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こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

みなさんは「舌下免疫療法」という治療を聞いたことがありますか？これは一言でいうと花粉などのアレルギーを克服するための治療です。点鼻薬や点眼薬のように症状を緩和させるのではなく、アレルギーの原因物質（＝アレルゲン）に対して根本的に体を慣らしていきます。しかし、舌下免疫療法を受けられている患者様が歯科治療を受ける際には重大な副作用が起こる可能性があるということはご存知でしょうか？命にかかわることですので本ブログにて注意喚起をさせていただきます。

 

シダキュアと歯科治療

花粉症を治す舌下免疫療法

スギ花粉症に対して行う舌下免疫療法ではシダキュアという薬が使われます。シダキュアはスギ花粉を原料とするエキスから作られている錠剤で、これを舌の下に置き1分間保持してから飲み込みます。これを決められた頻度で服用を続け少しずつ濃度をあげながら体を慣らしていきます。

 

歯科治療での副作用

舌下免疫療法は一朝一夕で終わる治療ではなく、長期に渡っておこなうのが一般的です。そのため治療期間中に歯科を受診することもあるでしょう。しかし以下のような場合には炎症や出血が継続する可能性がありますので注意が必要です。

• 口内炎
• 抜歯
• 歯周病の外科的治療
• その他口腔内に傷がある場合

またお口のなかに創（きず）があると通常の粘膜から吸収される以上に体内にシダキュアが吸収されアレルギー反応を生じる可能性もあります。特に親知らずの抜歯をした場合はアナフィラキシー症状により気道が腫れ窒息死する可能性もあると言われています。

 

お子様への注意点

舌下免疫療法は小児（原則5歳以上）も適応です。その際6歳頃から12歳頃のお子様については特に注意が必要になります。なぜならこの時期は乳歯から永久歯への交換期だからです。乳歯が抜けた直後は出血を伴い一時的にお口の中に傷がある状態になります。また矯正治療をしているお子様も注意が必要です。なぜなら、ブラケット（ワイヤーを通すために歯面につける装置）がお口の粘膜にあたり傷口になっていることもあるからです。

患者様へのお願い

• 治療の際には必ず『おくすり手帳』をご持参ください。
• 問診票には舌下免疫療法をされていることを明記してください。

個人差はありますが、舌下免疫療法は数ヶ月あるいは数年に渡りおこなわれる治療です。そのため次第に“気に留めなくなる”かもしれません。しかし先に述べたようにお口の中に創（きず）がある時にシダキュアを服用すると窒息死する危険性があります。ゆえに受診の際には必ず患者様からの申告にご協力をお願いします。

 

メーカーの注意喚起

参考までにシダキュア®を製造する鳥居薬品株式会社の電子添文情報をご紹介します。特定の背景を有する患者に関する注意として以下のように書かれています。

 

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-9.1.4抜歯後等口腔内の術後又は口腔内に傷や炎症等がある患者

口腔内の状態を十分観察し、本剤投与の可否を判断すること。口腔内の状態によっては本剤の吸収に影響を与えるおそれがある。また、本剤が傷や炎症部位に刺激を与えるおそれがある。

【引用元】
鳥居薬品株式会社: シダキュア スギ花粉舌下錠電子添文情報

https://www.torii.co.jp/iyakuDB/data/pi/cdc.pdf

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なお鳥居薬品株式会社が歯科医師に対して発表した「シダキュアⓇスギ花粉舌下錠」および「ミティキュアⓇダニ舌下錠」 適正使用へのご協力のお願いにおいては「本剤を服用している患者様に窒息を含めて死亡例の報告はございません。また、本剤を服用している患者様が歯科治療後にショックなどの重篤な症状が発症したとの報告もございません。」とあります。ゆえに歯科治療の際にシダキュアを休薬するということは特に必要ないと考えます。しかし、病院やクリニックを受診する際には患者様から舌下免疫療法をしていること、および口腔内に傷があることなどの申告をお願いします。重大な副作用を起こさないためです。もちろん当院においても問診の際には患者様にご記入いただいた用紙および口頭にて確認させていただきます。

 

最後に

「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何？」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです！

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