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お口の中に水ぶくれ?~粘液嚢胞

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
お口の中に水ぶくれができたことはありませんか。一見すると口内炎のようだけれども痛みはなくプクっとした水ぶくれ状のもの・・。もしかしたらそれ『粘液嚢胞(ねんえきのうほう)』かもしれません。

 

粘液嚢胞ってなに?

唾液の排出が上手くいかないことによりできる袋状のできものです。内容物は唾液のため水ぶくれのように見え、ほとんど痛みがなく触っても周りの粘膜のように柔らかいのが特徴です。下唇や頬の粘膜、舌にできることが多いです。

ところで、私たちの皮膚には汗腺がありそこから汗を出すことによって体温調節をしていますね。それと同様に顔周りには唾液腺があり、そこで唾液を作り分泌してお口の中を守っています。ちなみに唾液腺は2種類あります。まずは大唾液腺です。先日のブログ『ドライマウスは命にかかわります』で唾液腺マッサージのポイントでご紹介した①耳下腺、②顎下腺、③舌下腺、これら3つが該当します。
次に小唾液腺ですが、唇、舌、頬の粘膜、口蓋(上顎の粘膜)などに広く分布しており600~1000個存在します。お口は1つなのにスゴイ数ですよね(笑)

これら唾液腺からは正常であれば1日に1~1.5リットルもの唾液が分泌され、私たちのお口の中を乾燥や細菌から守っています。ところが、この小唾液腺から唾液の排出がうまく行われないと唾液が詰まったり、もれたりして粘膜の下に溜まってしまいます。これが粘液嚢胞です。排出が上手くいかなくなる原因は粘膜の炎症、唇や舌を誤って噛むもしくは悪癖などの習慣、歯列不正などにより歯の先端が粘膜を刺激することなどが考えられます。
なお発症年齢としては幼児・小児の低年齢層から成人までほぼ均等して多くみられますが、50歳以後の発症は少ないようです。また発症部位は先述の通り下唇や頬の粘膜、舌などが多いものの、小唾液腺のあるところであればいずれの部位にも発症する可能性があります。

粘液嚢胞の治療

粘液嚢胞は小さいうちは放っておいても何かの拍子に嚢胞が破れ、しぼんで消失することもあります。しかし多くの場合数日で再び唾液が溜まり嚢胞が再発してしまいます。そのため残念ながら自然治癒をすることはほとんどありません。ちなみに粘液嚢胞ができては破れてを繰り返すと少しずつ表面が硬くなり白っぽくなっていきます。更に、はじめは大きさが5mm前後が大多数ですが、大きくなっていくと直径が1㎝ほどにもなり色は青紫色がかった色になってきます。自然に治癒することはほとんどなく、繰り返すことによって硬くなり袋状でなくなることもあるため、最終的には外科的に切除することが多いです。切開をして唾液などの内容物を排出しただけでは再発することもあるため、粘液嚢胞の原因となった小唾液腺そのものも摘出します。局所麻酔で外来での処置のため特に入院等は必要ありません。摘出後は切開部分を縫合し10日ぐらいで抜糸して終わりとなります。ただ再発を予防するためには唇を噛んだり吸ったりするなどの悪癖の改善、歯や被せ物があたるのであればその治療等も併せて行っていく必要があります。ちなみに粘液嚢胞の患者様からよくご質問をうけるのですが、粘液嚢胞は腫瘍ではないので悪性化することはありません。そのため生活に支障がない程度の大きさであればしばらく経過観察で大丈夫です。

 

ちなみに…
実はブログの筆者自身もつい先日下唇の裏側に粘液嚢胞ができました。始めは口内炎かと思って院長に診てもらったところ粘液嚢胞と診断。その後お昼ご飯を勢いよく食べたのが原因なのかいつの間にか破れてしまったようで、気が付くと跡形もなく消失しておりました。現在のところ再発はないですがしばらくは経過に注意したいと思います。みなさんももし下唇の裏側や頬に同じような水ぶくれの症状を見つけたら、念のためかかりつけ歯医者さんで診てもらうことをおすすめします。

医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
住所 〒273-0002
千葉県船橋市東船橋1-37-10
(タップでGoogleマップが開きます)
電話番号 047-421-0118
最寄り駅 JR総武線「東船橋駅」南口 徒歩30秒
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駐車場 敷地内に5台分の駐車場があります
休診日 水曜(第1週)・木曜(第2週以降)・日曜・祝日