ブログ・むし歯(一般歯科)
歯ぐきにニキビ!?
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
みなさんは歯ぐきにニキビのような白いデキモノができたことはありませんか?これはフィステルです。何らかの原因で歯ぐきの内部が化膿しているときに起こる症状です。お口の中のデキモノと言えば、まず始めに口内炎を思い浮かべる方も多いかとおもいますが、口内炎とフィステルではその症状や原因が全く異なります。本ブログでも比較してお話していきますのでぜひ参考にしてくださいね。そしてもし今お口の中にフィステルを疑われるデキモノがあれば、今すぐ歯医者さんに行くことを強くおすすめします。
目次
フィステルって何?
フィステルとは歯ぐきにできるニキビのようなものです。「サイナストラクト」、「瘻孔(ろうこう)」、「内歯瘻(ないしろう)」などと呼ばれることもあります。重度のむし歯などで神経が死に治療をせずに放っておくと慢性的な炎症になり、やがて根っこの尖端に膿が溜まります。その膿を排出するための出口としてできたものがフィステルの正体です。
膿が溜まりに溜まると膜が破れて膿を排出します。そして膿を出し終わるといったん消失し、また膿が溜まるとフィステルができます。この繰り返しです。つまり根本の原因を取り除かないことにはフィステルは自然治癒しません。
なおフィステルは歯の根っこの尖端に膿が溜まっているので、できる場所は歯ぐきの付け根側です。すなわち上顎であれば歯ぐきの上の方、下顎であれば歯ぐきの下の方にできます。またフィステルは触ると柔らかく、痛みがないのが特徴です。
フィステルの原因
主な原因は5つあります。
1.神経まで達したむし歯
むし歯を放置するとむし歯菌が歯根(歯の根っこ)まで浸食し、歯の神経が死にます。さらに放置しておくと歯根の周りに膿が溜まりフィステルができます。
2.不完全な歯根の治療
重症化したむし歯の場合、歯根の治療をおこいます。しかし、その治療が不十分で細菌を取り残してしまうと、その後炎症が起こりフィステルができます。
3.外傷
歯を強打した場合、強い衝撃により歯の神経に炎症が起き、フィステルができます。
4.歯冠・歯根破折
歯ぎしりや食いしばりのような強い力が歯にかかると、歯冠や歯根が割れてしまうことがあります。そしてそこから細菌が入り込み、フィステルができます。
5.歯周ポケットが深い
重度の歯周病の場合、それによりできた膿が歯周ポケットから排出されます。しかし歯周ポケットが閉じていたり、深かったりすると、歯ぐきにフィステルができます。
口内炎とのちがい
口内炎の特徴
原因)
- 過労や疾患による免疫機能の低下
- 生活習慣や栄養バランスの乱れ
- ドライマウス
- ストレス
- 加齢
症状)
- びらん(粘膜の上層が剝がれて、内層が露出した状態)
- 潰瘍(粘膜や皮膚の表面が炎症で崩れ、できた傷が深くえぐれた状態)
- 腫れ
- 痛み
- しみる
発症部位)
- 唇
- 舌
- 頬の粘膜
フィステルの特徴
原因)
- 神経まで達したむし歯
- 不完全な歯根の治療
- 外傷
- 歯冠や歯根の破折
- 深すぎる歯周ポケット
症状)
- 排膿
- わずかな腫れ
- 痛みはほとんどない
発症部位)
- 歯ぐきの根元側
これらが主なちがいです。なお患者様ご自身がもっとも判別しやすいのは「痛み」があるかないかです。口内炎は痛みを伴いますが、フィステルはほとんど痛みがありません。また口内炎は一度治れば同じ部分にできるとは限りません。しかしフィステルは一度消失しても繰り返し同じ部分にできます。いずれにしても見た目だけでいえば口内炎とフィステルはとても似ています。ひとまず、“2週間経過しても治らないデキモノ“があれば早急に歯科医院にいくことをおすすめします。
ゼッタイに放置してはいけません
患者様のなかには「自然に治った」、「潰して膿を出したら消えた」と言って放置する方がいます。しかしそれは治ったわけではありません。一時的に症状を抑えたにすぎません。なぜならフィステルは一度消失しても根本的な原因を取り除かなければ、再発するからです。特に自分でフィステルを潰すということは絶対にしてはいけません。なぜなら傷口から細菌が入り感染を引き起こす恐れがあるからです。
なお、原因となる歯の根っこの先に溜まった膿の袋が大きくなると歯根部や歯槽骨を溶かします。また膿が血流にのって体中に運ばれると、脳や心臓の病気、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などの皮膚疾患、アレルギーの原因などになることもあります。
またフィステルは基本的に痛みがほぼないですが、体の免疫力が落ちた時に腫れや強い痛みがでることがあります。フィステルは一度発症したらほぼ自然治癒はしないものです。そのため、歯ぐきにデキモノを確認したら早急にかかりつけ歯科医院に行きましょう。
フィステルの治療
フィステルを完全に治すには、細菌を徹底的に除去することが必須です。大きくわけて3つあります。
1.根管治療
歯の根っこの治療です。針のような器具をつかい、細菌や細菌に感染した神経を除去し、根管内(神経の入っている管)を清掃・消毒します。根管治療は歯冠部(歯ぐきから上にでている部分)からアプローチします。これにより根っこの炎症がおさまればフィステルは消失します。
2.外科的歯内療法(歯根端切除術)
根管治療が歯冠部からおこなうのに対し、こちらは歯ぐきを切開し、歯の根元側からアプローチします。根管治療で改善が見られなかったり、膿瘍(のうよう)が大きすぎたりする場合にこちらの外科的歯内療法が選択されます。
3.抜歯
歯根破折など歯の根っこが割れていて歯自体の保存が難しい場合には、残念ながら抜歯となります。
最後に
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医院概要
医院名 | ビバ歯科・矯正小児歯科 |
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電話番号 | 047-421-0118 |
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