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12歳児の平均むし歯等数は0.63本!
こんにちは。千葉県船橋市東船橋にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
先日の日本歯科新聞に衝撃的な記事を発見しました。こちらです。(クリックすると別ウィンドウでひらきます)
ひときわ目を惹く『平均0.63本』という数字、こちらは12歳児の永久歯における平均“むし歯等数”です。
そして記事の上の表をよく見ると令和3年の平均0.63本の内訳は、喪失歯数0.01本、そしてむし歯数0.62本とあります。すなわち日本全国の12歳児の一人当たりのむし歯数は1本未満だということです。つまり、あえてハッキリと言いますが、もしこの時期に1本でもむし歯があればそれは全国の同じ年代のお子さまよりも口腔環境が悪いということになります。子育て中のお父さんお母さん、あなたのお子様のむし歯は何本ですか?
推察―なぜ子どもたちのむし歯の本数が減ったのか
さて、更に表を見ると平均むし歯等数が、平成元年4.30本、令和3年0.63本となっており、4本近く減少したことになります。およそ30年の間に子供たちの口腔内環境がかなり改善されているのがわかりますね。小児歯科も扱うビバ歯科としては嬉しい限りです。それにしても、生えて間もない歯は十分な硬さがなく(そのためむし歯になりやすい)、また新しく生えてきた奥歯の磨きにくさを考えるとこれらは本当に驚異的な数字といえます。なぜこんなにも改善されたのでしょうか。そこでむし歯の平均本数が減少した要因について考えてみました。
1.フッ化物塗布事業の広まり
皆さんは歯科医院でフッ化物を塗ってもらったことがありますか?「フッ素はむし歯予防になる」ということをどこかで耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思います。保健所や歯科医院で幼児が歯にフッ素を塗ってもらう“フッ化物歯面塗布”、保育園や学校などでフッ素の水溶液でうがいをする“フッ化物洗口”は特にお子様方にとって身近なこととおもいます。
フッ化物の役割は主に3つです。
1)歯の質自体を強くする
歯の表面のエナメル質を構成する結晶にフッ化物イオンが取り込まれると酸(むし歯の原因)に溶けにくい丈夫な歯質になります。
2)歯の再石灰化を促す
歯は食事の度に溶かされてカルシウムなどが溶け出します(これを『脱灰』といいます)。しかしその後唾液の働きにより再びカルシウムは歯に取り込まれて修復されています(これを『再石灰化』といいます)。これらを繰り返すことで歯はボロボロにならずに保たれているのです。そしてこの時唾液中にフッ素があると再石灰化が起こりやすくなるのです。まさしくスーパーマンの働きですね。
3)歯垢の生成を抑えます
歯垢の中にフッ化物がとどまり、むし歯菌の活性を抑えて酸を作らせないように働きかけます
これだけでもフッ化物のパワーがわかりますね!
さてここまで“フッ素”とか“フッ化物”という言葉を出してきましたが、この2つ名前はよく似ていますが、姿形はちょっと違います。簡単にいうとフッ素は単体で気体ですが、これが他の物質とくっつくとフッ化物となり固体となります。フッ素はとても不安定で寂しがり屋なので、すぐに他の物質とくっついてしまうんですね。学生の頃に化学の授業ででてきたいわゆる“化合物”と呼ばれるのがこのフッ化物です。
2.オーラルケアグッズの普及
みなさんは歯磨きの際にどんなケアグッズを使用していますか。
「そんなの歯ブラシと歯みがき粉だけだよ」
という人もいれば、
「まずデンタルフロスで食べかすのかき出し。次に歯ブラシと歯みがき粉でブラッシング。続いて、舌ブラシで舌の清掃。そして洗口液で歯周病ケア。最後には指を使って歯肉のマッサージをしているよ!」
という私たち歯科医院のスタッフも脱帽するほどのケアをしている方もいらっしゃるかとおもいます。 このように現在ではドラッグストアやオンラインショップでも様々なオーラルケアグッズが販売されています。現在はお子様専用の歯みがき剤、フロスなども販売されていて、これらも子どものむし歯数減少に一役買っていると考えられます。以下に当院でお取り扱いをしている商品の一部をご紹介します。
こちらのお写真の歯磨き剤は“今日を愛する”で有名なLIONさんから販売されているCheck-Upです。フッ化物を950ppmF配合しているため歯の再石灰化に最適です。また香味もストロベリー、グレープ、アップル、バナナなど様々です。ビバ歯科に通院される子ども達にも施術の最後にフッ素を塗ることがありますが、通院に慣れてくる頃には自分のお気に入りの味を見つけてくれ「今日はアップルがいい!」とリクエストされることも多いです(笑)
続いてこちらのお写真は子ども専用のフロスです。持ち手の部分にお顔が描いてあり、色も可愛いので子ども達の興味を惹きつける工夫がしてあります。ちなみに歯ブラシで丁寧にブラッシングしたとしてもプラーク(歯垢)の除去率は60%程度にとどまります。しかし、フロスも併用することでプラークの除去率は80~90%まであがるのです。しかし残念なことに日本人のフロス使用率はたった20%ととも言われています。小さいうちは歯磨きを嫌がる子もいるので子育て中のお母さんお父さんは大変かもしれませんが、ぜひ習慣化できるよう毎日のケアに取り入れてほしいグッズです。
最後に洗口液のお写真です。こちらは口に含んでブクブクすすぐだけのケアグッズです。歯の表面隅々にまで行きわたり表面をコーティングできるので、唾液の分泌が少なくなる就寝前に使うのがおすすめです。
3.保護者の意識、関心の高まり
先の2つに並んでこちらも子ども達のむし歯の減少に大きく影響していると思います。親御さんがお子様の健康のために、“仕上げ磨きなどの口腔内ケア”、“矯正治療のための歯科通院”など精一杯尽力されていることが数値にあらわれていると言っても過言ではないはずです。加えて、インターネット及びSNSの普及により、“誰でも”、“簡単に”、情報を獲得できるといった生活環境の変化も大きいと思います。余談ですが当院でもブログに加えて、TwitterやInstagramで歯科情報の発信をしています。ぜひこちらからご覧ください。
4.歯科医院による予防歯科
昔と比べ歯科治療の位置づけがかわってきたことも大きいと思います。昔は「歯医者さんは痛くなってから行くところ」という考えでしたが、現在では「歯医者さんは痛くならないために行くところ」と意識が変わってきているようです。ビバ歯科・矯正小児歯科でも行っておりますが、予防歯科のための定期検診もその1つです。むし歯になってから痛い思いをして治療するのではなく、むし歯にならないように定期的に歯医者さんに通ってお口の中のメンテナンスをするのです。そして何より重症化したむし歯治療となれば、治療に何度も足を運ぶことになり時間的にも金銭的にも負担がかかります。そう考えると痛い思いをする前に予防として歯医者さんに通った方が気持ちも楽ですよね。ちなみに先述のフッ化物塗布以外にもお子様にはシーラントという歯の溝を埋める予防措置をしています。シーラントとはレジンなどのプラスチック樹脂です。歯の溝にはプラークが溜まりやすいためその溝をなくすことでプラークの蓄積を防ぎます。またシーラントにはフッ素が含まれているため副次的な効果で歯の表面を強化することにも期待できます。さらに健康保険が適用です。
いかがでしたか。令和3年の12歳児のむし歯等数は平均0.63本!子育て中のママさんパパさん、お子様の大切な歯を健康に保つためにもぜひ積極的な歯科検診をうけてくださいね!
医院概要
医院名 | ビバ歯科・矯正小児歯科 |
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