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嗚呼、かんちがい~歯のお引越し

こんにちは!ビバ歯科・矯正小児歯科です。

 

日々、お子様から大人の方まで幅広い年齢層の患者様とお話しておりますと、“都市伝説”のような歯のお話を耳にすることがあります。そこで、患者様が勘違いしがちな“お口の中&歯のお話“について『嗚呼、かんちがい』と称し、不定期にブログでご案内することにしました。正しい知識を身に付けご自身の大切な歯を私たちと二人三脚で守っていければと思います。

 

さて、記念すべき第1弾はこちらです!(ジャジャジャジャーン♪)

 

👻『何もしなくても歯は移動する』

 

いかがでしょうか。最近歯科医院に行かれていない方は特にドキっとしたのではないでしょうか?詳しくお話していきますね。

まずイメージするのが、矯正治療による歯の移動ですよね。ビバ歯科・矯正小児歯科でもワイヤー矯正、床矯正、マウスピース矯正、ランパセラピーなどを行っておりますが、矯正装置を装着することで意図的に歯を移動させていくものです。矯正装置によって外部から力を加えることで骨の吸収と再生が繰り返されて少しずつ歯が移動していくのです。もちろん一気に動かしてしまうと歯根や骨にダメージを与えてしまうため歯科医師の綿密な治療計画のうえで動かしております。その他もっと身近なお話として、指や鉛筆を噛む癖のあるお子様の前歯は少しずつ上顎前突(じょうがくぜんとつ)すなわち出っ歯になりがちです。このように、決まった方向に持続的な力が加えられた場合に歯は移動するのです。

 

 

・・・・気が付きましたでしょうか?

これらの例は “意図的に”、“持続的な力”が働いて歯の移動が起こっています。

 

しかしながら、先ほど私は“何もしなくても歯は移動する”と書きました。

実は、外部から力が働くことがなくても勝手に歯が動くのです。

 

そう考えると、

「え?じゃあ明日目が覚めたら上の歯と下の歯がひっくり返っているの?」

なんて思いますが、さすがにそんなことは起こりません。しかし次のような条件下では歯が移動します。

 

  • 上下で噛み合わさっている奥歯のうち、どちらかの歯が抜けてしまった場合
  • 被せ物が取れたまま放置している歯がある場合
  • むし歯で大きな穴があいている場合
  • 隣の歯が抜けてそのまま放置している場合
  • 親知らずのように、ある歯が前の方の歯を押していく場合

 

つまり、歯を取り巻く力のパワーバランスが崩れた時に、歯は次の安定をもとめて移動するのです。

 

これらの口腔環境の場合、歯が抜けた隙間やむし歯の穴など“空間”があるため、その空間に向けて

咬み合わせの一方の歯がニョキニョキと移動していきます。例えば下の歯が抜けたにも関わらず、適切な治療をせず長年放置した場合、その空間に向けて上の歯がニョキニョキと移動してきます。

 

下のお写真をご覧ください。上は移動前、下は移動後です。

★印のついている歯が下にむかって移動していますね。噛み合わさっている下の歯を抜いたあと10年ほど経過しており、明らかに移動している様子がわかります。

 

 

 

 

さて今このブログを読んでいて心あたりのある方はいらっしゃいませんか?

歯が抜けたり、銀歯の被せ物が外れたりしたまま放置している方がいらっしゃるのではないでしょうか?

 

そして、こう思ってはいませんか。

「1本歯がないけど、他の歯があるし困らないや」

 

いいえ、ちがうのです。

「1本歯がないからこそ、他の健康な歯までがダメになる」のです。

 

どういうことでしょうか。

まず歯が動くことで、上下の歯の咬み合わせが悪くなります。もちろん目に見えてすぐに動くわけではないですが、毎日少しずつ確実に動いています。そのため自分が口腔内の異変を感じた時には他の健康な歯にまで悪影響が及んでいるところまできているのです。また症状が悪化すると顎の位置までがずれて顎関節症などにつながり更なる治療が必要になる場合もあります。

 

“見て見ぬふり”をしたがゆえに時間もお金もかかってしまうことになります。よって、歯に欠損がありかつ以下のような症状がある方は今すぐ歯科医院で診察をうけて下さい。

 

  • 差し歯がとれた
  • 以前より歯並びが悪くなった気がする
  • 顎関節症のような症状がある(口を大きく開けられない、口の開閉時に音がする等)
  • 抜けた歯をそのままにしている
  • 親知らずをそのままにしている
  • すり減った入れ歯をずっと使い続けている
  • 指しゃぶり、鉛筆舐め、舌を出すなどの癖がある

 

このブログをご覧いただいている今その瞬間も、あなたのお口の中で、あなたの大切な歯たちが、ミシミシとお引越しをしているかもしれません。そう考えると毎日自分のお顔の状態をみるように、お口の中も鏡で覗いて様子をみてやるとよいですね。

 

 

🦷歯の豆知識🦷

今回のように上下の咬み合う歯の一方がなかったり隣の歯がなかったりすることが原因で、歯が本来の位置から移動したり突出したりすることを“挺出”(ていしゅつ)や“傾斜”といいます。

ご家族やご友人、職場の同僚の方などこういった心配のある方がいらっしゃれば、ぜひこのブログをご紹介下さい。1本でも多くご自身の歯の健康を守るために、多くの方に正しい歯の知識がいきわたることを願っております。