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鏡開き~お餅の粘着にご用心!

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

いよいよ明日は1月11日、鏡開きの日ですね。
ところでお正月=お餅のイメージもありますが、なぜでしょうか。
それは平安時代に宮中で行われていた正月行事『歯固めの儀』に由来*するそうです。これはお正月に1年の健康長寿を願い鏡餅や大根、するめなどの固いものを食べる儀式です。歯が丈夫であることは、食事を楽しみ十分に栄養が摂れるということ。当時からも歯の健康が健康長寿につながると考えられていたのですね。
*諸説あり

 

さて、話を鏡開きに戻しましょう。
お正月の三が日が過ぎ、松の内が終わったあとの鏡開きですが、その頃にはお餅がすっかり乾燥してカチカチになっていますね。いくら歯固めとは言え、そのまま食べるのは…難しいですよね。そこで鏡餅をお汁粉やお雑煮、またはかき餅などにしていただく方が多いことと思います。やわらかく煮たお餅は粘り気がもどり、美味しいですよね。しかし長年歯医者さんをしていると、手放しに喜べないのがお餅の季節です。そうです、粘り気が強いお餅は歯にくっつきやすく、こんなお声をよく聞きます。

「センセイ…お餅を食べていたら詰め物が取れてしまいました」

心あたりがある方もいらっしゃるかもしれませんね。突然のことに慌ててしまうかもしれません。もし詰め物が取れてしまったら何をするか、それはすぐにかかりつけ歯医者さんに行くことです。「チョットくらい」、こんな風に思って放置してしまうと後々痛い思いをすることに…。今日は詰め物が取れてしまう原因、そしてその時の対処法についてお話していきます。ぜひ最後までご覧くださいね。

 

なぜ詰め物や被せ物が取れるの?

誤解のないようにお伝えしますが、通常お餅を食べてもそう簡単に詰め物や被せ物が取れることはほとんどありません。しかし次のような場合に取れてしまうことがあります。

  • 経年劣化
    詰め物や被せ物などの人工物、そして装着する際に使う歯科用セメントなどの接着剤は時間の経過とともに劣化して弱くなっていきます。そのためお餅やキャラメルなどの粘着性のある食べ物にくっつくと取れてしまうことがあります。

 

  • むし歯
    むし歯になると歯質が少しずつ溶かされます。そして詰め物と歯の境目に徐々に隙間ができてきます。すると密着していないため、詰め物が取れやすくなるのです。

 

  • 歯ぎしり、食いしばり
    上下の歯をすり減らすこれらの癖は、無自覚のうちに歯に大きなダメージを与えています。そしてすり減った歯には詰め物との間に隙間ができます。その結果、粘着性のあるお餅などの食べ物にくっつきとれやすくなるのです。

  • 薄い詰め物
    厚みが薄い詰め物の場合、歯ぎしり・食いしばりで力がかかり、変形することがあります。変形してしなった状態の詰め物は歯質と密着できていないため、粘着性のある食べ物で取れやすくなっています。

 

詰め物・被せ物が取れた時の対処法

繰り返しになりますが、詰め物や被せ物が取れてしまったらすぐにすることは「かかりつけの歯医者さん」に行くことです。これ一択です。なぜなら詰め物などが取れた歯を放置すると後々に痛い思いをするからです(嗚呼、コワイ)。これについては後ほど詳しく触れますので、まずは取れた時の対処法についてお話しますね。

 

取れた詰め物・被せ物を水道水で洗い、清潔な容器で保管する

状態にもよりますが、取れた詰め物を再度装着できる場合があります。粉々に割れてしまったとなると難しいですが、そうでなければ捨てずに保管しましょう。そしてすぐにかかりつけ歯医者さんに行きましょう。保管の際には小さなタッパーなどの容器に入れるのがおすすめです。ティッシュなどにくるむだけだと変形したり、紛失したりする恐れもあるからです。
とは言え、スケジュールの都合でどうしてもすぐに歯医者さんに行けないこともありますよね。その場合には以下に気を付けて生活してください。

 

