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お酒が歯を溶かすって知っていますか?

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

先日厚生労働省が“飲酒ガイドライン”を公表しましたね。これは飲酒のリスクや体への影響をまとめたものです。以前当院のブログ『口腔がん検診のすゝめ』で、「飲酒が “口腔がん”の原因になりうる」と書きましたが、今回出された飲酒ガイドラインの中でも「アルコールを原因とする口の中のがんや食道がん等のリスクが非常に高くなるといったデータがありますので注意が必要です。」という文言がありました。普段飲酒の習慣がある方はぜひご一読すると良いでしょう。

 

ところでお酒を飲むことで懸念される病気といえば、肝障害や高血圧、アルコール依存症など体や心の病気が有名かと思います。しかし実は飲酒が“歯の病気”をもたらすということをご存じでしょうか?お酒好きなみなさん、ぜひ最後まで読んでくださいね。

 

お酒がもたらす歯の病気

酸蝕歯

酸蝕歯(さんしょくし)とは酸性の飲食物により歯が溶かされる病気です。歯の表面はエナメル質という固い組織で覆われていますが、ph値が小さい酸性にさらされ続けると溶けてしまいます。ちなみにむし歯は部分的に歯が溶かされますが、酸蝕歯は歯全体が溶かされるのが特徴です。

 

【なぜお酒が原因になるのか?】

・お酒には酸性のものが多いから

phは液体の性質を表す尺度で通常1から14までの値で示されます。ph7が真ん中で中性、7より小さいと酸性、7より大きいとアルカリ性です。そしてお口の中は通常ph7程度の中性に保たれていますが、飲食などをきっかけにphが5.5前後に傾くと歯が溶け始めます

「とりあえずビールで」などと乾杯に飲まれがちなビールはph4.0~4.4ですから注意が必要です。またハイボールや酎ハイなどの炭酸割はさらに酸性度が強くなっています。炭酸はそれ自体が酸性ですからうなずけますね。合間にお水を飲んでお口の中を中性に戻すように飲み方を工夫しましょう。

※同じ酒類でも製品ごとにph値に差があります。

 

・お酒をダラダラ飲んでしまうから

お酒のような酸性の飲み物がお口に入ったからと言ってすぐに歯が溶かされるわけではありません。なぜなら、だ液がお口の中を中性に戻し歯を修復してくれるからです。しかしお酒の席は会話が弾み盛り上がりますよね。そうすると長時間にわたりお口の中がお酒(酸性)にさらされ、だ液の修復力が間に合わなくなってしまいます。そして徐々に歯が溶かされてしまうのです。短時間で切り上げるか、もしくは合間にお水やお茶を飲むようにしましょう。これは二日酔い防止、そして飲みすぎ防止のためにも良いですね。

 

・嘔吐したときの胃酸が強酸性だから

胃酸はph1.0~2.0の強い酸性です。そのためさらに歯が溶かされやすい状態になります。

自分の体質に適した量を飲むことが大切ですね。

 

むし歯

お酒を飲んだからと言ってすぐにむし歯になるわけではありません。しかし間接的な理由ではありますが飲酒がむし歯の原因になることがあります。

 

【なぜお酒が原因になるのか?】

・歯みがきをしないで寝るから

お酒を飲んで帰宅し疲労と睡魔でそのまま布団にダイブ!…心あたりはありませんか?歯磨きをしないで寝れば、その日の汚れが残ったままになるので当然にむし歯リスクが高くなります。また就寝中はだ液の分泌量が減少するため、だ液の洗浄作用や抗菌作用が下がるのもむし歯リスクを高める原因です。これは飲酒後だけではありませんが、むし歯予防のために就寝前の歯磨きは必須です。

 

・糖質が多く含まれるから

お酒の種類によっては糖質が多く含まれているためむし歯の原因になります。そのため焼酎(ロック)やウイスキーなど糖質0gのものを選ぶと良いでしょう。ただし糖質が低い=カロリーが低いわけではないのでそこはご注意を!

