新着情報

ロイテリ菌の底力~歯周病治療に大きな効果

こんにちは。千葉県船橋市東船橋にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
先日のブログ『飲み薬と抗カビ剤の歯磨きで歯周病を撃退!?』で歯周内科治療についてご紹介しました。一般的な歯周病治療では成しえなかった“細菌バランスを整え、細菌の質を高める”という歯周内科治療。目から鱗という方も多かったのではないでしょうか。実際に重度の歯周病に悩み当院を受診された方の多くが歯周内科治療を経て、SPT(歯周病安定期治療)へと移行しています。

そして本日は引き続き歯周病治療のお話です。ビバ歯科・矯正小児歯科では歯周病基本治療や歯周内科治療と並行して、必要な患者様にはロイテリ菌の服用をおすすめしております。と言っても、「ロイテリ菌…?なにそれ?」という方もいらっしゃるかと思いますので、順を追ってご紹介させていただきますね。歯周病はその原因となる細菌が、ヒト―ヒト間で感染をする病気ですから、ご家族やパートナーなど生活を共にする方が罹患していればご自身も感染のリスクがあるものです。ぜひ本ブログを最後までご覧いただき、ご自身の健康チェックにお役立て下さいね。

 

口腔内フローラを整えよう

ところでみなさん、“腸内フローラ”という言葉を聞いたことはありますか。これは細菌叢のことでもっと簡単に言うと細菌の集団コロニーのことです。顕微鏡で細菌を観察したときに、それらはまるで植物が群生しているお花畑(フローラ)のように見えることから腸内フローラと呼ばれるようになりました。腸内フローラが整うということは、食べ物を上手に消化吸収したり、腸内の免疫細胞を活性化して病原菌などから体を守ったりすることにつながります。
ちなみに細菌が最も多く住んでいるのは腸ともうひとつ、お口と言われています。そしてみなさんご存じの通り、お口と腸は1本の管でつながっています。これがどういうことか言いますと、お口の中が不衛生で細菌がたくさん繁殖していると、ヒトはそれらを飲み込んでその菌が腸へ届き腸内環境が乱されるということです。すなわち、腸内フローラを健康に整えるのであればまずはお口の中、口腔内フローラを健康に整えることが大切です。口の中の健康が腸内環境ひいては全身の健康に影響するということですね。

 

歯周病治療の助っ人“ロイテリ菌“

それではどのように口腔内フローラを整えていくと良いのでしょうか。まず基本となるのは、日々のセルフケアすなわち歯磨きです。そして歯科医院での定期的なメンテンナンスですね。ただ、それだけではなかなか悪い細菌が減らなかったり、改善がみられなかったりという方にはバクテリアセラピー(Bacterio-therapy)がオススメです。バクテリアセラピーとは善玉菌をコントロールして病気の治療や予防をすることをいいます。別名として菌質管理とも呼ばれるバクテリアセラピーですが、その名の通り、体の中の細菌たちのバランスを良くして菌の質を上げていく治療法です。すなわち悪玉菌の割合を減らし菌質の改善をすることが目的です。
ビバ歯科・矯正小児歯科では歯周病治療の一環として“ロイテリ菌”をつかったバクテリアセラピーを導入しています。ロイテリ菌とは、ヒトの母乳・口腔由来の乳酸菌です。ロイテリ菌はほとんどの哺乳類で存在が確認され、母乳などを通じて母体から赤ちゃんに受け継がれて来た自然な乳酸菌です。宿主に害を及ぼさず、古代からヒトや動物と共存していたことがわかっています。そしてロイテリ菌は、必要な常在菌を抑えることなく、悪玉菌だけを抑制することができるという点で他の乳酸菌には類をみない特別な乳酸菌ともいえます。

 

