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【雑学】歯は骨に分類される?
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
突然ですが皆さんに質問です。
足を骨折しても治ることがほとんどですが、歯は折れたら戻ると思いますか?
答えはNOです。
なぜなら、骨は自ら再生する能力が高い組織ですが、歯はほとんど再生できない組織だからです。
「歯って白っぽいし骨の一部なんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、医学・解剖学的には「器官(臓器)」であり、その中に硬組織と軟組織が含まれているというのが最も正確な表現です。
今回は雑学です!もう少し詳しく歯と骨の違いを見ていきましょう。
骨折が治る仕組み
例えば、足の骨が折れると、
1、出血して血腫ができる
2、骨芽細胞が集まる
3、仮骨が形成される
4、元の骨に近い状態へ再構築される
という流れで治癒します。
骨は常に骨を作る細胞(骨芽細胞)と骨を壊す細胞(破骨細胞)が働いており、一生リモデリング※を続けています。
※リモデリング:古くなった骨を壊し(骨吸収)新しい骨に作り替える(骨形成)という、体内で絶えず行われている骨の新陳代謝のプロセスのこと。

歯がくっつかない理由
歯の大部分を占める象牙質やエナメル質は、
・象牙質→再生能力が極めて低い
・エナメル質→細胞が存在しない
という特徴があります。
一度折れた部分に新しい歯質を作って修復する能力がほぼありません。歯は口の中にあり、細菌が多い環境にさらされているため、折れた部分を自然に修復することが難しく、その結果、炎症が慢性化してしまいます。
エナメル質は口腔内、すなわち体の外に露出している唯一の硬組織です。一方、骨は必ず皮膚や筋肉などに守られた体内に存在しています。そのため、骨は無菌に近い環境で修復できますが、歯は細菌に常にさらされるため、同じように自然治癒することができません。
骨はもともと再生する力を持っているので折れてもくっつきますが、歯は骨と違って再生能力がほとんどありません。特にエナメル質には細胞が存在しないため、一度失われたエナメル質を自分の力で再生することはできません。さらに、歯のヒビや割れ目には細菌が入りやすいため、自然に元通りくっつくことは難しいのです。
歯は何で出来ている?
歯は主に4つの組織からなります。
エナメル質(人体で最も硬い組織です。約96%が無機質で、骨よりも硬いです。)
↓
象牙質(歯の主体となる組織です。骨に近い硬さですが、構造は別物です。)
↓
歯髄(歯の中央にある空洞に詰まっている軟らかい組織で、「歯の神経」と呼ばれています。他にも血管やリンパ管、免疫細胞も豊富に含まれており、歯の健康を保つための「命」のような重要な役割を果たしています。)
↓
セメント質(根の表面を覆う組織です。骨に似ていますが、やはり骨ではありません。)
それぞれ骨とは性質が異なります。

骨と歯の違いを表にまとめました。
| 骨 | 歯 |
| 骨芽細胞・骨細胞が存在する | エナメル質には細胞が存在しない |
| 一生リモデリングする | 基本的にリモデリングしない |
| 骨折すると再生する | 欠けても元に戻らない |
| 血管が豊富 | エナメル質には血管がない |
| 柔軟性がある | 非常に硬い |
では、エナメル質に細胞が存在しないのなら、どうやって人の体から歯が生成されるのでしょうか?
答えは、エナメル質を作る細胞(エナメル芽細胞)は歯ができるときには存在するが、歯が完成すると消えてしまうからです。
歯が作られる胎児期から乳幼児にかけて、歯胚(しはい)の中でエナメル芽細胞と象牙質芽細胞が分化します。エナメル芽細胞は歯冠の表面にエナメル質をどんどん分泌していきます。歯が完成して萌出すると、エナメル芽細胞は役目を終えます。
その後、アポトーシス(細胞死)、退縮、上皮への変化を経て消失します。つまり、成熟した歯の表面にはエナメル芽細胞が存在しません。そのため、むし歯で溶けたエナメル質、欠けたエナメル質を新たに作る細胞が体内に残っていないのです。
一方で、象牙質芽細胞は歯髄内に生涯残っています。そのため、第二象牙質、第三象牙質(修復象牙質)を作ることができます。例えば、浅いむし歯では、歯髄が防御反応として象牙質を増やすことがあります。しかし、エナメル質のような硬くて規則正しい組織を再生することはできません。
ここからは少しマニアックな話になりますが、実は発生学的にも違います。
・骨→主に中胚葉由来
・歯(エナメル質)→外胚葉由来
・歯(象牙質・歯髄)→神経堤細胞由来
つまり、成り立ちそのものが異なります。
ちょこっとメモ~サメの歯はなぜ何度も生えるの?~
人間とは違い、サメなどの動物は歯を作る幹細胞が生涯維持されています。そのため、新しい歯を繰り返し作れます。一方、人間は永久歯が完成すると歯を作るプログラムが終了するため、基本的に「第三の歯」は生えてきません。

まとめ
・エナメル質はエナメル芽細胞が作る
・エナメル芽細胞は歯の完成後に消失する
・そのためエナメル質は基本的に再生しない
・象牙芽細胞は残るので象牙質は少しだけ再生できる
・骨が治るのに歯が治らない最大の理由は、「組織を作る細胞が残っているかどうか」の違い
歯は骨とは見た目が似ていますが、再生能力や成り立ちは全く異なります。だからこそ、一度失った歯は元通りには戻りません。毎日のセルフケアと定期検診で、大切な歯を守っていきましょう。
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