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長引くその頭痛!歯医者さんで解決できるかもしれません

こんにちは。ビバ歯科・矯正小児歯科です。早いもので3月も半分が過ぎようとしています。マフラーに手袋にと防寒対策をしていたのが懐かしいくらい日中は日差しが暖かい日も増えてきましたね。また卒業式シーズンということもあってか花束を片手に友人と元気に歩く子ども達をよく見かけ、微笑ましく感じる今日この頃です。

さて、先日のブログ『あなたのカラダの不調、咬み合わせが原因かも?』で、悪い咬み合わせが私たちのカラダに不調をもたらす、というお話をしました。そんな中、目についたのが読売新聞の以下の記事です。(クリックすると別ウィンドウで開きます)

読売新聞より抜粋(2022.2.5)

 

『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ~♪』と聞けば、「あ、懐かしい!」と思う方も多いことと思います。音楽家の宇崎竜童さんのお話です。宇崎さんは長年片頭痛に悩まされ、市販の痛み止めを服用しても痛みは治まらず辛い経験をされたというお話でした。また当時は片頭痛という病気自体があまり知られておらず、現在よく使われている治療薬もなかった状態とのことでした。宇崎さんのはっきりとした頭痛の原因は書かれておりませんでしたが(*)このブログをご覧になっている方々の中にも同じような悩みを抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。もしかしたら、内科や脳神経外科、もしかすると頭痛外来に通院されている方もいらっしゃるかもしれません。そして、もし長年通院されているのに「症状が緩和しない」、「原因がわからない」といったことがあれば、もしかするとそれ私たち歯医者さんの出番かもしれません。

 

「え?頭なのに、歯医者さん??」

 

このような声が今まさに聞こえてきそうですが、まずが最後まで本ブログをお読みいただければと思います。少しでもあなたのお悩みが解決できるよう一助となれば幸いです。

(*)宇崎さんの頭痛の原因が咬み合わせや食いしばり、歯ぎしりなどにあるというわけではございません。ただ、頭痛の原因の1つとしてこういった歯科での事例がありますので参考にしていただければ幸いです。

 

慢性的な頭痛の主な種類

長期にわたり繰り返し起こる代表的な慢性頭痛は以下3つです。

詳細は医科の専門ですのでここでは簡単に触れますね。

 

片頭痛:頭の片側もしくは両側が脈を打つようにズキズキと痛む頭痛

吐き気を伴うこともあり、光や音、臭いなどに敏感になることもあります。

原因として考えられるのは、「ストレス」、「疲労」、「天候の変化」などです。

 

緊張型頭痛:ジワジワと締め付けられる痛みがある頭痛

片頭痛のように吐き気を感じることはありませんが、後頭部、こめかみ、額などに圧迫感や頭の重さがあります。また首や肩の凝りを伴うこともあります。

原因として考えられるのは、「ストレス」、「顎関節症」、「眼精疲労」などです。

 

群発頭痛:左右いずれかの目の奥がえぐられるような強烈な痛みを伴う頭痛

痛みは1日に何度も繰り返され長いと数ヶ月単位で集中して続きます。また痛みの起こった側には顔面の発汗、目の充血、鼻づまりなどの症状を伴うことが多いです。

原因は解明されていない部分もあるようですが、目の後ろの血管が拡張しその周囲に炎症を起こしそれが神経を刺激するため、と考えられています。また「飲酒」、「喫煙」、「気圧の急激な変化」などは群発頭痛の誘発原因になります。

 

さて、この中で注目したいのが2つ目の緊張型頭痛です。原因の1つに顎関節症とありますね。顎関節症の原因は精神的なストレスや猫背、頬杖などの悪い姿勢など多岐にわたりますが、歯ぎしり、食いしばり、咬み合わせに関する癖も原因としてあげられます。

 

◎顎関節症の原因

  • 就寝時の歯ぎしり
  • 強い食いしばり
  • 悪い咬み合わせ(入れ歯や被せ物が合っていない、歯並びの異常)
  • 顎の酷使
  • 噛み方の偏り(左右どちらか一方で噛むなど)

 

少し話が広がってしまいましたので、図に整理しましょう。

原因をさかのぼると・・・

ただし非常に残念なことに咬み合わせや歯ぎしりなどの口腔内のトラブルが原因で頭痛を引き起こすことは一般的にはまだあまり知られていません。ビバ歯科・矯正小児歯科にお通いになる患者様でもこのお話をすると目を丸くして驚かれます。

確かに、耳が痛ければ耳鼻科、お腹が痛ければ内科、腰が痛ければ整形外科などといったように病院を選びますよね。ただよく考えてみてください。私たちヒトの体は本来1つです。数十兆個ともいわれる細胞が集まり、また器官同士が神経や血管を介してつながっているのです。その場合Aという場所が痛くても「実は原因は別のBにあった」なんてことはよくあることなのです。

