ブログ・口腔外科
お口のなかのコブ、放置して大丈夫?
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
タイトルにある「コブ」。コブといえばおでこの「タンコブ」を思い浮かべる人も多いと思います。でも実はお口のなかにもコブのような硬い膨らみができることがあるんです。
以下のお写真をご覧ください。歯ぐきがもっこりと腫れたようにみえますよね。これは『骨隆起』(こつりゅうき)という病気です。その名のとおり骨が過剰にもりあがった状態をいいます。ある日自分のお口のなかにコブがあったらびっくりしますよね。当院にも慌ててご相談にきた患者様が何人もいらっしゃいました。お口のなかのコブ、「骨隆起とは何なのか」、「身体に害はあるのか」、そして「その治療方法は?」、今日はこれらのお話をしていきます。ぜひ最後までお付き合いくださいね。
目次
骨隆起とは
骨隆起とは、骨が過剰に成長してもりあがった状態をいいます。すべて骨のため触るととても硬いのが特徴です。しかし腫瘍のように身体全体に広がるものではないため、身体に害を及ぼす心配はありません。また一見すると歯ぐきが炎症をおこして腫れたようにみえるかもしれませんが、歯ぐきの炎症ではありません。そのため、骨隆起があっても生活に支障がない限りは“治療をする必要はない”です。
ただし小さな膨らみのままその大きさを保っている場合もあれば、時間の経過とともにだんだんと大きくなる場合もあります。またいったん骨隆起が起きるとそれが自然と小さくなるということはありません。そのため原因を突き止めて対処することが大切です。
骨隆起ができる場所
上顎:口蓋隆起(こうがいりゅうき)
お口の天井部分を歯科用語で口蓋(こうがい)と呼び、そこにできる骨隆起を口蓋隆起といいます。真ん中付近にポコッと1つだけできることもあればお写真のように、ボコボコと複数膨らみが見えることもあります。比較的奥まったところにできるため「コブが大きくなってから気が付いた」という方も多いです。なお口蓋隆起は食事の際に注意が必要です。なぜなら骨隆起の上の粘膜はとても薄くなっているため、熱いものを食べるときに火傷をしたり、粘膜を傷つけて口内炎になったりすることが多いからです。
下顎:下顎隆起(かがくりゅうき)
下の歯の内側にもっこりと膨らみがみえます。これが下顎隆起です。半球状で左右対称にできることが多いです。この位置の骨隆起が大きくなると舌の可動域が狭まり、話しにくさを感じることもあります。また睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります。(詳しくは後述)
歯ぐき:歯槽隆起(しそうりゅうき)
歯は歯槽骨(しそうこつ)という骨に支えられています。その歯槽骨が膨らんだものが歯槽隆起です。歯に沿うように歯ぐきがボコボコともりあがり、上下両方にできるのが特徴です。お口を動かした時に粘膜と擦れて痛みを感じることがあります。
骨隆起の原因
主な原因は就寝中の歯ぎしり食いしばりによる“強い力”です。歯は歯槽骨という骨に支えられています。その歯槽骨に強い力がかかり続けるとやがて骨が膨らみます。これが骨隆起です。なお遺伝的な要因などもあるとされています。発症年齢は成人以降に多く、やや女性に多くみられる傾向があります。
治療すべきか否か
繰り返しになりますが、骨隆起は腫瘍のように人体に悪さをするものではありません。そのため必ずしも治療が必要なものでもありません。ただし、以下のように生活に支障がある場合には、治療を前向きに検討していただくのがよいとおもいます。
会話に支障がでる
お口のなかに出っ張りがあるあので、「話しづらさ」を感じることがあります。
食事の際に痛みがでる
硬いものを食べるときに出っ張り部分があたり、粘膜を傷つけてしまうことがあります。
入れ歯の装着時に邪魔になる
入れ歯を装着するにはお口のなかにピタッと密着させる必要があります。しかし骨隆起の出っ張りが、入れ歯の装着を邪魔することがあります。また骨隆起は骨の上に薄い粘膜が一層覆っているのみなので、入れ歯をいれると入れ歯と骨があたって痛みを感じる場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群の症状がある
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に幾度となく呼吸がとまってしまう病気です。この病気はその原因から3つのタイプにわけられますが、その中で罹患者の9割以上を占めるのが閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea :OSA)です*。これは空気の通り道である気道が物理的に狭くなり、結果的に呼吸がとまるという病気です。そして骨隆起とりわけ下顎隆起がある方は舌がお口の後方に位置するようになるため注意が必要です。なぜなら後方に追いやられた舌はノドをふさぐようになり、空気の通り道が狭まってしまうからです。骨の増殖が進み隆起が大きい場合にはこのような睡眠時無呼吸症候群の発症もしくは重症化の恐れがあります。
*睡眠時無呼吸症候群の詳しいお話は以前のブログ『たかがイビキ?本当は怖い睡眠時無呼吸症候群』をご覧ください。
治療方法
残念ながら発達した骨が自然に小さくなることはありません。ビバ歯科では患者様の症状とご希望にあわせて以下の治療をご案内しております。
予防するなら『マウスピース装着』
骨隆起自体は問題ありませんが、骨の増殖を防ぐためには就寝中のマウスピース(ナイトガード)の装着がおすすめです。歯ぎしりや食いしばりによる力が直接骨に伝わるのを軽減してくれます。それともう1つ、歯を守るためです。「骨隆起がある」=「歯に強い力がかかっている」=「歯に負担をかけている」、ということです。これらは歯のヒビや破折などを起こす原因になります。そのため、歯そのものを守るためにマウスピースが効果的です。
根本的に解決するなら『外科的切除』
日常生活に不便を感じたり、見た目が気になったりするという方には、隆起した骨そのものを取り除く治療をおすすめします。麻酔をして歯ぐきを切開し、もりあがった骨を切除します。外科手術を伴いますが日帰りででき、また1週間程度で抜糸できます。
もし今お口のなかにコブ(骨隆起)があったお悩みの方がいらっしゃればぜひ一度ビバ歯科・矯正小児歯科までご相談くださいね。
最後に
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医院概要
医院名 | ビバ歯科・矯正小児歯科 |
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住所 | 〒273-0002 千葉県船橋市東船橋1-37-10 (タップでGoogleマップが開きます) |
電話番号 | 047-421-0118 |
最寄り駅 | JR総武線「東船橋駅」南口 徒歩30秒 アクセスの詳細はこちら |
駐車場 | 敷地内に5台分の駐車場があります |
休診日 | 水曜(第1週)・木曜(第2週以降)・日曜・祝日 |