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入れ歯をつかう本当の理由

こんにちは! 千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

本日10/8は入れ歯感謝デーです。1(い)、0(れ)、8(ば)の並びで、日本歯科技工士会が制定しました。ビバ歯科も入れ歯を製作する際には歯科技工士さんにご依頼しております。歯科技工士さんは入れ歯や補綴物、矯正用装置などの製作や加工そして修理を行う医療技術専門職です。お口の中はとても繊細ですから患者様一人ひとりにぴったりの入れ歯・補綴物を作ってくださる歯科技工士さんの技術は必須です。そこで今日は入れ歯について少しご紹介したいと思います。今はまだ必要がなくても知識として知っておくと役に立つ日がくるかもしれません。ぜひ最後までご覧くださいね。

 

入れ歯の役割

入れ歯は取り外しができる人工の歯のことです。2種類あり、一部の歯を失った人のための「部分入れ歯」と全ての歯を失った人のための「総入れ歯」にわけられます。

ところで怪我やむし歯・歯周病などで歯を失った時にその歯の代わりをしてくれるのが入れ歯ですが、どんな役割があると思いますか?「噛む力をカバーする」、「見た目を回復する」…確かにそういった面もありますが、それ以上にその人の“健康な生活”を維持する役割が大きいです。

 

  • 残っている歯や歯茎を守る
    部分的に歯がないと残っている歯に大きな負担がかかります。その結果、残った健康な歯の寿命が縮まったり、顎関節に炎症が起こったりすることがあります。

 

  • お口の中を安定させる
    歯がないところに隣の歯が傾いてきたり(*専門用語で傾斜)咬みあっていた相手の歯が伸びてきたりして(*専門用語で挺出:ていしゅつ)全体のかみ合わせが崩れてしまうこともあります。そこで欠損した部位に入れ歯を装着することで、お口全体の均衡を保つことができます。特に咬み合わせが悪いと頭痛や肩凝りの原因にもなりますから入れ歯を装着しお口の中を安定させることは全身の健康に関わります。

*傾斜・挺出については以前のブログ「嗚呼、かんちがい~歯のお引越し」をご覧ください。

 

 ▲挺出(★の歯に注目。咬みあう下顎の歯を失ったことにより、下方向に伸びてきている)

 

  • 噛む力を回復させる
    歯はそれぞれ役割があります。例えば前歯は食べ物を噛み切ったり奥歯は食べ物をすり潰したりするなどです。そのため、1本でも歯を失うと食べ物を咀嚼する力が大きく低下します。しかもこれはモノが食べにくいことだけには収まらず消化にも影響します。食べ物を細かくできないまま飲みこんで胃に送ってしまうと胃腸などの内臓に負担がかかるからです。このように入れ歯は消化機能さえも間接的にカバーしてくれます。

*それぞれの歯の詳しい役割については以前のブログ「歯は全部で何本?」をご覧ください。

 

  • 顎ズレを防止する
    上下の歯が咬みあうことで顎の位置が安定します。それにより、顎関節症・顎偏位(ずれている状態)、そして体の歪みの防止にも繋がります。

 

  • 発音機能を回復させる
    歯がない部分から空気がもれてしまうと発音がしにくくなります。特に「サ行」や「タ行」の音は前歯がなければ発音ができないため会話に支障がでることもあります。新しい入れ歯を装着した直後は入れ歯がお口の中に馴染んでいなく話しにくさを感じることがあるかもしれません。しかし入れ歯を装着しながら発声することに慣れれば徐々に気にならなくなります。よって積極的にお話するようにしましょう。しばらくすると入れ歯がない方が発音しにくくなりますよ。ただしあまりに慣れないようであれば一度ご相談ください。発音の際に必要な舌の動きを入れ歯自体が邪魔するなど適合が良くないことも考えられます。

 

  • 見た目を整える
    機能面での役割が大きい入れ歯ですが、やはり審美面でもその役割を果たしています。特に前歯部はニコっと笑ったときに見られる部分で、欠損部位が露になるのは避けたいですよね。また入れ歯はシワやたるみ防止にも一役買っています。歯が欠損した後、入れ歯を装着しないでいるとお口周りにたくさんのシワが寄ります。お口周りの筋肉の働きが弱まり口元がたるむためです。しかし入れ歯を装着することでシワが目立たなくなります。『人は見た目が9割』という書籍がありましたが、身だしなみの1つとして自信をもつためにも入れ歯は役立ちますね。

 