例えば以前のブログ『アバウトすぎるヒトの痛覚~あなたが痛いのはどの歯ですか?』で紹介した三叉神経のお話です。三叉神経とは脳神経で脳から3本**に大きく枝分かれし、顔面全体に広がっています。しかし脳に近づくにつれて1本の神経となるため、どこの末端から情報が来ているかわからなくなってしまうのです。

**眼神経・上顎神経・下顎神経

 

咬み合わせのアンバランスがいかに悪影響を及ぼすか考えるのに、足と腰の関係で考えてみましょう。例えば、右足にはスニーカー、そして左足にはハイヒールを履いたと想像してみてください。このまま10分間お散歩してみたらどうなるでしょうか?歩きづらさはもちろん、膝や腰にまで負担がかかりますよね。咬み合わせも同じです。上下の歯の咬み合わせが悪いということは左右にも影響が出てお口の中のバランスが崩れます。咬み合わせの大切さがわかりますよね。

 

さて話を緊張性頭痛に戻しましょう。

咬み合わせの悪さや歯ぎしりは歯だけではなく、周囲の筋肉に絶えず負荷をかけることになります。いわゆる筋肉痛のような状態です。それが頭痛を誘発するのです。

 

歯科での治療方法

当院では主に2つの方法により頭痛改善のための治療を行っています。

  • 咬み合わせの改善

その名の通り、口腔内の咬み合わせを整えます

 

  • 筋肉のリラクゼーション

不自然な負荷がかかり緊張して凝り固まった筋肉組織を弛緩させリラックスさせます

 

それではそれぞれについて詳しくみていきましょう。

 

咬み合わせの改善

マウスピース治療

マウスピースと聞くとインビザラインなどの矯正用のマウスピース、スポーツ時の怪我防止用のマウスピースなど様々な種類があります。

咬み合わせの改善に使用するマウスピースとして一般的なのはナイトガートと呼ばれる睡眠時に使用するマウスピースです。これを口腔内に装着することで、上の歯と下の歯が直接触れ合わないようにします。「歯のすり減り防止」、「歯ぎしりの力の分散」、「顎関節への負荷軽減」などが期待できます。こうすることで、最も自然な正しい咬み合わせ(ニュートラルポジション)に誘導していきます。

更に比較的重症度の高い方はハードスプリントという顎関節症用のマウスピースを使用します。装着することで顎の関節にかかる力を軽くし顎関節への負担を軽減させます。またニュートラルポジションに誘導することで歯全体がバランスよく接触するように咬み合わせを整えていきます。こちらのハードスプリントは健康保険適用外です。

なお患者様のケースによっては補綴治療や矯正治療が有効な場合もございます。

 

筋肉のリラクゼーション

筋弛緩訓練療法

あご周辺の筋肉の緊張を運動療法で弛緩させて、蓄積したストレスを和らげる治療方法です。

代表的な治療法は“カムカムチューブ体操“といって、チューブを上下の歯で噛むというシンプルな運動ですが、とても有効な治療方法です。

 

咬筋ボツリヌス注射

ボツリヌストキシン製剤を筋肉に注射すると、筋肉の働きを抑えることができます。そのため、食いしばりや噛みしめが強い人に適用する治療方法です。

 

トリガーポイントブロック療法

「トリガーポイント」とは、食いしばりや歯ぎしりで発生する痛みのトリガー(引き金)になるポイントのことで、筋肉が疲労した際に硬化した部分を指しています。そのため、トリガーポイントの硬化をほぐして筋肉を緩め血行を良くしていくことで、問題を解消していくことができます。

 

TCH(歯列接触癖)の改善

意識せずに上下の歯を接触させてしまうクセをTCH(Tooth Contacting Habit):歯列接触癖と呼びます。

上下の歯は常に接触していると思われがちですが実際には接触していません。平常時には上下の歯列間に1~3mmの隙間があり、接触するのは食事や会話中のみで1日に17分程度です。

TCHはストレスに影響を受けて発症することも多く、パソコン作業等で日常生活の中のストレスがかかり続ける人に多く見られます。弱い力ではあるものの“塵も積もれば山となる“で長期間力が働き続けることで筋肉に負荷がかかってしまうのです。これを改善することでお口周りの筋肉への負担を減らしていきます。

 

**最後に

いかがでしたか?一言に頭痛といっても、頭痛には種類があること、そしてその原因にお口の中のトラブルが潜んでいる可能性があることがお分かりいただけたかと思います。もし今「医科の病院に通院しても治らない」、「鎮痛剤を飲んで耐えている」などと頭痛でお悩みの方がいらっしゃいましたらぜひ一度ビバ歯科・矯正小児歯科にご相談下さいね。あなたを長年悩ませているその頭痛、私たち歯医者が治せるかもしれません。