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むし歯になりやすい人には特徴があります!

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
みなさんこんな話を聞いたことはありませんか?

Aさん
「歯磨き・フロスを毎食後欠かさずしているのにむし歯ができやすい」

Bさん
「歯磨きはササっとするだけなのに、むし歯にならない」

不思議ですよね。オーラルケアを入念にしているAさんがむし歯になりやすく、逆にテキトーにケアしているBさんがむし歯になりにくい。なぜなのでしょうか。

むし歯って何?

まずはむし歯についておさらいしましょう。むし歯というのは感染症の一種です。感染症と聞くと、「インフルエンザ」や「ノロウイルス」、「腸管出血性大腸菌O-157」などが思い浮かぶ方も多いとおもいますが、実はむし歯もおなじです。ミュータンス菌などの細菌がむし歯を引き起こします。

とは言え、“お口の中にミュータンス菌がいる=むし歯になる“というわけではありません。むし歯菌がゼロという人はめずらしく、ほとんどのヒトが常在菌として保有しています。そしてお口の中の悪玉菌として悪名高きミュータンス菌ですが、実はお口の中をキレイにしていれば本来はおとなしい細菌です。しかし、私たちが食事や間食をするたびにミュータンス菌が暴れる原因をつくります。それが食べかす、特に糖分を含む食べかすです。ミュータンス菌は糖分が大好きでそれをエサにして、酸を作ります。そしてこの酸が歯を溶かします。これがむし歯のはじまりです。
※むし歯の仕組みの詳細はブログ『チョコレートを食べるとむし歯になりやすいの?~間食とむし歯の関係』をご覧ください

むし歯になりにくい人の特徴

さてここからは冒頭で投げかけた「歯磨きがテキトーなのにむし歯になりにくい人」の謎に迫っていきましょう。結論から言うと、こういった人のお口の中は、歯を守るためのディフェンス力(防御)に長けている、ということです。それには主に3つのファクターがあります。

 

①強い歯質

歯の表面はエナメル質という人体でもっとも硬い組織でできています。そのため日々の食事で食べ物を咀嚼するのに大活躍のエナメル質ですが、唯一弱点があります。それがむし歯菌の作り出す“酸”です。硬くて丈夫なエナメル質も長時間“酸”にさらされると、徐々に溶け出して穴があいてしまいます。ちなみに清涼飲料水やお酢、柑橘系の果物など酸性が強い食品でも同様です。しかし、歯質が強い人の場合は耐酸機能が高いため、むし歯になりにくいのです

②唾液の働きが活発

むし歯になりにくい人は唾液の分泌量が豊富で、唾液の効能が高いと考えられます。主な働きは次のとおりです。

  • 殺菌・抗菌作用…お口の中の細菌の増殖を防ぐ
  • 浄化作用…歯や歯間に付着した食べかすを洗い流す
  • 緩衝作用…食後酸性に傾いたお口の中を中性に戻し、酸が歯を溶かすのを防ぐ
  • 再石灰化作用…表面が溶け出した歯に対してミネラルを補給し、再石灰化を促す

③歯ぎしり・食いしばりの力が弱い

ほとんどのヒトが睡眠中に歯ぎしり・食いしばりをしています。これは呼吸や嚥下の改善、ストレス発散のためなど様々な理由があります。しかし、これらの力が強いと歯に負担がかかり、歯が欠けたり歯にヒビが入ったりするのです。そして「歯がダメージを負った部分からむし歯になる」ということが最近知られてきました。ところが、歯ぎしり・食いしばりなどの力が弱ければこのような歯へのダメージは少ないため、むし歯になるリスクが下がります。
なお、歯ぎしりと言うと「音」の問題を思い浮かべる方が多いと思いますが、むしろそれに伴う歯の負担やむし歯の原因になることの方が、私たち歯の専門家からすると気になるのです。

 

ここまで読むと「なんだ。生まれもった性質でしょ。ずるいよ!」と諦める方がいるかもしれませんね。
でも安心して下さい。歯質を強くしたり、唾液の働きを促進したりする方法があるのです!

 

歯質を強くするためには?

歯質を強くする方法は次のとおりです。

フッ素を塗る

フッ素は再石灰化を助け、歯のエナメル質を強化します。フッ素配合の歯磨き粉をつかうことはもちろん、歯科医院で高濃度のフッ素を塗布してもらうのもおすすめです。

 

規則正しい生活をする

栄養不足や睡眠不足になると身体の免疫力が弱くなります。すると普段はなんでもない常在菌たちに抵抗する力は弱く、むし歯や歯周病にもかかりやすくなります。

 

むし歯菌を減らす

悪玉菌(むし歯の原因菌)の割合を減らし、お口の中の菌質を改善することが大切です。そのためには、毎食後の丁寧な歯みがきに加えて、ロイテリ菌の服用がおすすめです。ロイテリ菌とはヒトの母乳・口腔由来の乳酸菌です。必要な常在菌には影響を与えず、悪玉菌だけを抑える効果があります。詳しくは以前のブログ『ロイテリ菌の底力~歯周病治療に大きな効果』をご覧ください。

 

食べ物から栄養を摂る

歯自体を物理的に丈夫にするためには、身体の内側から栄養を摂ることが大切です。特に「カルシウム」、「ビタミンA」、「ビタミンC」は歯を強くする栄養素と言われています。なおこの方法については歯の形成時期(歯が生える前や生えかわり時)が有効です。

  • カルシウム…歯の石灰化を助ける
    ヨーグルト・チーズ・豆腐・納豆・ひじき・小魚・キャベツ
  • ビタミンA…エナメル質の土台をつくる
    にんじん・パセリ・海苔・わかめ・ほうれんそう・レバー
  • ビタミンC…象牙質の土台をつくる
    カボチャ・小松菜・ピーマン・ブロッコリー・イチゴ・バナナ

