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舌が赤くなる「正中菱形舌炎」

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

以前のブログ『喘息と口腔カンジダ症』の中で舌が白く変色している症例をご紹介しました。通常カンジダ菌は常在菌であり他の菌と共存しバランスをとっていますが、そのバランスが崩れるとカンジダ菌が異常に増殖します。その結果、写真のように舌が白く変色してしまうのです。

ちなみに私たち歯科医師は歯だけを診ていると思われがちですが、実はそうではありません。粘膜の異常やデキモノの有無などお口の中全体を隅々まで診ています。そんな中、歯科医師歴40年以上のビバ歯科院長が少し珍しい症例に遭遇したのでご紹介します。その症例の名は正中菱形舌炎です。

▲口腔カンジダ症

正中菱形舌炎とは?

      ▲正中菱形舌炎

正中菱形舌炎(せいちゅうりょうけいぜつえん)という言葉、聞いたことがあるでしょうか?これは舌中央部の奥側付近が菱形もしくは楕円形に赤くなる疾患です。本来、舌には舌乳頭(ぜつにゅうとう)と呼ばれる小さな突起が多数張り巡らされています。そのため舌表面がザラザラしています。しかし、この乳頭が何らかの原因により消失するとそこだけ平滑でツルツルになり、赤い菱形(もしくは楕円形)が浮かび上がります。

なお病名に“舌炎”と付くので「舌に炎症が起きている?」と思われがちですが、厳密に言うと発症時に炎症は起きていません。そして痛みやしびれのような自覚症状もないため、基本的には経過観察し自然治癒を待つことがほとんどです。しかし二次的に炎症が起こると、疼痛や腫脹が生じる場合もあります。なおカンジダ菌が原因である場合もあり、その際には抗真菌薬を処方することがあります。

先ほどの写真(正中菱形舌炎)の患者様には溝状舌(舌表面の深いシワ・溝)も確認でき、その原因はドライマウス及びお口全体の清掃不良と考えられます。またカンジダ菌の感染も疑われたため、ファンキゾンシロップ(抗真菌薬)を処方し、それを舌ブラシにつけて1日3回磨いていただくようにしました。その結果、赤みが消失して改善が見られました。

今回は炎症で舌が赤くなる疾患の1つ「正中菱形舌炎」についてご紹介しました。しかし舌の病気は様々でまたその原因も多岐に渡ります。よって毎日1回は自身のお口の中を観察し、なにか違和感があればできる限り早めにかかりつけの歯医者さんに相談しましょう。病気は早期発見早期治療が大切です。

最後に

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