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歯科治療とアナフィラキシー

こんにちは!ビバ歯科・矯正小児歯科です。

 

日本国内でも新型コロナウイルスのワクチン接種が2月から始まり、今月12日からは65歳以上の高齢者に対する優先接種が始まりましたね。それに伴い、『接種後にアナフィラキシー症状が出た』という報道も多く聞かれるようになりました。ただ、新型コロナウイルスのワクチンについて言えば、欧米と比べて日本の報告数が多いのは“報告基準の違い”が影響しているようです。こちらの記事によると、最初に報告されていた中には、世界基準ではアナフィラキシーに該当しないものも含まれていたそうです。とは言え、アストラゼネカ社のワクチンによる血栓症(血管に血の塊がつまること)の事例など、やはり副反応は気になるところですよね。そこで今回は歯科治療とアナフィラキシーの関係についてお話したいと思います。

 

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まずは、アナフィラキシーという言葉の定義をおさらいしましょう。

 

アナフィラキシーとは?

アナフィラキシーとは重いアレルギー反応のことで、発症後極めて短い時間のうちに全身にあらわれます。アレルギーの原因物質に触れる、食べる、飲む、吸い込むなどすると引き起こされ、複数の臓器(粘膜、皮膚、呼吸器、循環器など)や全身に症状がでます。食物でいえば、小麦、蕎麦、鶏卵等は有名ですね。また蜂に刺されることで引き起こされることもあります。これらに過敏に反応する人は、摂取後に顔や体にポツポツとじんましんが出たり、のどがイガイガして嘔吐したりすることがあります。更に重症化した場合をアナフィラキシーショックといい、血圧低下や意識障害、失神を伴うこともあり迅速かつ適切な治療をしなければ命にかかわることもあります。

 

 

歯科治療とアナフィラキシー

さて、歯科治療におけるアナフィラキシーの可能性についてお話していきますね。具体的には歯科用薬剤(消毒薬・局所麻酔・内服薬)、歯科材料(グローブ・修復処置に使用する金属)が原因となる可能性があります。下に例をあげていきます。

 

  • クロルヘキシジン

クロルヘキシジン(CHG)は歯みがきジェルや洗口液に含まれており、口腔内での貯留性に優れています。プラーク(歯垢)に付着し殺菌効果が持続的に働きますので、歯周病やう蝕、口臭防止にも効果絶大です。しかしながら、重大な副作用としてアナフィラキシーがあげられており、諸刃の剣です。実は、かの有名なオロナイン軟膏にも配合されていますので、CHGに対し過敏症等の既往歴のある方は注意が必要です。

 

 

  • メチルパラベン

メチルパラベンは保存剤として“局所麻酔薬”に含まれていることがあります。むし歯を削ったり、歯を抜いたりする時に注射する“アレ”ですね。防腐作用があることから医薬品の他に、化粧品・食品などの保存剤にも使用されているため感作される頻度が高いとされています。そのため、ビバ歯科・矯正小児歯科ではメチルパラベンを含有していない局所麻酔薬を使用しております。

 

 

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もし過去にアナフィラキシーを起こしたご経験がある場合には必ず治療の際に歯科医、歯科衛生士にお伝えください。またそうでなくても、治療中に少しでも異変(動悸がする、気分が悪い)を感じたら必ずお伝えください。よく歯医者さんに「何かあれば手をあげてくださいね~」と声を掛けられることがあると思います。しかし「このくらいで手をあげていいのかな?先生の治療の邪魔をしちゃうかな」と悩み遠慮をしてしまう患者様が多いです。

 

いいんです、いいんです!!少しでも違和感を覚えたら必ず共有してください!

それが患者様の安心・安全の治療につながるのですから!

 

ちなみに、麻酔後に動悸がするのは歯科では少なくありません。歯科治療では患者様からは見えない口の中を治療しているため、どうしても不安や恐怖によるストレスを感じやすい環境です。そのため副反応とは無関係にそのストレスから動悸を感じることもあるのです。しかし多くの場合が時間経過で改善しますので、落ち着くまで一緒にお話ししたり休んだりしましょう。

 

なお、当院ではそのような状況でも適切に対応できるよう生体モニターを導入しています。血圧・脈拍・呼吸・動脈血酸素飽和度・心筋酸素消費係数・心電図などの様々なバイタルサインを測定するハイスペックなものです。異変を感じた場合にはこちらで確認もできますので少しでも安心して治療に専念できればと思います。