新着情報

治療前のうがいはナゼやるの?

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
歯医者さんに行ったとき、チェアに座って最初にやることって何ですか?おそらく多くの人が“うがい”と答えるのではないでしょうか。実際ビバ歯科でも治療前には必ず患者様にうがいをお願いしています。ではなぜうがいを勧めるのでしょうか。今日はその疑問に答えていきます!

うがいをする理由

ビバ歯科では次の目的で治療前のうがいを患者様にお願いしています。

飛沫感染の防止

歯を削る際には患部に水をかけながら削ります。この理由は高速回転するコントラアングルやタービンと歯の摩擦熱から歯や歯髄(しずい:歯の神経)を守るためです。しかしこの時気になるのがエアロゾルの発生です。エアロゾルとは水しぶきや粉塵など空気中に浮遊している粒子のことで、歯科治療では、唾液・血液・切削片などを含みます。治療中の口元を思い出していただくとイメージがつくと思うのですが、何となく水しぶきが飛んでいませんか?あれがエアロゾルです。エアロゾルに含まれる血液などの体液は感染リスクが高く、さらに唾液中には無数の口腔内細菌が含まれています。ゆえに歯科医師・歯科衛生士などの術者はもちろん、患者様への感染リスクを低減するために抗菌作用のあるお薬でのうがいをお願いしているのです。なお当院では口腔外バキュームも使用しています。こちらはエアロゾルを吸引し、治療中に発生する飛沫が空気中に拡散するのを防ぎます。

▲口腔内バキューム

菌血症の予防

本来血液中は無菌状態ですが、何らかの原因で細菌が傷口から血液中に侵入することがあります。これが菌血症です。 特に歯科では外科的処置(インプラントや抜歯等)や歯石取りなど出血を伴う場面で、菌血症のリスクがあります。しかし菌血症は一過性の症状で通常であれば免疫機能により細菌は消失します。また外科的処置の際には抗生物質が処方されるため、それを服用していれば特に心配はありません。しかし抗生物質の服薬を怠ったり、術部が不潔な状態であったりした場合には菌血症が重篤化し、敗血症につながるリスクがあります。そしてこれは多臓器不全を引き起こすなど命の危険が高まります。そのため事前に抗菌作用のある薬でうがいをして口の中の細菌を減らすことで菌血症のリスクを抑えています。

術部の感染防止

抜歯や歯茎の切開を伴う処置では傷口が細菌に感染することがあります。よって細菌感染や炎症抑制の目的から抗菌作用のあるうがい薬の使用をお願いしています。他にも口の中の食べかすや汚れを洗い流すことで、歯や歯茎を見やすくする目的もあります。ただこれらはうがいだけでは除去しきれないので、歯科医院に来る前には歯磨きをしていただくのが1番です。歯科医師が正確な診断をするためにも大切なのでぜひご協力ください。

ビバ歯科で使用しているうがい薬

当院では写真のベンゼトニウム塩化物うがい液0.2%「KYS」を使用しています。こちらは細菌や真菌類に抗菌作用があるものです。なおこちらのうがい液は観血処置(抜歯・手術等)を行った際に処方もしています。理由は上記同様、口の中の細菌を抑えるためです。

ちなみにうがい薬として有名なコンクールF(クロルヘキシジン)やイソジン(ポピドンヨード)などの方が殺菌力は高いです。しかしこれらはアレルギーやショックのリスクが高いため、当院ではベンゼトニウム塩化物うがい薬を使用しています。

さて今日は歯医者で最初にする“うがい”の目的についてお話しました。様々な感染リスクを最小限に抑えるため、患者様方にもうがいをしていただき感染予防にご協力いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。