です。
タイトルだけ読むとなんのこっちゃと言われてしまいそうですが、たまたま読んだ「親知らず」なぜ生えてくる」という記事が面白かったのでご紹介します。

記事の中で「親知らず」と呼ばれるようになった由来が『分別のつく年頃になってから生えるので、親が生え始めを知らないため』だとか、『平均寿命が40歳前後だった時代には、子どもの親知らずが生えてくる前に親が亡くなってしまっているため』や、『成人して知恵がついてから生える歯なので「知歯(ちし)」とも呼ばれている』など諸説あるようですがご存じでしたか?そういえば私も成人を過ぎてから親知らずが成長してきたので、これらの由来にもピッタリ合ってます。

また驚いたのが、親知らずは硬いものを食べなくなって顎が小さく退化した現代人ならではの歯の生え方だと思っていましたが、実はクロマニョン人の化石や弥生時代の人類の化石からも発見されているそうです。いやぁ~実に驚きました。4万年以上前の人類も親知らずの不快感や痛みを経験していたのかと想像すると、なんだか親近感さえ沸いてきますね。

 

ところで私も20代の前半と後半に2本の親知らずを抜いています。

歯肉を突き破って7番目の歯を圧迫していた為でした。むし歯にはなっていませんでしたが、斜めに突き出た歯は汚れが溜まりやすく将来むし歯になる可能性が高いから抜いたほうがいいよ、とかかりつけ歯科医のアドバイスでした。そのタイミングで抜歯していただいた親知らずはラッキーなことにわりとスムーズに抜けたみたいで(とはいえめちゃめちゃ痛かったですし、抜歯後にはおたふくのように腫れましたよ!)、あまり深く覚えていませんがそのまま処分したのだと思います。

 

今ふと、もし親知らずを抜かずに今も残していたら…と想像してみます。そしてその親知らずが運よくむし歯にならず残っていたなら…、百歩譲ってむし歯になっていたとしても神経が残っていたとしたら…と、そんな都合のいいタラレバ話を想像してみます。

そんな運のいい親知らずが生えていたら、その親知らずに第二の人生を与えてみたいです。というのも、歯の根っこには歯根膜という組織があり、抜歯したばかりであれば、他の歯が使えなくなり抜歯する羽目になった場合に移植につかうことができるからです。

抜歯しなければいけない歯を抜いたタイミングで親知らずも一緒に抜歯し、元の歯があった位置に移植すれば自分の歯根膜なので適合しますし、神経はそのまま再生します。親知らずにとっては第二の人生の始まりですね。結局のところ他の歯のために親知らずは抜歯する運命にありますが、他の歯になって活用できるなんて素晴らしいです。

まぁでもこのタラレバ話は、親知らずが隣の7番の歯を圧迫することなく上向きに生えてきてくれて、なおかつ、むし歯などにならないことが大前提なのですが。。。

歯を失わないよう日々の歯みがきをしっかりして治療しなくてもいいように心掛けていただきつつ、それでも歯を抜くことがあった場合や親知らずでお困りの際はお声がけください。

またそのほかにも、今すぐに移植を希望しない場合には、状態の良い親知らずに限り抜歯後に冷凍保存することも可能です。そういったご提案もできますので、ビバ歯科・矯正小児歯科までお気軽にご相談ください。

患者様のお口の状態にあわせて最善の治療をご提案していきたいと思います。