 

・お口の中が乾燥するから

アルコールには脱水・利尿作用があるためお口の中が乾燥します。つまりドライマウスです。すると先に書いたようなだ液の洗浄作用・抗菌作用が弱まるためむし歯リスクが高まる原因になります。

 

歯周病

歯周病は細菌に感染したことで歯肉に炎症が起こり、進行すると歯を支える顎骨が溶けて最終的には歯が抜け落ちてしまう病気です。ただ少量のお酒を飲むだけでなら歯周病を悪化させることは考えにくいです。しかし多量のお酒を日常的に飲み続けると歯周病を悪化させる恐れもあります。

 

【なぜお酒が原因になるのか?】

・歯みがきをしないで寝るから

むし歯のところで書いた内容と重複しますが、お酒を飲んだあとに歯磨きをしないで寝るとプラーク(歯垢)が溜まったままになりお口の中の環境が悪くなります。このことは歯周病菌がより活発になる原因になることがあります。歯周病だけに限らず“口臭”などの原因にもなりますので歯みがきをしっかりしてから寝るようにしましょう

 

・血流が良くなるから

アルコールを飲むと体がポカポカしますよね。これはアルコールで血流が良くなったからです。そして血の巡りがよくなると共に歯肉の血流も良くなります。すると歯肉炎や歯周炎が起きている部分では炎症が強くなり歯周組織の破壊が進行します。また神経を刺激して激しく痛むこともあります。そのため歯周病の方はもちろんのこと歯肉が腫れている方などは過度な飲酒は避けたほうが良いです。

 

・肥満につながるから

お酒には糖質が含まれているものが多く飲み過ぎれば太ります。またアルコールは中性脂肪を増加させます。これらのことからお酒は肥満につながります。そして肥満と歯周病は相互に関係しており影響を及ぼします。詳しくは過去のブログ『体をむしばむ歯周病』でお話していますのでぜひご覧ください。

 

・免疫力が下がるから

免疫とは細菌やウイルスから体を守るシステムのことです。お酒はこの免疫力を下げてしまいます。例えば極端に度数の高いお酒をストレートで飲むと強い刺激を感じますよね。あのチリチリっとした感覚が良いのかもしれませんが、のどなどの粘膜にこのような強い刺激を与えることを繰り返すと組織がダメージを受けます。そして体力も低下し免疫力が下がってしまうのです。これにより歯周病菌が活発に働き歯周病を悪化させてしまいます。

 

口臭

歯の病気というのとは少し違うかもしれませんが、お酒がもたらすお口のトラブルということで口臭についてもお話します。

お酒を飲んでいる人や二日酔いの人の近くに行くと独特なニオイがしませんか?いわゆる“酒臭い”と言う感じです。あのニオイの正体はアセトアルデヒドという物質が原因です。これはアルコールが体内で分解されると生成される物質で呼吸のたびに臭気を発生させ口臭の原因になります。また先にお話ししたとおりお酒を飲むと体の水分量が低下し、だ液の分泌量も減るためさらに口臭を強めることになります。翌日に響くことを考えるとお酒の量をホドホドにするか、飲酒の合間にお水を飲むようにするなど対策をしましょう

 

このようにお酒が原因となる歯の病気はたくさんあります。しかしこれらは個々に発症するわけではありません。「飲酒」→「睡眠の質低下」→「免疫力の低下」→「むし歯・歯周病のリスク」というように連鎖していくのです。酒は百薬の長などとも言われますが飲酒量には十分注意が必要です。

冬の風物詩である熱燗、そしてこれから春を迎えれば花見酒などお酒好きさんならではの楽しみがたくさん控えています。ただそれは健康な体があってのことです。あなたやあなたの大切なひとのためにぜひ今一度お酒の嗜み方について見直してみてはいかがでしょうか。

 

最後に

「〇〇についてブログに書いてほしい」などのリクエストや「△△って何?」などのご質問も随時受け付けております。以下いずれかよりぜひご連絡いただければ嬉しいです!

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医院概要

医院名 ビバ歯科・矯正小児歯科
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