様々なロイテリ菌

ビバ歯科ではバイオガイアジャパン株式会社さんと提携し、プロデンティス(DSM 17938、ATCC PTA5289)、プロテクティス(DSM 17938)、ガストラス (DSM 17938、ATCC PTA 6475)、の3種の菌株を取り扱っています。これら製品はWHO(世界保健機関)が認めるプロバイオティクスの定義を満たしているため、私たちとしても安心してそして自信をもって患者様にオススメしています。繰り返しになりますが、ロイテリ菌はビフィズス菌などの善玉菌に対しては影響を与えず、悪玉菌を感知したときに働くため、すべての患者様が安心して摂取することができるのです。以下でそれぞれのロイテリ菌株の特徴と効果をご紹介します。

ProDentis(プロデンティス)/口内の菌質と歯ぐきの健康を守る

お口の中に菌が多い人にオススメで、歯磨きの後就寝前に1日1~2錠をゆっくり舐めるだけ!お口の中の菌質と歯ぐきの健康を守ってくれる強い味方です。ミント味のため舐めたあとにお口の中もスッキリ爽快感があります。なおこちらの商品は妊娠中や産後の女性の方でも服用できるので安心してお口の中のケアをすることができます。
【このような方には特におすすめ】

  • 唾液の分泌量が少ない方
  • 歯ぐきからの出血、炎症がひどい方
  • 口臭が気になる方

ProTectis(プロテクティス)/免疫バランスと口内の菌質を整える

ビタミンDが入っているので体の免疫バランスを整えてくれます。疲れやすい人、風邪をひきやすい人にオススメです。1日に1~2錠を噛んでたべるタブレットタイプです。オレンジ味なので服用しやすいのも魅力的です。

Gastrus(ガストラス)/全身の菌質を整え、胃腸の健康を維持する

全身の菌質を整え、さらに胃腸の健康を維持するのに効果を発します。胃腸が弱い人、ピロリ菌をお持ちの方にオススメです。こちらも1日に1~2錠を噛んで食べるタブレットタイプです。味はマンダリンオレンジ味でお薬特有の苦味がなく服用しやすいのが特徴です。

様々なロイテリ菌株、錠形、味と豊富なラインナップでご用意しています。どのタイプがあなたに必要かはお口の中の診療後ご案内させていただきます。ぜひ一度当院まで足をお運びください。

 

実際にロイテリ菌を服用した症例

最後に、当院での歯周病治療と並行してロイテリ菌を摂取した方々の経過をまとめました。

 

Aさん(術前・術後4ヶ月半の比較)

  • 術前 微生物の量が多く、カンジダ菌と思われる大きな線状真菌、活発に動く運動性桿菌類が多く存在しています。

  • 術後 微生物の量が減るとともに活発に動いていた運動性桿菌も激減して静かなコロニーになっています。

Bさん(術前・術後3ヶ月の比較)

  • 術前 Aさん同様に微生物の量が多く、活発な運動性桿菌が多く存在しています。

  • 術後 やはり微生物の量が減るとともに活発な運動性桿菌が減り静かなコロニーになっています。

Cさん(術前・術後1ヶ月の比較)

  • 術前 やはり細菌の量が多く、イトミミズのようなトレポネーマが多く観察されます。

  • 術後 活動性の低いコロニーになっています。

いかがでしたか?
歯周病はブラッシングやプラークコントロール(歯石除去)などの外部からのアプローチも大切ですが、それと並行して体の中からアプローチしてあげることもとても効果的です。ビバ歯科・矯正小児歯科で歯周内科治療の一つとして今回ご紹介したロイテリ菌の服用をおすすめしております。なおロイテリ菌は効果を持続させるために長期に飲み続ける必要があります。これはどのようなサプリメントも同様です。
まずは一度お口の中の細菌たちのバランスを当院にてチェックしてみませんか?位相差顕微鏡検査はお口の中の歯垢や唾液を専用の器具でとるだけなので、痛みはなくその場で確認することができます。ぜひご相談下さいね。

位相差顕微鏡を用いた説明