唾液の効果を知るために

ところでむし歯になりにくい人の特徴としてあげた唾液の効能ですが、そもそも自分の唾液について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。なぜなら普段唾液について何かを調べたりする機会はないからです。1年に1度の健康診断でも尿検査や血液検査はおこなっても唾液検査はやらないですよね?でも、実は唾液を調べるための検査は存在します。それが「カリエスリスクテスト」です。カリエスは“むし歯”、リスクは“危険”すなわちカリエスリスクテストとは「自分のお口の中がどのくらいむし歯になりやすいのか」を調べるテストです。ビバ歯科・矯正小児歯科では、特に以下の患者様にカリエスリスクテストをおすすめしております。

 

  • 頻繁にむし歯ができる方

定期的に検診をうけているのにそのたびにむし歯ができてしまう方は、むし歯になりやすい口腔環境の可能性があります。

  • 矯正治療をする方

矯正治療中は矯正装置(ワイヤー・マウスピース等)がお口の中に入るため、食べかすが溜まりやすく、お口の中が不衛生になりやすいです。そのため事前に患者様のむし歯リスクを調べ、予防をします。

 

カリエスリスクテストとは?

主に3つの検査をします。どれも痛みはないため、患者様のご負担はありません。

①唾液の量と緩衝能チェック

1)ガムを噛んで唾液が溜まったら適宜容器に吐き出します。これを5分間続け唾液の分泌量を測定します。
⇒唾液が多くでるほど唾液の作用(抗菌・浄化など)が働いています。

2)専用の試薬で緩衝能を確認します。緩衝能とは食後酸性に傾いたお口の中を中性に戻し、酸が歯を溶かすのを防ぐ働きです。通常お口の中はph6.8~7前後の中性を保っていますが、食後はお口の中が酸性に傾きます。特にphが5.5以下になるとむし歯菌により歯が溶かされるので、いかにお口の中を中性に戻せるかが大切です。
⇒食後の歯がどれくらい早く通常の状態(中性)に戻れるのかを知ることができます。

Phの値が小さい(右側)ほど、緩衝能の働きが低く危険域です

 

②むし歯菌の量をチェック

代表的な2つのむし歯菌についてお口のなかにどのくらいいるのか調べます。
⇒どんな種類の菌が多いのかわかります。結果に応じて適切なむし歯予防策を提案します。

 

1)ミュータンス菌…むし歯のきっかけをつくる菌
舌の表面を擦り取り、37℃に保った機械の中で2日間培養します

※青い粒々の量が多いほど、ミュータンス菌が多い

 

2)ラクトバチラス菌…むし歯を進行させる菌

測定時に溜めた唾液を、37℃に保った機械の中で4日間培養します

※白い粒々の量が多いほど、ラクトバチラス菌が多い。

 

③磨き残しチェック

磨き残しはやがて歯垢となりゆくゆくは歯石となり歯にこびりつきます。しかし乳白色の歯垢は歯の色と似ているため、自分ではなかなか気がつけないのが難点です。そこで歯垢を染め出して磨き残しを調べます。染め出し材は、液状、ジェル状、錠剤など様々ですが、当院ではジェルタイプを使っています。歯に塗布しうがいをすると、磨き残しがある箇所に色がつきます。
⇒歯磨きの仕方の“クセ”を知ることができます。特に磨き残しがでやすいのは「前歯の裏側」、「奥歯の溝」、「歯と歯茎の境目」などです。結果をもとに歯科衛生士が歯磨きの持ち方、当て方などを指導します。

以下が染め出した直後のお写真です。主に3つの色の違いから汚れを判断します。

  1. ピンク色・・・新しい汚れ(細菌の密度が低い)
  2. 濃い青色・・・古い汚れ(細菌の密度が高い)
  3. うすい水色・・酸性度の強い汚れ(歯を溶かす力が強い)

前歯はよく磨けていますが、犬歯(糸切り歯)は歯面全体に汚れが目立ちます。前歯が平面なのに対して犬歯は丸みがあるため、歯ブラシをあてるのに工夫が必要です。歯ブラシを縦にあてて上下に動かすのがよいでしょう。また犬歯の付近はお口を“イー”っと広げたときに歯に唇が被さり気味になるため、それも歯ブラシをあてるのを難しくしている要因です。歯ブラシをもつ手と逆の手で、唇をめくって磨いてあげると歯ブラシが歯面にあたりよく磨けます。

また「歯と歯肉の際部分」や「歯と歯の間」は濃い青色で染まっています。これは古い歯垢、すなわち細菌の密度が高い歯垢です。放っておくと歯石になりセルフケアでは取り除くのが難しくなります。さらにごく一部ですが、うすい水色で染まっている部分があります。これは酸性度が特に強い汚れです。歯を溶かす力が強いので要注意です。

続いてこちらのお写真です。全体的にプラークコントロールが上手でよく磨けています。しかしよく見ると「歯と歯の間」や「歯と歯肉の際部分」には汚れが付着しています。こういった箇所は通常の歯ブラシでは毛先が届きにくい部分です。そのため、タフトブラシやフロスをつかってかき出してあげるのが効果的です。

 

さて今日のお話は以上です。

「がんばって歯磨きをしているのにむし歯ができてしまう」

「歯医者さんで定期検診をうけているのにむし歯がなくならない」

という方は、お口の中がむし歯になりやすい状態である可能性が高いです。ぜひ一度カリエスリスクテストをしてみることをおすすめします。自分のお口の特徴を知りディフェンス能力を高めていきましょう!

 

最後に

「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何?」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです!

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医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
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