ブログ・インプラント
抜歯後にインプラントを埋入するベストな時期とは?
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
当院では日本口腔インプラント学会専門医の院長のもと、インプラント治療も積極的に行っています。そのためインプラントを検討されている患者様からよくご相談をいただきます。その中で多いのが治療費用とあと1つ、インプラントの“埋入時期”に関するご相談です。ご自身の健康に関することですから、すでに他の歯科医院さんでもご相談されていたり、もしくはインターネットで調べていたりする患者様がほとんどです。そして多くの患者様が次のように訴えます。
『歯医者さんによって、提案内容が異なる』
『〇〇と書いてあるHPもあれば△△と書いてあるHPもあってどれが正解かわからない』
そうなんですよね。これらのお悩み、すごくわかります。
少し話が逸れますが、筆者はこの時期肌の乾燥が毎年の悩み。そのため冬になるとインターネットを開いては、“乾燥肌”、“化粧水”、“おすすめ”などと昼夜検索をしているのですが、サイトによってNO1のおすすめ商品が異なっています。その結果調べれば調べるほど混乱し悩んでしまうのです(苦笑)。自身も商品に対する知識がないと情報が飛び交うネット社会で正解をみつけるのは難しいですよね。
そこで今回のブログでは、インプラントの埋入時期の目安についてお話したいと思います。ぜひ最後までお付き合いくださいね。
目次
インプラントとは
まずはインプラントの構造について簡単におさらいします。インプラントは完全に歯を失ってしまった部位を補うための人工歯です。クラウン(俗にいう差し歯)は歯根が残存しているためその上から被せ物をしますが、インプラントの場合には完全に抜歯をしているため、歯根の代わりとなる土台が必要です。それをインプラント(もしくは人工歯根・フィクスチャーなど)と呼びます。このインプラントは顎骨に穴をあけ埋入され歯の土台となります。そしてその上に人工歯が装着されるのです。
*インプラント自体の詳しいお話は以前のブログ『インプラントって何だろう?』をご覧ください
インプラントの埋入時期
ではここから、「歯根の代わりとなるインプラントをいつ埋入するか」についてお話していきます。まずインプラント治療を考えている患者様はその状況によって2つにわけられます。
①既に歯を失っていてインプラント埋入部位に残存歯がない方
②歯はあるけれどむし歯などが重篤な状態で今後抜歯をせざるを得ない方
①の方については歯を失ってからどの程度の時間が経過しているかによっても変わります。以前のブログ『インプラント埋入前の準備~上顎洞底挙上手術』でも触れましたが、歯を失うとそれを支えていた歯槽骨の吸収が起こり、骨が薄くなります。インプラントは歯槽骨に十分な厚みがないと埋入できないため、この場合にはまず骨の厚みを復活させる処置が必要です。ではどのくらいの期間が必要かとなるとこれは患者様個々によって異なります。骨の厚みが十分ある方もいれば、歯槽骨の吸収が進み、骨が薄くなっている方もいるからです。
ということで、今回は②の「現在歯はあるけれど何らかの理由でこれから抜歯→インプラント治療を考えている方」に向けてお話をしていきます。
まず埋入時期は大きくわけると次の2つにわけられます。
- 抜歯即時埋入法
- 抜歯待時埋入法
漢字から何となく想像ができるかもしれませんが、前者は抜歯と同時に埋入する方法、それに対し後者は抜歯後時間をあけてから埋入する方法です。それぞれメリット・デメリットをみていきましょう。
「抜歯即時埋入法」~歯を抜いたと同時にインプラントを埋入する方法
抜歯と同時に埋入までおこない手術が1回で済むので、患者様のご負担が少ないのが特徴です。
※イラストはインプラントネットさんより
メリット
- 外科手術が1回で済み、患者様の精神的・肉体的負担が少ない
- 抜歯した部分の歯槽骨が吸収されにくい
- 抜歯直後は自然治癒力が活発に働くので傷口の回復が早い
- 骨吸収が早い前歯部などは即時埋入することで歯肉下がりを抑えられ審美性が保たれる
デメリット
-
- 手術の難易度があがる
- 条件をクリアしないと適用されない(次項参照)
条件
