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差し歯がある方へ~歯ぐきの黒ずみ気になりませんか?

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

重度のむし歯になると歯質を大きく削ることになるので、削ってなくなった歯を補うためにクラウンと呼ばれる被せ物をすることがあります。これは一般的には“差し歯”と呼ばれていますね。ところで差し歯をしてから時間が経ったときに『差し歯の付近の歯肉が黒っぽくなっている』なんてご経験はありませんか?実はこれメタルタトゥという金属による色素沈着が原因です。今鏡が手元にあればぜひ自身の差し歯のあたりをチェックしながらこのブログを読み進めてみて下さいね。

 

メタルタトゥとは?

差し歯(クラウン/被せ物)の付近にみられる歯ぐきの黒ずみをメタルタトゥといいます。写真1のように歯の際部分の歯ぐきが黒ずんでみえます。同じ患者様で裏側から撮影したのが写真2です。やはりこちらにもメタルタトゥが確認できます。メタルタトゥは主に歯科材料として使われている金属材料が原因で起こります。こちらの患者様も当院を受診される以前にメタルボンドという差し歯(クラウン/被せ物)を装着したため、これが原因と考えられます。メタルボンドとは金属製のフレームにセラミック(陶器)を焼き付けた差し歯のことです。写真1のように表から見た時の審美性はよく、また金属を使っているために耐久性に優れています。しかし内側に金属が使われていることもあり歯ぐきの黒ずみ、すなわちメタルタトゥの原因になります。

 

メタルタトゥの主な原因

原因1

金属*を使用した差し歯やコアから金属イオンが溶け出して蓄積し、歯ぐきに色素沈着を引き起こす

原因2

金属*を使用したコアを形成・切削するときに出る金属粉が歯肉組織に入り込み、それが酸化することで色素沈着を引き起こす

*ここで言う金属とは卑金属を指します。卑金属とは酸化して錆びやすい金属のことで歯科材料の場合には銀合金やアマルガム合金が該当します。ちなみに卑金属の対義語は貴金属です。貴金属は金(ゴールド)や白金(プラチナ)に代表されるようにとても丈夫で安定しています。被せ物やコアにもゴールドが使われることがありますが、銀合金とちがってメタルタトゥの心配が少なくまた金属アレルギーも起きにくいとされています。ちなみに貴金属はその安定性から装飾品としても人気ですよね。

メタルタトゥの治療法

1.金属を使用した差し歯やコアの除去

まずは原因となっている金属をお口の中から取り除いてあげることが最優先です。というのも、どんなに治療をしてメタルタトゥを消しても原因がそのままでは再発することが考えられるからです。そして新たに入れる歯科材料としては、差し歯(クラウン/被せ物)であればオールセラミックやジルコニアセラミックを、コアであればファイバーコアなどがおすすめです。差し歯の種類は以下を、コアについてはこちらのブログ『嗚呼、かんちがい~歯の土台』で詳しく説明しておりますので参考にして下さい。

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ただしケースによってはコアを除去することが難しいこともあります。というのも、すでに歯を大きく削ったうえでその代わりとしてコアを入れているので、そのコアを除去する際に力を加えるとなれば残された歯が割れてしまい、その歯自体の温存が難しくなることがあるからです。温存が不可、すなわちそれは抜歯を意味します。ちなみに以前、当院のスタッフが院長施術のもとメタルコアを除去したことがあります。こちらのブログ『メタルコアの除去』で詳しく紹介しておりますのでぜひご覧下さいね。

除去されたメタルコア

2.ケミカルガムピーリング

その名の通り、化学物質をつかって歯肉の上皮組織を剥がす方法です。フェノールやエタノールなどの薬剤をメタルタトゥで黒ずんだ歯肉に塗布します。薬剤を塗られた部分の歯肉は上皮組織が腐食し、自然と剝がれ落ちます。その後、歯肉に新たな上皮ができ健康的なピンク色の歯肉に戻ります。ただし、喫煙をされる方は注意が必要です。というのも、歯ぐきが健康的なピンク色をしているのは歯ぐきの中にある毛細血管が透けて見えるからです。しかし煙草に含まれるニコチンが毛細血管を収縮させ、血管内を流れる血の量が少なくなるため、歯ぐきが黒ずんで見えてしまいます。ケミカルピーリングを機に健康のためにも禁煙をすることがおすすめです。

3.外科的治療

レーザー照射などにより、金属イオンや金属粒子を歯肉組織から除去していきます。ただし歯ぐきが薄い方は歯肉退縮が起こる可能性があるため、患者様の口腔環境によって最適な治療法をご提案させていただきます。

 

最後に

メタルタトゥと同じような意味合いで使われる言葉に“ブラックマージン”があります。ブラックマージンも金属をつかった補綴物(差し歯等)付近の歯ぐきが黒くみえます。しかしメタルタトゥが金属イオンの沈着によるものなのに対し、ブラックマージンは歯肉の縁に補綴物が露出することで黒く見えます。そのため歯肉というよりも歯肉縁にそって黒色のラインにみえるのが特徴です。

通常差し歯(クラウン/被せ物)をセットする場合にはその付け根部分を歯ぐきの中に2mmほど深く入れます。しかし装着後に歯肉退縮が起こり歯ぐきが下がると隠れていた差し歯の金属部分が見えてきます。これがブラックマージンの原因の1つです。なお、ブラックマージンの1つとしてメタルタトゥを定義したり、両方を同様の症状として定義したりすることもあります。

以下はブラックマージンのお写真です。まず歯肉の際が茶色ぽく見えますね。これは歯肉退縮により歯根が露出しています。次にそれに沿うようにして黒いラインがみえますね。これがブラックマージンです。差し歯に使われている金属が見えています。更に、の歯では劣化によりセラミックが剝がれているのも確認できます。

ブラックマージン (3歯の際が黒くみえる)

 

今回のメタルタトゥのような歯肉の黒ずみもそうですが、銀合金などの金属は金属アレルギーの心配もあるため、ぜひこれを機に差し歯の見直しをするのも1つの選択です。ぜひビバ歯科・矯正小児歯科までご相談下さいね。

 

医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
住所 〒273-0002
千葉県船橋市東船橋1-37-10
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電話番号 047-421-0118
最寄り駅 JR総武線「東船橋駅」南口 徒歩30秒
アクセスの詳細はこちら
駐車場 敷地内に5台分の駐車場があります
休診日 水曜(第1週)・木曜(第2週以降)・日曜・祝日