ブログ・かみ合わせ・顎関節症
歯医者さんのあの「カチカチ」何をしてるの?
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
みなさん歯医者さんに行ったときに
「カチカチ噛んで下さい」
「ギリギリして下さい」
と言われ小さな紙を噛んだことはありませんか?
患者様からすると数秒の出来事なのであまり記憶に残っていることも少ないかもしれないですが、実はあの「カチカチ」と「ギリギリ」は歯医者さんにとってはとても大切な治療の工程の1つです。今日はこの“小さな紙”の秘密についてのお話です。ぜひ最後までご覧くださいね。
目次
“小さな紙”の正体は?
さて、まずは小さな紙の正体からネタばらしをしましょう。あれは咬合紙(こうごうし)というもので、その名の通り咬み合わせの高さを調べるための道具です。咬合紙を噛むと、その噛んだ歯の部分にカーボンのインクが付きます。そのインクの付き方の有無で歯が接触している部分と接触していない部分を調べるのです。そして歯が強く当たる部分には濃く色がつくため、歯科医師はその部分を少しずつ削って調整します。ここで注意しなくてはいけないのが歯は削ってしまっては元には戻せないということ。そのため、何度も繰り返しカチカチ・ギリギリをして、咬み合わせが高すぎたり低すぎたりしないかを確認しながら微調整をしていきます。ちなみに色の付き方は主に以下の3パターンがあります。
① …上下の歯が接触していないため、歯に色が付かない
② …上下の歯がスレスレで接触しているためベタっと色が付く
③ …上下の歯がしっかり接触しているため②のように色が付くが、その中央だけ色が付かない状態
なお③のように“色が付きつつも中央だけ色が付かない状態”が理想の咬み合わせです。
ちなみにこの咬み合わせの調整は㎜(ミリメートル)の世界なんかではありません。ズバリ、㎛(マイクロメートル)の世界です。ちなみに、1㎛=1/1000㎜です。お口の中は1㎛のちょっとした咬み合わせのズレでも脳が感知するほど敏感と言われています。例えば私たちのお口の中で1本だけ10㎛すなわち1/100㎜ほど咬み合わせが高い歯があるとしましょう。するとヒトは咀嚼の際に違和感をおぼえると言います。といっても、10㎛を肉眼でみるなんてことは不可能です。(10㎛といえば毛細血管の断面ほどの大きさです…)しかしそれを検知し目に見えるようにしてくれるのがこの咬合紙なんです!どうですか?なんか物凄いアイテムに思えてきませんか?繊細なお口の中を診る私たち歯医者の間では絶対に欠かせない必須アイテム、それが咬合紙です。
咬合紙の種類
ちなみに咬合紙の色は主に赤と青の2種類あり、その用途によって使い分けています。色の使い分けは歯医者さんそれぞれで自由ですが、一方はカチカチと咬んだ状態、もう一方はギリギリと左右に歯ぎしりをした状態をみていきます。
咬合紙はいつ使うの?
咬み合わせの高さを確認する場面で必ず登場します。主に使う場面は以下です。
- 詰め物や被せ物を装着するとき
- マウスピースを調整するとき
- 義歯を調整するとき
- 矯正治療中に咬み合わせのチェックをするとき
他にも、咬み合わせが高い歯や擦れている歯を調べるときに咬合紙を使います。
咬み合わせが悪いことによる影響
先ほどお口の中はとても敏感だというお話をしました。もちろん咬み合わせが悪いと「なんか違和感が・・」というモヤモヤもあるのですが、実はそのモヤモヤが様々な悪い影響を私たちの体に引き起こす可能性があるのです。
頭痛や肩こり
咬み合わせのバランスが悪いと咀嚼に使う筋肉やそれと連動して動く筋肉に負担をかけます。
顎関節に負担がかかる
顎の関節に過度の負担がかかり、「顎がカクカク鳴る」、「口を十分に開けられない」、「顎が痛い」などの顎関節症の症状がでます。
顔貌が変化する
咬み合わせに不具合があると上顎や下顎の突出(出っ歯、受け口)や正中線がずれて左右非対称の顔貌になるなど、お顔の歪みの原因になります。
むし歯や歯周病などのリスクが高くなる
咬み合わせが悪いと十分に食べ物を噛み砕くことができにくいため、唾液の分泌が少なくなります。すると唾液の自浄作用の効果が働かずお口の中の細菌を洗い流すことができなくなり、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。
内臓など消化器官に負担がかかる
食べ物を十分に咀嚼することができないため、胃腸などの消化器官に負担をかけます
発音の妨げ
歯と歯の間から空気がもれたり、舌の位置が定まらなかったりして、発音が不明瞭になります
口臭の原因になる
咬み合わせが悪いせいでお口がきちんと閉じられないと口呼吸の癖がつきます。するとお口の中が乾燥し、雑菌が繁殖しやすくなり口臭がひどくなります。
知覚過敏の原因になる
上下の歯が強くあたりすぎている部位では歯肉退縮が起こりやすくなります。歯肉が下がるということは本来歯肉に守られている歯の根の部分が露出するということです。さらにこの部分は外部からの刺激に弱いので知覚過敏になり痛みがでることもあります。
では理想的な咬み合わせとは?
最後に理想的な咬み合わせについてお話します。歯は通常大人であれば28本(上下の親知らずを含めれば32本)、上の歯と下の歯が嚙みあってお互いに機能してします。そして、歯科的に理想的な咬み合わせは『一歯対二歯咬合』という状態です。
『一歯対二歯(いっし・たい・にし)』の咬み合わせとは上の歯1本に対して下の歯2本が咬みあっている状態をいいます。例えば下のお写真をご覧ください。上顎の歯1本に対し、必ず下顎の歯2本が咬みあっていますよね。これが理想的な咬み合わせ、一歯対二歯咬合です。
もちろんぴったりこの咬み合わせでなくては、必ずなにか問題があるというわけではありません。特に痛みや違和感がなく日常生活に支障がなければ特に気にすることはありません。
ただ、先ほどお伝えした通り咬み合わせは「咀嚼」、「顔貌」、「発音」、そして「全身の健康」に関係しています。疲れが溜まったり、年を重ねたりしていくうちに咬み合わせが悪いことによる影響を受けやすくなることもあります。また逆に言えば、正常な咬み合わせは最高のパフォーマンスをもたらすとも言えるでしょう。
もし咬み合わせで少しでも気になることがあればぜひビバ歯科・矯正小児歯科までご相談くださいね。
最後に
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医院名 | ビバ歯科・矯正小児歯科 |
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