ブログ・むし歯(一般歯科)・口腔外科
どんな場合に歯を抜くの?
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
「歯は大切です」
今までブログの中でこのフレーズをもう何度繰り返したかわかりません。当院のブログを読んで下さる方々が高齢になっても一生自分の歯で食べられるように、そして全身の健康を維持できるようにお伝えしてきました。しかし、実は『抜いたほうが良い歯』というのが存在します。もしかすると「歯医者さんって歯を抜くことにも抵抗ないんでしょ?」と思われている方も少なくないかもしれませんが決してそんなことはありません。患者様にとって1本の歯を抜くことが重大な決断であるように私たち歯科医師にとっても重要かつ慎重な判断が求められる場面です。
今、歯医者さんに通院していて抜歯を勧められている方で「歯を抜くのがコワイ」と思われていたらぜひ最後までこのブログをお読みください。読み終わったときにはきっと「抜かない方が怖いな」と思っていただけるでしょう。
歯を抜く判断基準
残したいけど残せない歯
- 重度の歯周病
歯周ポケットが深くなり前後左右はもちろんのこと、上下方向にも揺れるほどグラグラしている歯は抜歯の対象です。本来歯を支える役割をする歯ぐきや歯槽骨が歯周病菌によりどんどん溶かされてしまっています。この影響は隣の歯の歯周組織まで広がり他の歯の健康も害する恐れがあります。なお失った歯の代わりをする治療にインプラントがありますが、歯槽骨が減るほどインプラント治療の難易度はあがります。よって、隣の歯を守るためそしてその後の治療のためにも重度の歯周病に侵された歯は抜歯をおすすめします。
- 重度のむし歯
歯ぐきより上の歯質がほとんど残っていないほど重症化したむし歯は残根(ざんこん)と言い、細菌のすみかになりがちです。元気なときには細菌の活動を抑えることができても免疫が落ちたときにはその細菌たちが暴れ出して全身に影響することもあります。例えば誤嚥性肺炎です。だ液や食べ物に混じってお口の中の細菌が気管、肺に入り込みます。特に高齢者の場合、命に関わることもあるため残根状態の場合には抜歯をします。
- 改善の見込みがない程大きな嚢胞などがある歯
歯の根っこの尖端に毒素が溜まりそれが袋状になったものを歯根嚢胞といいます。根っこの尖端の細菌感染は根管治療では改善できない場合もあります。そのため更に感染が広がり顎骨などの歯周組織が破壊される前に抜歯をします。
※歯根嚢胞について詳しくはこちら
- 歯の根っこが割れている歯
歯の根っこが割れることを歯根破折(しこんはせつ)と呼びます。むし歯で神経を抜いた歯や歯ぎしり・食いしばりの習慣があると歯根破折のリスクが高まります。
完全に割れていない場合には歯科専用の接着剤を用いて歯をくっつけるなど治療をしますが、一度割れてしまった歯は完全に元の状態に戻すのは難しいです。また割れたところから細菌感染が広がると歯根嚢胞やフィステルに進行することもあるため、場合によっては抜歯をおすすめします。
存在することで周りに悪影響がある歯
- 隣の歯に悪さをする親知らず
少しだけ頭が生えた親知らずは食べ物が挟まったりそこに汚れが溜まりやすくなったりしてむし歯や歯周病、口臭のリスクが高くなります。
また親知らずが斜めや横に向かって生えていると、手前の歯を押すために歯並びを乱すことがあります。以下のレントゲンをご覧ください。「8番」と書かれたのが親知らずで、手前の歯(7番)を後方から押しています。そのため7番の生え方が徐々に直立に変わってきています。さらに、7番の移動により6番との歯の隙間が小さくなっていき2021年のお写真では7番と6番の歯根部分がくっついてしまっているのが分かります。こうなると7番、6番の両方の歯に負担がかかりダメージが蓄積していきます。よってこれら隣の歯に悪さをする親知らずは抜歯をおすすめします。
- 大人の歯が生えるのを邪魔している乳歯
乳歯は時期がくると歯根部分が溶けて自然に抜け落ちるのが一般的です。これを歯根吸収といいます。しかし何らかの原因で歯根が溶けずにいると乳歯がそのまま残ってしまいます。すると永久歯がその乳歯の前後から生えてきてしまい、歯の成長や歯並びに悪影響を及ぼします。このような乳歯は歯医者さんでの抜歯をおすすめします。くれぐれも無理に引っ張って抜くのは避けましょう。歯根が途中で折れてしまい歯ぐきの中に残ってしまうなどトラブルの元です。
- 変な位置に生えている歯
歯は本来U字のようなアーチを描いて並びます。しかし次のお写真のように歯列から大きくはみ出て生えるような歯があります。このような歯はセルフケアが非常に難しくむし歯になりがちです。よって抜歯をおすすめする場合があります。ただしビバ歯科では、患者様が矯正治療を希望された場合には抜かずに保存し、正しい位置に並べていきます。
- 粘膜を傷つける歯
歯列からずれて頬側によって生えた親知らずは、粘膜(頬)を傷つけがちです。口内炎を繰り返す原因にもなりますので抜歯をおすすめします。
矯正治療のため仕方なく抜く歯
顎が小さくすべての歯を並べるスペースがどうしてもない場合は抜くことがあります。ただしビバ歯科では、小児でも成人でも親知らず以外の歯はほとんど抜きません。なぜなら歯を抜くとさらにお口の中の容積が小さくなってしまうからです。また将来のため1本でも多く健康な歯を残すことが私たち歯科の使命だとも考えているからです。
なお、成長発達期(0~12歳くらい)にあるお子様の場合には「床矯正」・「ブルドーザー」・「ランパセラピー」などの治療により、歯が並ぶスペースを広げることができます。特にランパセラピーは顎骨を正しい方向に成長させることで顎を広げていく治療です。大変画期的な治療ではありますが高度な技術を求められるため、取り扱っている歯科医院はまだまだ少ないです。ランパセラピーについて詳しくはこちらをご覧ください。
さて、今回は「抜いた方がよい歯」についてお話しました。その歯があることで隣の歯や周りの組織を傷めてしまうほどであれば、抜歯も選択肢の1つであり最善の策になるということです。ただ歯は1本1本役割があり簡単に抜歯に踏み切れないこともありますよね。そんな時はぜひ一度ビバ歯科・矯正小児歯科までご相談ください。患者様のご希望を伺ったうえで今後の治療方針をご提案させていただきます。
最後に
「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何?」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです!
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医院概要
医院名 | ビバ歯科・矯正小児歯科 |
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