- インプラントを埋入する部分やその周辺に重度の歯周病や根尖病変などの感染がないこと
- 顎骨に大きな欠損がないこと
- インプラントを埋入する部分に十分な骨の厚みと骨量があること
「抜歯待時埋入法」~歯を抜いた後に一定期間を経てからインプラントを埋入する方法
『抜歯後すぐにインプラントを埋入すれば手術が1回で済むのに!なんで待つの!?』と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしインプラントは外科手術です。処置部位は狭いですが、歯肉を切開したり骨に穴を空けたりするなど慎重で確実な処置が求められます。そのため、歯周病や根尖病変などを患っていたりする場合にはまずはそちらの治療を優先させます。また顎骨に十分な厚みや骨量がない場合にはまずGBR(骨誘導再生法)*という骨を再生させる手術をおこない骨ができあがるのを待ちます。このようにインプラントを支えるための十分な土台を整えてからインプラント治療に進む、これが抜歯待時埋入法です。少々遠回りな気もしますが、歯周組織がボロボロのままで埋入すれば細菌感染のリスクも高まりインプラントが長持ちしないことはもちろん、インプラントの歯周病ともよばれるインプラント歯周炎*にもなりかねません。
*GBR手術についてはブログ『インプラントって何だろう?』をご覧ください
*インプラント歯周炎についてはブログ『インプラントのメインテナンスしていますか?』をご覧ください
ちなみに抜歯待時埋入法は更に2つのケースにわけられます。
・抜歯後早期挿入(抜歯後1ヶ月くらい)
抜歯する歯に根尖病変がある時はその治療が必要です。根尖病変とは歯の根っこの先端部分に膿が溜まって炎症を起こしていたり、根の先に嚢胞や肉芽腫ができていたりする状態をいいます。その際、外科的に摘出した場合には歯肉や骨の治癒を待ちインプラントを埋入します
・待時埋入(抜歯後3ヶ月以上)
むし歯や歯周病の治療を終え、歯肉や顎骨の治癒を待ちインプラントを埋入します
メリット
- 歯周組織回復のための治療、骨再生などにより土台を整えるのでインプラントの初期固定が良好
(初期固定…インプラントと顎骨が初期の段階でしっかりと固定され安定すること。その後は時間の経過と共に骨組織とインプラントが融合する)
- 感染リスクが最小限に抑えられる
- インプラント治療をできる確率があがる
デメリット
- 外科手術を少なくとも2回行うため(①抜歯時、②インプラント埋入時)、治療全体の期間が長い
- 患者様への精神的・肉体的負担が増える
- 抜歯後しばらく歯が欠損した状態のため、見た目が気になる。
(ただし前歯部の場合には暫定的に仮歯をいれることが多いため、審美面については解消されます)
まとめ
今回はインプラントの埋入時期についてお話しました。患者様お一人おひとりによってお口の中の状態が異なるため、一概には言えませんが基本的には抜歯後早い段階でインプラント治療をおこなう方が望ましいです。というのも、歯を抜くと唇側、頬側の骨は3週間で6mmほど吸収されなくなると言われているからです。本ブログ中に繰り返し書きましたが、インプラントを埋入するためには骨の十分な厚み・骨量が必要ですから、このことからも早期埋入ができるならするべきだと考えます。もし今、インプラント治療をお考えの方がいらっしゃいましたらまずは一度ビバ歯科・矯正小児歯科までご相談ください。お口の中の状態を診させていただき、どの埋入方法が患者様にとってベストなのかを一緒に相談しましょう!
【補足】
唇側(しんそく)…右3番から左3番までのくちびる側の歯面のこと
頬側(きょうそく)…左右それぞれ4番から8番までのほっぺた側の歯面のこと
最後に
「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何?」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです!
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医院概要
医院名 | ビバ歯科・矯正小児歯科 |
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