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乳歯は“すきっぱ”の方が良いんです
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。下のお写真をご覧ください。こちらは6歳のお子様のお口の中です。何か気になることはありませんか?
実はこの子の保護者様は“ある相談”の為、ビバ歯科にいらっしゃいました。その相談内容とはズバリ…
「子どもの歯がすきっぱなんです。大丈夫でしょうか?」
おそらくこの写真を見ている読者の方々も同じように気になったのではないでしょうか?でも全く心配はいりません。なぜなら乳歯の歯列はある程度隙間があるのが正常だからです。これはのちに永久歯がきれいに並ぶために必要な隙間なのです。今日は、乳歯列(乳歯の歯並び)はどんな状態が正しいのか、また隙間がないとどんな悪影響があるかについてお話します。
乳歯に隙間が必要な理由
隙間なく並んでいる歯のほうが「なんとなくきれい」にみえますよね。しかし乳歯全体がギュっと並んだこの状態では、将来永久歯が生えたときにガタガタの歯並びになるリスクが高まります。なぜなのでしょうか?
多くの場合6歳頃から永久歯への生えかわりが始まります。そのとき最も早く生えてくるのが第1大臼歯(中央から数えて6番目の歯)で、俗に6歳臼歯とも呼ばれます。これについては以前のブログ「歯の王様~最大最強の6歳臼歯」で詳しく説明しています。そして実は永久歯の大きさは乳歯のおよそ1.5~2倍です。そのため乳歯列の段階で隙間がない状態だと、永久歯が生えるためのスペースが足りなくなってしまいます。例えば歯並びがガタガタしたり、八重歯になってしまったりです。よって、きれいな永久歯列のためにも乳歯列のときの隙間はとても大切といえます。なおこのようにお子様に見られる歯と歯の生理的隙間のことを発育空隙(はついくくうげき)と呼びます。
発育空隙を判断する時期はいつか?
乳歯は一般的に生後6ヶ月頃から生えはじめ、3歳頃までには上下合わせて20本が生え揃います。この段階で歯と歯の間の隙間が不足しているようであれば、一度歯医者さんに相談をすることをおすすめします。特にこの時期は市町村で行われる「3歳児健診」の時期でもあるため、そこで歯の異常を指摘された場合には参考にすると良いでしょう。なお、体の成長と共に顎も大きくなるため、徐々に隙間ができる場合もあります。しかし、乳歯が生え揃った時点ですでに隙間不足のお子様は、その後もほとんど隙間がないまま成長することの方が多いです。そしてその場合、永久歯に生えかわるにつれて歯列が乱れてしまいます。
乳歯に隙間がないとどうなるか?
続いて乳歯列に隙間がないとどんな悪影響があるかについて詳しくお話します。
- 永久歯列がガタガタになる
歯の大きさに対して顎が小さいため、ところどころ歯が重なって生えている状態です。これを歯科用語では叢生(そうせい)と言います。例えば犬歯が歯列の外にはみ出して生える八重歯(やえば)などがこれに当てはまります。
- むし歯のリスクが高まる
隙間がないと歯間部に歯ブラシの毛先が届きにくく、セルフケアが難しくなります。するとプラークが溜まりむし歯リスクが高まります。しかも乳歯は永久歯に比べて歯質が弱いため一度むし歯になると進行が早いです。
- 鼻炎・副鼻腔炎やイビキなどのリスクが高まる
乳歯列に隙間がないことが直接の原因ではありませんが、乳歯がギュウギュウに詰まって生えている子の多くが鼻炎・副鼻腔炎の現病歴や睡眠時のイビキ・無呼吸があります。なぜなら乳歯に隙間がないことは「顎が小さい」ということだからです。
➤顎が小さいと鼻腔の幅も狭くなり鼻づまりになりやすくなります。そして鼻の粘膜の腫れや鼻水により鼻腔と副鼻腔の間にある穴(自然孔:しぜんこう)が塞がれてしまいます。すると副鼻腔から分泌物や異物を排泄できなくなり、その結果副鼻腔内に鼻水や膿が溜まってしまいます。これがいわゆる副鼻腔炎です。俗に蓄膿症とも呼ばれます。
➤上記の鼻づまりで鼻呼吸が十分にできないことや顎の成長不足で気道が狭いことから睡眠時のイビキ・無呼吸が誘発されます。
どう予防するか?
では乳歯の隙間を確保するためにはどうしたら良いのでしょうか?それは「健全な顎」を育てることです。歯が並ぶためのスペースを広げてあげるのが最重要となります。
- 噛む習慣をつける
顎骨を成長させるには食事の際の咀嚼回数を増やすことが大切です。咀嚼し顎を動かすと顎周りの血流がよくなり筋肉が刺激され顎が成長します。つまり歯が並ぶためのスペースができるのです。ちなみに赤ちゃんの頃におもちゃを噛んで歯固めをしますよね?実はこれも顎の成長に直結します。なお歯が生えてきて固形物を噛めるようになったら、根菜類(にんじん・たけのこ等)、葉物(ほうれん草・小松菜)、果物(りんご等)、海藻類(わかめ等)など、何度も噛む必要があり噛み応えがある食べ物を積極的に取り入れていきましょう。
- 矯正治療で顎を広げる
歯医者さんで専門的な治療をおこない、顎を広げます。具体的には以下のような方法があります。
①トレーナー
マウスピース型の取り外しができる矯正装置です。就寝中と日中で合わせて8~12時間以上装着します。顎を広げることはもちろん、歯の正常な発育も促進し理想的なかみ合わせに誘導します。
②マイオブレイス
マウスピース型の取り外しができる矯正装置です。毎日日中1時間及び就寝中に上顎に装着します。またそれと共に1日数分のトレーニング(後述のMFT参照)が必要です。顎を広げる以外にも鼻呼吸の習慣づけやお口周辺の筋肉が鍛えられることで歯並びの乱れになりうる根本原因を取り除きます。
③プレオルソ
マウスピース型の取り外しができる矯正装置です。毎日日中1時間以上及び就寝中に上顎に装着します。プラスチックのようなレジン素材ではなくポリウレタン製の“柔らかい素材”のため、装着感が非常に良いのが特徴です。顎を広げること以外にもお口周りの筋肉トレーニングにもなるため、「低位舌」や「お口ポカン」の改善にも効果があります。
④ランパセラピー
口腔内装置と口腔外装置の2つを使用し、上顎骨を正しい成長方向の上前方に牽引します。また上顎にくっついて下顎も前に成長すると共に気道が開き、イビキ・無呼吸の改善にもつながります。
【参照】
「小児矯正」
- MFT
MFTとは口腔筋機能療法のことで、舌やお口周りの筋肉バランスを整え正しく機能させるためのトレーニングです。特に成長期のお子様の場合には正しい筋肉の使い方を身に付けることで顎骨の正常な成長を促進します。また口呼吸を鼻呼吸に改善するなど正しい呼吸法も身に付けられるため、上記の矯正治療と併行するとより効果的です。
さて今回は発育空隙という「乳歯の隙間」のお話をしました。乳歯列に適度な隙間があることは、将来生えてくる永久歯のためのスペースがあるということです。仕上げ磨きの際にお子様の歯をよく観察し、隙間が足りないと感じたらぜひ歯医者さんに相談しましょう。
最後に
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医院名 | ビバ歯科・矯正小児歯科 |
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