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こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

 

今日は“12歳臼歯”についてのお話です。12歳臼歯は第二大臼歯のことでここまで生え揃うと永久歯列の完成となります⁂。12歳臼歯は大きな奥歯であり食べ物をすりつぶしたり細かくしたりする役割をすることから、食事の際にはとても重要な働きをする歯です。しかし、「12歳臼歯が生えてこない」という子が意外と多くいらっしゃいます。実際に当院に通われているお子様の中にもそのような事例がありましたので症例写真を使いながらお話していきたいと思います。子育て中の保護者の方にはぜひともお読みいただきたい内容です。
⁂この後は親不知らず（第三大臼歯）が生える人もいます

 

12歳臼歯が生えてこない

第二大臼歯は12歳頃に生えてくるため、12歳臼歯とも呼ばれています。個人差があるので一概には言い難いですが、14歳頃になっても生えてこない場合には何かしらの異常を疑います。ちなみに12歳臼歯が生えてこない原因は主に3つです。

 

萌出遅延

萌出とは歯が生えることです。平均的な萌出時期から著しく時間が経過しているのに該当の歯が生えてこないことを萌出遅延と言います。今回話題の12歳臼歯（第二大臼歯）は12歳頃が目安ですが、同様に初めて生える永久歯の6歳臼歯（第一大臼歯）は6歳頃が目安です。その時期を大幅に超えても生えない場合は萌出遅延が疑われます。

 

先天性欠如

永久歯の本数が生まれつき足りず、生えてくるべき歯が生えてこないことを先天性欠如と言います。分かりやすい例だと親知らずです。「レントゲンを撮ったけど親知らずがなかった！」という場合は先天性欠如です。なお先天性欠如については以前のブログ『歯が足りない～先天性欠如歯』で詳しくお話しています。

 

萌出困難

歯が傾斜して生えたり横向きに生えたりして隣の歯にひっかかり生えてこられない状態です。よく聞くのは親知らずで、隣の歯との間にできた狭い隙間に食べかすや歯垢が溜まりむし歯や歯肉炎になりがちです。（イラストの赤丸部分）

当院に通われる患者様にもこの萌出困難により12歳臼歯が生えてこられない子がいました。しかし外科的処置及び該当の歯を牽引することで正常に生えてこられましたので紹介します。

 

症例事例

主訴：上顎左右の12歳臼歯（第二大臼歯）が14歳8ヶ月になっても生えてこない。ただ下顎は順調に生えてきていたので2年間経過観察をした。しかし上顎の12歳臼歯は歯ぐきの下に埋伏したままであった。

診断：上顎左右の12歳臼歯が共に手前の第1大臼歯の歯根にひっかかっている。そのため12歳臼歯が生えてこられない。

治療方法：12歳臼歯を第1大臼歯とは逆側（口腔内奥側）に引っ張り、かつ手前の第1大臼歯との間に隙間をつくることで生えるスペースを確保する

 

具体的な治療の流れ

1. 開窓術で埋伏している12歳臼歯にボタンを装着（開窓術とは歯ぐきを切開し歯の表面を露出させる処置のこと）
2. ワイヤー付のマウスピースを使用し12歳臼歯を遠心（第1大臼歯とは逆側）に押す
3. セパレーターと呼ばれる直径5㎜程のゴムを12歳臼歯と第1大臼歯の間に入れ、萌出のためのスペースを確保する

治療結果：左右共に12歳臼歯が萌出しました

今回は12歳臼歯が適齢期になっても生えてこない場合の症例をご紹介しました。上記のお子様は当院で矯正治療をしており、定期的な観察をする中で「上顎12歳臼歯の萌出異常」に気が付くことができました。しかし、定期的な検診など歯科医院に通っていない場合には見落とされがちなのが12歳臼歯です。なぜならこの頃は小学校高学年～中学生で「保護者による仕上げ磨きをしなくなる」、「思春期でコミュニケーションが減る」ということがあるからです。また新年度には学校で歯科健診がありますがそこでは一番奥にある12歳臼歯はよく見ることは難しいのが現状です。なぜなら、十分な照明がないかつイスに座ったままの診察だからです。よってむし歯などがない場合にもかかりつけの歯科医院で定期検診をすることはとても大切です。個人差があるものですが、もし歯の生える時期が遅れているようでしたらぜひ一度ビバ歯科・矯正小児歯科までご相談くださいね。

 

最後に

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