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お口の老化進んでいませんか?

こんにちは!船橋市東船橋にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

 

今回のタイトルにある“老化”。これは年をかさねるにつれて身体の機能が衰えることを意味します。

例えば、「頻尿になる」、「物忘れがひどくなる」、「骨がもろくなる」、「肌のハリがなくなる」といった症状が良く知られていますよね。そして細胞レベルで考えると、老化は生まれた直後からはじまるというのですから、驚きです。たしかに赤ちゃんのお肌はきめ細かくスベスベで弾力もありますし、人生で一番ぴっちぴっちの瞬間なのかもしれません。とは言え、これはあくまで細胞レベルでのお話ですので、外見や内面はいくらでも自分磨きで輝けるものだと信じているブログの主です(笑)

そんなわけで今回は『お口の中の老化』にスポットライトをあててお話していきます。

まず皆さん、下の項目にいくつあてはまりますか?

 

  • 食事中にむせることが増えた
  • 咳払いが増えた
  • 物が飲み込みづらいと感じることがある
  • 声がかすれてきた
  • 活舌が悪くなったと感じることがある
  • 歯医者での診療中、口内に水を溜められない

こちら1つでも、「あっ、この症状よくあるなぁ」と思われた方は要注意です。なぜなら、これらの症状はお口の老化が始まっているサインだからです。話す、噛む、飲みこむなどという機能は私たちの体の筋肉と同様に年を重ねるにつれて衰えていきます。こうした機能の変化は『口腔機能低下症』と呼ばれており、私たちの全身の健康と密接にかかわっています。

 

ここで、「なんで、お口の機能が全身の健康と関わっているの?僕はむし歯はあるけれど、体はすごく健康だし、体力にも自信があるのさ」なんて思っている方いませんか。本当にそう思いますか?

 

わかりやすい例でみていきましょう。例えば、食事中にむせてしまい、食べ物がうまく飲みこめない、つまり食事を摂れないと考えてみましょう。食事ができないということはすなわち、生きるために必要な栄養素が十分にとれなくなることを意味します。そして栄養不足の状態はケガ、病気を誘発し最悪寝たきりになる可能性だって考えられるのです。いかがですか?これだけでもお口の健康が生きるためにいかに大切なのかわかっていただけると思います。

 

馬鹿にできないムセ~脳出血の原因に

脳卒中という言葉を聞いたことがあると思います。これは脳の血管が詰まったり破れたりすることによって脳が障害をうける病気のことです。発症した場合、身体機能や言語機能が失われたり、最悪の場合に死に至ったりすることもあるとても怖い病気です。また脳卒中にはいくつか種類があり、脳の血管が詰まる“脳梗塞”や血管が破裂する“脳出血”などといったものに分類されます。そして、怖いことに「ムセる」といった症状がこの脳出血を起こすということもあるのです。

みなさんは、日本の大俳優 加山雄三さんをご存じでしょうか。俳優業のみならず、シンガーソングライターとしてもご活躍されており、『君といつまでも』は名曲中の名曲といっても過言ではありませんね。またテレビ朝日で放送されていた散歩番組『若大将のゆうゆう散歩』をご視聴された方も多いのではないでしょうか。下町の路地裏や駅前の商店街を大スターの加山雄三さんが少年のように目をキラキラさせながらお散歩していく姿がとても目を惹きました。しかしながら、元気な姿が印象的な加山雄三さんを襲ったのが、先の脳出血なのです。自宅でトレーニングをした後、水をがぶ飲みしたことが原因でムセて、脳出血を引き起こされたというのです。詳しくはこちらの記事をご参照下さい。

 

もちろんお口の中の機能が正常であればムセても吐き戻すことができ大事には至りません。しかしながら、お口の中の機能が低下している場合、誤嚥(食べ物が食道ではなく、気管に入ってしまう状態)が起こります。加山雄三さんの場合、水を大量に飲んだことが原因で誤嚥を起こし、嘔吐、そして強く咳き込んだことが原因で軽度の小脳出血を起こしていたということです。もしあなたやあなたの大切な家族、友人で、頻繫に咳払いやムセるという症状がある場合にはこういった誤嚥のリスクが心配されますのでご注意下さい。

 

死につながる誤嚥性肺炎

唾液や食べ物を飲み込むと通常は食道を通過して胃にいきます。ところが、様々な要因により食べ物が誤って気管に入ってしまうことがあり、これを誤嚥(ごえん)と言います。そしてこの誤嚥が原因で引き起こされる病気の1つが誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎とは異物が肺に入ったままになり肺に入った細菌が繁殖し肺に炎症が起こることを言います。加齢によって噛む力が低下したり舌を動かす筋肉が衰えたりすることで食べ物を飲み込む機能が低下する高齢者に多く起こります。また脳梗塞の後遺症やパーキンソン病などの神経疾患を抱えている人にも多く起きるそうです。というのも、こういった高齢者や神経疾患などで寝たきりの患者さんは歯みがきが十分に行われておらず口腔内環境が清潔に保たれてないことがあります。この場合口腔内で肺炎の原因となる細菌が多く増殖しています。この増殖した細菌が先の理由で悪さをするのです。

日本人の死因としては、癌や心疾患などをイメージする方も多いかと思いますが、この誤嚥性肺炎も高齢者の死因の割合が大きい病気の1です。気を付けていきたいですね。

 

リスクを減らすために~誤嚥予防法

  • 顔・首・口周辺のマッサージ

指や手の甲で各部位を優しくマッサージすることで筋肉の緊張を和らげます。特にお風呂から出た後は筋肉が柔らかくなっているのでオススメです。

  • ペットボトルでペコペコ体操

2Lの空のペットボトルを口でくわえます(この時唇を傷つけないようにお気を付けください)。次にペットボトルを吸ってへこませます。続いて息を強く吹き込みペットボトルを膨らませます。これにより喉の筋肉が鍛えられ、誤嚥した際に物を吐き出しやすくなります。また肺活量の増加も期待できます。ただし、二酸化炭素が増えますので苦しくなるほどはやらず1回ごとに口を離して一休みすることも大切です。

  • ぐるぐる舌回し体操

口をギュッと閉じて、舌を唇と歯の間にいれます。そして、歯の上を舐めるように舌を時計回りに大きく10回まわします。次に反時計回りに同じように10回まわします。1日に3セットを目安に行うとよいでしょう。

継続して行うことで、「唾液の分泌の促進」、「舌の根元の筋肉が鍛えられ、食べ物を喉に送り込む力が強化される」などといった効果が見込まれます。その他にもお口周りの筋肉が引き締まりほうれい線の改善に期待がもてます。私も電車の待ち時間などには、ベロをぐるんぐるん回しています。時々怪訝な顔をされますが、気にしません。これで健康につながるならやった方がゼッタイいいですからね!

こちらのサイトにより詳しい誤嚥予防の紹介がありますのでぜひご一読下さい。

最後にここまでお読みいただきありがとうございました。

ご家族にご高齢の方がいらっしゃる方はぜひ今日から一緒に誤嚥予防体操を始めてみることをおすすめします。みなさんのお食事時間がより楽しくなりますように☆