ブログ・審美歯科
ホワイトニングを予定している方必見!歯を守る膜「ペリクル」の存在
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
ここ最近、審美歯科とくにホワイトニングやホワイトコートに関するお問い合わせが増えました。一概には言えませんがこれから春になると入学式、卒業式、就職などお写真を撮る機会が増えるからかな、と想像しています。人生の節目になる思い出の日をより健康的で美しい歯で迎えるのはとても楽しいことですよね。ところで歯のホワイトニングはどのようにして歯が白くなるのかその仕組みをご存じでしょうか?そしてそもそもなぜ歯に色素が着色してしまうのでしょうか?実はこの2つには“ペリクル”の存在が深く関係しています。あまり聞きなれない単語かもしれませんがこのブログを読むともっとホワイトニングに興味をもてるかもしれません。ぜひ最後までお付き合いくださいね。
目次
ペリクルとは
歯の表面を覆う無色透明で薄い膜のことです。英語では「pellicle」と表記し、薄皮・皮膜などという意味があります。またペリクルはだ液由来のタンパク質の膜です。だ液成分がその自浄作用によって流されることなく歯の表面に残り形成されます。そのため例え歯ブラシでゴシゴシと擦っても基本的に除去することはできません。なぜなら歯みがきをしたあとも数分後には再び形成されるからです。ちなみに、歯を覆う膜と言うと“プラーク(歯垢)”と混同されがちですが、全くの別物です。ペリクル自体には細菌はいません。しかしペリクルを好んでその上層に付着してくる常在細菌がいます。そしてこれらが菌の集合体(コロニー)を作り始めることによりプラークが作られていくのです。これについては後ほど詳しく書きます。
ペリクルの働き
良い点
ペリクルは歯のバリアとして働きます。
- 脱灰抑制
脱灰とはむし歯菌が出す酸によって歯のエナメル質が溶かされる(ミネラル成分が溶け出す)ことをいいます。いわゆる初期むし歯の段階で、歯は徐々に白く濁り光沢を失っていきます。ペリクルはこの酸による侵襲から歯を守る働きをしています。
- 再石灰化の促進
再石灰化は脱灰の真逆の現象で歯が修復されることです。溶け出したミネラル成分をだ液が再び歯に取り込むことで修復していきます。ペリクルはこの再石灰化の手助けをします。
余談ですが、お口の中では食事の度に脱灰(歯が溶ける)と再石灰化(歯を修復)が繰り返されています。これらが同程度で繰り返されていれば健康な歯が保たれるのです。
悪い点
歯を守る働きがあるペリクルですが、実は歯の健康を脅かす面もあります。
- プラークの土台になる
ペリクルは粘性が強いため食べカスやお口の中に浮遊する細菌を吸着しやすい性質があります。そしてペリクルに付着した細菌は増殖しやがてプラークすなわち歯垢を形成します。当然のことながらプラークはむし歯や歯周病につながります。ただプラークは毎日の歯磨きが適切に行われていれば除去できるものですので安心してください。しかし歯みがきを怠ったり、磨き残しがあったりするとヌメヌメしたバイオフィルムが形成されます。こうなると歯みがきで除去することは難しく歯科医院でのプロフェッショナルケアが必要です。
2.歯の着色の原因になる
粘性が強いペリクルは様々な色素を取り込みやすい性質もあります。歯に付着した色素は普段の歯磨きでは落としにくく、それが着色汚れいわゆるステインの原因になります。
着色の原因といえばポリフェノールを含む色の濃い飲食物やタバコのタールが有名ですよね。特にタールは茶色で粘着性があるため、ペリクルに強固に付着して着色汚れの原因になります。しかし着色汚れはエアーフローで解決できます。当院でもエアーフローを使用したクリーニングをおこなっておりますので着色汚れにお悩みの方はぜひご相談ください。
このようにペリクルには歯の健康を脅かす面もありますが、その弱点(悪い点)をフォローしながら強み(良い点)を残すことは可能です。ただ先述の通りペリクルはだ液由来のタンパク質の膜ですから、ドライマウスでお口の中が乾燥しているとそもそもペリクルが形成されにくくなります。そうするとペリクルのもつ強みである歯の防御作用が発揮されなくなってしまいます。こう考えてもお口の中が潤っていることは大切ですね。
ホワイトニングとペリクルの関係
さてペリクルについて知った上で、ここからはホワイトニングとペリクルの関係についてお話します。ホワイトニングは薬剤(主に過酸化水素)を用いて歯を化学的に漂白する施術です。ところでホワイトニングのご経験がある方、次のような注意をされた記憶はありませんか?
『ホワイトニング後12~48時間は色の濃い食事、酸性の強い飲食物は控えましょう』
一体ナゼなのでしょうか?
簡単に言うと48時間(2日間)は薬剤により歯を白くするための化学反応が続いているからです。色の刺激を受けやすい敏感な状態で、もしこの間に色の強い飲食物を摂取すると、色を吸収してしまい、せっかくのホワイトニングが台無しとなってしまいます。
ここで関係するのがペリクルの存在です。ホワイトニングに使う薬剤は、歯の表面を保護する膜すなわちペリクルを剥がすことで作用します。そしてペリクルが剝がれたエナメル質から薬剤が内部に浸透し色素を分解、すなわち脱色していきます。ペリクルの再生には12~48時間(1~2日間)を要し、ホワイトニング直後の歯はペリクルがないため色を吸収しやすい状態です。この間にカフェインやポリフェノールなどの着色物が付着してしまうと再び歯に色が付いた状態になってしまいます。そのためホワイトニング後の飲食には制限が設けられているのです。なお「歯の防御反応があるペリクルを剥がすのは心配だ」と考えた方もいるかもしれませんが、お口の中がだ液で潤っている限りペリクルは再形成されますのでご安心ください。
ホワイトニング後の飲食について
ホワイトニング後の着色が怖いとはいえ、48時間何も食べないのはツライですよね。そこでホワイトニング後の飲食について一般的にOKとされるものNGとされるものをまとめてみました。一部ではありますが参考にしてください。ちなみにコーヒーやカレーのようにいかにも色が濃いものだけではなく、見た目が白い豆腐や豆乳もNGです。なぜならこれらにはポリフェノールの一種であるイソフラボンが含まれていて歯が黄ばみやすいからです。そのためホワイトニング直後は控えた方が良いでしょう。
セルフケアにおすすめの歯磨剤
個人差はありますが、ホワイトニング後の白さをキープするためにホワイトニング効果のある歯磨剤の併用がおすすめです。ビバ歯科では以下の歯磨剤をご用意しています。
アパガードリナメル
むし歯の予防に作用するナノ粒子薬用ハイドロキシアパタイトや、着色汚れを浮かせて落とす成分も配合されていて、歯本来の白さとツヤを取り戻します
ブリリアントモア ダブル
ステインを浮かせて落とす美白歯磨剤です。また、口臭の発生を防ぐラウロイルサルコシンナトリウムやむし歯の発生や進行を防ぐフッ化ナトリウムなどの薬用成分も配合されています。
※香味はアプリコットミント・ナチュラルペパーミント・シトラスミントの3つ
最後に
「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何?」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです!
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医院概要

医院名 | ビバ歯科・矯正小児歯科 |
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住所 | 〒273-0002 千葉県船橋市東船橋1-37-10 (タップでGoogleマップが開きます) |
電話番号 | 047-421-0118 |
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