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こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

みなさんは“歯周病の患者さん”と聞くと、何歳くらいの方をイメージしますか。なんとなく中高年以上の年代を思い浮かべなかったでしょうか？実は私自身も以前はそのイメージでした。理由はハッキリしませんが、歯周病予防・ケアグッズのCMをみていると出演しているタレントさんが、主に中高年の方々だったように思います。また“歯ぐき下がりや歯ぐきの痩せ”といった歯ぐきの衰えを意識するのがそれくらいの年齢の方が多いことにも理由があるかもしれません。

しかし、実際には歯周病はもっと若い世代の方でも罹患します。もっと言うと10代・お子様でも歯周病に罹患するのです。ちなみに厚生労働省の「歯科疾患実態調査」（平成28年）によると中学生・高校生における歯肉に炎症所見を有する者の割合は19.8％とされています。すなわち中高生のおよそ5人に1人は歯周病予備軍だということです。そこで今日は若者の歯周病について取り上げたいとおもいます。ぜひ最後までご覧くださいね。

 

歯周病とは？

歯周病は歯周病原菌の感染により起こる炎症性疾患です。歯ぐきのキワなどに歯垢が蓄積するとその中の歯周病原菌が歯ぐきに炎症を起こします。すると、歯ぐきが赤く腫れたり出血したりします。そしてさらに進行すると歯周ポケットが深くなり、最終的には歯を支える歯槽骨を溶かしてしまいます。これが歯周病です。以前のブログ『歯周病治療のカギ、「SPT」』でイラスト付きで解説しておりますのでこちらもご覧ください。

 

10代の歯周病（思春期性歯肉炎）

さてここからが本題です。10代の歯周病、その中でも小学校の高学年から中学生にかけての思春期の頃にみられる歯周病についてお話します。この頃の歯周病は「思春期性歯肉炎」と呼ばれます。歯周病の初期の段階です。発症には女性ホルモンの影響を受けやすいため、男子より女子に起こりやすい傾向があります。これについては後ほど詳しくご説明しますね。

 

症状

歯ぐきが腫れてブヨブヨしたり、歯みがきをした際に歯ぐきから出血したりします。また悪化すると、口臭やお口のなかのネバりを感じる子もいます。

原因

・ホルモンバランスの変化

数ある歯周病菌の中に、女性ホルモンを好む菌がいます、“プレボテラ・インターメディア”です。この菌は女性ホルモンを栄養源として繁殖し、働きが活発になります。そのため女子の場合には月経のたびに歯ぐきの炎症が起こりやすくなることもあり注意が必要です。

 

・生活習慣の乱れ

思春期になると家庭外での活動時間が増えます。例えば部活動や学習塾、習い事などです。すると朝昼晩以外の間食が増えたり、忙しくて睡眠不足になったりして生活リズムが崩れますよね。そして「外食時には歯みがきをしない」、「疲れがたまる」という中で、口腔内環境が悪化し歯肉炎になってしまいます。

 

絶対に放置してはいけない

思春期性歯肉炎は重度の歯周病のように歯槽骨を溶かすところまで進行することはほぼありません。しかし、思春期性歯肉炎はゼッタイに放置してはいけません。なぜなら思春期性歯肉炎は、「侵襲性歯周炎」という強烈な歯周病症状を起こすリスクファクターになる恐れがあるからです。

 

一般的に「歯周病」といったときには慢性歯周炎を指しこれは歯周病患者の9割を占めます。そして慢性歯周炎はゆっくりと時間をかけて進行する場合がほとんどです。それに対し、侵襲性歯周炎はその発症頻度は低いものの、発症すると進行スピードが速いのが特徴です。急速に歯周ポケットが深くなり歯槽骨が溶かされます。ゆえに「ちょっと歯ぐきが腫れているだけ」と放置することは危険です。あっという間に歯の動揺がひどくなり、歯が抜け落ちてしまうこともあります。ゆえに歯ぐきに少しでも腫れ・出血があれば早めにかかりつけ歯医者さんで診てもらうようにしましょう。

 

思春期性歯肉炎の治療

思春期性歯肉炎の多くはこの時期特有の一時的なものです。そのため、プラークコントロールにより、歯周病の原因となる歯垢を減らしてあげることが大切です。

 

歯みがき指導

毎日のセルフケアである「歯みがき・フロス」の使い方を確認します。特に歯みがきでは患者様個々に磨き方のクセがあります。「磨けているところ・磨けていないところ」を目でみて確認できるように歯垢染め出し液を利用し、「どんなふうに磨けばよいか」のアドバイスをします。

スケーリング

奥歯の裏や歯が重なって生えているところなどは、歯ブラシだけでは上手に歯垢・歯石を取り除けない場合があります。そんなときはスケーラーと呼ばれる専用器具を使い、蓄積した汚れを取り除いていきます。

 

さて今回は10代の歯周病についてお話しました。「え？こんなに早くから歯周病になるの！？」と驚かれた方も多いこととおもいます。子育て世代のお父さんお母さんはもちろん、まさに今10代を生きる若年層の方がこのブログを読んでいたら、ぜひ今日から歯ぐきのチェックをしてくださいね。大切な歯を守るために、若いうちからのケアを徹底しましょう。

 

最後に

「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何？」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです！

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