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誤嚥と誤飲、窒息にかかわるのはどっち?

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
ここで当院から皆さんへ歯科クイズ。
Q.「食事中に突然咽はじめ窒息した🫁🗣️」と「子どもが電池を誤って飲み込んだ🔋」
どちらが誤飲で、どちらが誤嚥でしょうか?
カチカチカチ(タイマーの音⏱️)…正解は第2章をご覧ください。
「誤嚥(ごえん)と誤飲(ごいん)」一文字違いの用語です。しかし、意味はまるで違う両者。その違い、皆さん理解できているでしょうか。先日もSNSで誤飲と誤嚥を誤って使い投稿されている方を見かけました。
今回は誤嚥と誤飲の違い、メカニズム、窒息との関係、応急措置方法など、掘り下げたお話しです。
目次
似ているけれど…
…カチカチカチ(タイマーの音⏱️)Time out!
冒頭のクイズの正解です。答えは…前者は誤嚥、後者は誤飲です。皆さん、正解でしたか?
ちなみに食事中に咽たり、咳き込んだりした経験はありますよね?筆者もあります。
慌てて食事をしたり、パサついたりポソポソした水分の少ない食べ物や、香辛料を効かせた食事を口に入れたりすると起こりやすいですね。でもこれは誤嚥でなく「むせ」。また主に子どもの事故として報道される「誤飲」という言葉もあります。ややこしいですね。
誤って気管に入る=誤嚥 ごえん

誤嚥とは「本来食道に入るはずの食べ物・飲み物・唾液などが、誤って気管に入ってしまう」ことです。誤嚥の「嚥」は、くちへんに燕(ツバメ)と書く難しい漢字です。この漢字の由来はツバメのヒナが口を開け、餌を飲み込む様子から作られたそうです。
健康な方の場合、食事を飲み込む瞬間に喉頭蓋(気管と食道の分かれ目にある蓋状の器官 ※画像を参照)が閉じて気管を塞ぐので飲み込んだ食物は食道へ導かれます。しかし、高齢や病気などで反射が弱くなると、喉頭が下がり持ち上げる筋力も衰えているため気管へ入りやすくなってしまうのです。
また、食べ物を咀嚼し飲み込んで食道へ送ることができない状態を摂食嚥下障害といい、当院では摂食嚥下障害に悩む患者さん向けに、月1で嚥下の専門歯科医によるトレーニング指導を設けております。

本来誤嚥は、咽や咳で気づくものですが、高齢者は咳反射が弱く食べ物が気管に詰まりそうになっても咳が出ない「不顕性誤嚥」と呼ばれる誤嚥状態もあるので怖いです。不顕性誤嚥は年齢を重ねるほどリスクが高くなり、誤嚥性肺炎の原因にもなるので特に注意が必要です。
誤って飲み込む=誤飲 ごいん

誤飲は「飲食物でないものを誤って飲み込んでしまう」ことです。冒頭でも書いた「子どもが電池を飲み込む」が良い例ですが、ほかにも「高齢者がうっかり入れ歯を飲み込む」などが典型です。
誤飲した異物は通常、食道から胃へと入り、大半は排便とともに体外へ排出されます。しかし、電池や異物が消化管に引っかかると、手術による摘出が必要になる場合もあります。
窒息するのはどちら?
誤嚥です。窒息とは、空気の通り道が食べ物や異物でふさがれ、呼吸ができなくなる状態です。これは非常に危険な状態です。というのも、息ができないということは、急速に酸欠となるわけですから、数分で命に危険が及ぶのです。

誤嚥を防ぐには
誤嚥しにくい食事へ切り替える
・スープや飲み物にはとろみを加えます。とろみ剤は市販品で問題ありません。
・口や喉に張り付きにくい食材へ
例:海苔は、板海苔ではなく佃煮に変更する 薄切りキュウリやレタスなどは、やや厚めに切る
誤嚥しやすい食事とは
そぼろ・いも類・木綿豆腐・ひじき・かまぼこなど、ぱさぱさ・ぼろぼろした食べ物
水やお茶など、さらさらした液体味噌汁や麻婆豆腐など、液体と固体が混ざった料理
筆者の実体験として、その昔、体力が衰え始めた今は亡き祖父があわや誤嚥になりかけたことがあります。大好きな鳥のそぼろ弁当を口に入れて飲み込もうとした瞬間(嬉しくてつい早く食べようとしたようです)、突然咳き込み苦しもがき始めたため、急いで背中を叩き(背部叩打法)、事なきを得たものですが今思い返してもあの時の恐怖心は消えません。本当に突然起こりました。もしあのまま何もしなければ、祖父は気管をそぼろで塞がれ窒息死していたことでしょう。それ以降、誤嚥しやすいそぼろは口にしなくなったのは言うまでもありません。
食べる姿勢を整える
前かがみで食べていませんか?誤嚥には姿勢もかかわっています。
顎を引き、椅子に深く腰掛けてかかとを床につけます。特に高齢者は姿勢が前かがみになりがちですので注意が必要です。
もし誤嚥で窒息しかけたらどうする?
私たち周りの人が出来る対応があります。症状に合わせて方法が違うので、いざという時のために救急対応ができるよう覚えておくといいでしょう。
日本歯科医師会では窒息時の対応法が載っています。
日本歯科医師会サイト
https://www.jda.or.jp/jda/business/pdf/chissoku_p.pdf
声や咳が出ずに、顔色が悪くなっている場合
これは窒息の典型的なサインです。このような時は、
成人対象:「背部叩打法」(肩甲骨の間を強く叩く)という祖父に処置した方法と「腹部突き上げ法」を施します。
幼児対象:「背部叩打法」と「胸部突き上げ法」を行います。腹部ではなく胸部である点に注意してください。 まずは1つの方法で試し、窒息が解消されない場合は、もう1つの方法で試してください。どちらも叩くのは5回ほどまでです。



意識がなくなった場合

直ぐに119番通報と心肺蘇生法を行います。
最後に
咽や咳は体の防御反応ですが、頻繁に繰り返すのであれば、歯科で見てもらうことをお勧めします。当院では、先述の通り月に1度、摂食嚥下障害(食べたものをごくんと飲み込んで食道に送れない障害)の専門歯科医師が指導を行っております。命にかかわることですので、「ただのむせ」と軽く考えず、まずはご相談いただけると歯科医院として嬉しいです。
摂食嚥下訓練をおこなっています!訓練日のご案内 | 船橋市東船橋の歯医者「ビバ歯科・矯正小児歯科」