【NG集】

  • 自分で適当な接着剤を使い付け直す
    絶対にやってはいけません。歯科用でない接着剤には人体に有害な物質が含まれていることもあるため、口腔内に使うのはとても危険です。また詰め物や歯の状態を確認せず患者様ご自身で付けてしまった場合、ズレて付いてしまい歯や詰め物を傷めたり、うまく嚙めなくなって咬み合わせに影響がでてしまったりする恐れがあります。さらに、そのような状態で密着してしまうと歯医者さんでもきれいに外せなくなり、外す際には健康な歯の部分を大きく削ることになります。そのため、絶対に自分で付け直してはいけません。

  • 固い食べ物を食べる
    詰め物や被せ物が取れた歯は形状が不安定です。そのまま固い食べ物を噛むと、歯が欠けたり、割れたりすることがあります。万が一、歯の根っこが割れてしまったら最悪その歯を失うことも…。できれば詰め物、被せ物の治療がおわるまで、その歯で噛む際は無理をしないようにしましょう。

 

  • 極端に熱いもの冷たいものを食べる、飲む
    歯の神経がむき出しになり、熱いものや冷たいものがしみやすいです。そのため、歯医者さんで治療するまではそのような飲食は我慢しましょう。

 

詰め物や被せ物が取れたまま放置するとどうなるか

さて「詰め物や被せ物が取れたらすぐに歯医者さんに行くこと」と繰り返してきましたが、その理由を最後にお話しますね。

 

むき出しになった部分の歯がむし歯になる

詰め物が取れると歯の内部にある象牙質や神経がむき出しになっている状態です。特に象牙質は歯の表面を覆うエナメル質とは違い、とても柔らかくむし歯菌への耐性があまりありません。さらに詰め物が取れた歯は穴が空いている状態のため、食べかすや歯垢(プラーク)が溜まりやすくなっておりむし歯のリスクが格段に高くなっています。
もう少しわかりやすくするために、皮膚で考えてみましょう。歯は皮膚と同じような構造をしています。詰め物が取れて象牙質がむき出しになるということは、皮膚の上皮が剝がれて下の組織がむき出しになっているのと同じ状態です。想像するだけでも痛そうで顔をしかめたくなりますよね。それくらい詰め物が取れた状態というのは大変なことなのです。

周りの歯が移動し、歯並びや咬み合わせに悪影響が起こる

被せ物が取れるとその部位に大きく隙間ができます。すると前後の歯がその隙間に向かって移動してきたり、普段咬みあっている対の歯が伸びてきたりして、周囲の歯が少しずつ移動してきます。すると歯並びはもちろん、咬み合わせも悪くなり顎関節症などの症状を引き起こすことも考えられます。

残った歯が割れる

詰め物や被せ物が取れると、歯がむき出しになっています。しかもむし歯治療の際に削っているため、健康な歯よりも歯質が少なく弱い状態です。固いものを食べると割れてしまう可能性があります。

 

このように、ちょっとした詰め物でも取れたまま放置すれば歯並びが乱れたり、最悪歯を失ったり、と様々な影響が出てきます。取れたあと痛みがなくても必ず歯医者さんを受診してくださいね。さて、今日は明日に鏡開きが控えているということで、お餅などの粘着性の食べ物をきっかけに起こる詰め物・被せ物のトラブルについてお話しました。歯のことを大切にしつつ、いろんなお餅の食べ方を楽しんでくださいね。

 

*最後に…

冒頭で『お正月には健康長寿を願い、歯を丈夫にするためにお餅を食べた』と言いましたね。長寿とは“年齢”を重ねること。みなさん気が付きましたか?年齢の“齢”の字には“歯”という漢字が含まれていますね。もしかしたらここにも歯と長寿の関係が込められているのかもしれません。

医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
住所 〒273-0002
千葉県船橋市東船橋1-37-10
(タップでGoogleマップが開きます)
電話番号 047-421-0118
最寄り駅 JR総武線「東船橋駅」南口 徒歩30秒
アクセスの詳細はこちら
駐車場 敷地内に5台分の駐車場があります
休診日 水曜(第1週)・木曜(第2週以降)・日曜・祝日