入れ歯の素材

一言に入れ歯と言ってもその素材は多岐に渡ります。ここでは床(しょう)の素材に注目して代表的な2つの入れ歯ついてご紹介します。床(しょう)とは、歯茎を模したピンク色の部分のことを指します。

 

レジン床の入れ歯

保険適用の入れ歯。粘膜に乗るピンク色の部分はアクリルレジンというプラスチックでできています。

【メリット】
破損した際の修理がしやすいため、歯茎とのフィット感が悪くなってきた時に簡単に調整ができます。

【デメリット】
プラスチック製のため落とした時に割れやすいです。また厚みがあるため装着時に違和感があり、話しにくさや咀嚼のしにくさを感じることもあります。また食事中に食感を感じづらい面もあります。

▲レジン床の入れ歯

 

金属床の入れ歯

レジン床入れ歯のプラスチック部分を一部金属に置き換えた入れ歯です。写真のように金属は歯列より内側に使用するため、装着時に目立つことはほとんどありません。

【メリット】
素材が金属のため強度に優れています。また床(しょう)の厚みが薄いため装着時の違和感が少なく快適な付け心地です。さらに熱伝導率が良く温かさや冷たさを感じやすいため、食事を楽しむことができます。

【デメリット】
保険適用外(いわゆる自費)のため、レジン床の入れ歯と比較すると作製時の費用が高いです。

▲金属床の入れ歯(強度があるため中央を覆わなくて済む。これにより食べ物の熱を感じやすくなる)

 

▲金属床の方が入れ歯の厚みが薄い

 

なお、その他のタイプの入れ歯についてはこちらのブログ「食事を楽しみたいあなたへ~様々なタイプの入れ歯があります」で詳しくまとめていますのでぜひご覧ください。

 

 

入れ歯のよくある質問

Q.寝る時は入れ歯を付けたままで良いですか?

いいえ。基本的には外すようにしましょう。理由は以下の通りです。
(歯茎の保護)入れ歯を装着中は歯茎が圧迫され負担がかかります。この状態が続くと歯茎に傷がつき口内炎ができることもあります。よって歯茎を休ませるために就寝中は入れ歯を外しましょう。
(衛生面)就寝中はだ液の分泌量が減るためお口の中で細菌が繁殖しやすい環境です。入れ歯に付着した細菌が増殖すると、歯周病・口腔カンジダ症・口内炎などを誘発する原因になります。
(誤飲)特に部分入れ歯のような小さな入れ歯の場合は誤って飲み込んでしまう恐れがあります。窒息して命に関わることもあるので外したほうが安心です。

※ただし例外があります。入れ歯を外すことで顎関節症になる場合があります。なぜなら入れ歯がないと通常より深い咬み合わせになり顎に負担がかかるからです。予防のために就寝中は入れ歯の代わりにナイトガード(マウスピース)を装着することをおすすめします。ビバ歯科で作れます。

 

Q.入れ歯の掃除はどのようにすれば良いですか?

食後は次の3ステップでお手入れをしましょう。

  1. 入れ歯専用の歯ブラシで磨く
  2. 洗浄剤をつかって洗浄する
  3. 流水で水洗いをする

天然歯(自分の歯)同様に入れ歯にも食べかすやプラークが付着します。お手入れが不十分だと口臭や誤嚥性肺炎の原因になるため、毎日毎食後に必ずお手入れをしましょう。なおビバ歯科では入れ歯専用の洗浄剤を販売しています。ぜひお求め下さい。

Q.入れ歯は人工歯なのでメインテナンスは必要ないですよね?

いいえ。毎日のセルフケア同様に定期的に歯科医院でのメインテナンスが必要です。人工物である入れ歯は経年劣化により、人工歯部分がすり減ったり、もしくは加齢に伴なう歯茎や骨の減少により入れ歯自体の適合が悪くなったります。できれば3~6ヶ月ごとの定期検診時に歯科医師によるチェックを受けましょう。

 

Q.入れ歯は何年ぐらいで作り替えが必要ですか?

入れ歯は製作時のお口の状態にぴったり合うように作られています。しかし粘膜や骨の状態は加齢と共に変化するため、それに伴い入れ歯も合わなくなります。個人差はありますが、1年に1度は歯医者さんで入れ歯の状態チェックをしてもらいしょう。合わない入れ歯は装着感が悪く、また無理して付けていると粘膜や顎関節を傷める原因もなります。

 

Q.入れ歯かインプラント、どちらにするか迷っています。

それぞれメリット・デメリットがあります。例えば入れ歯は外科的な手術を必要としない点で患者さんの身体的負担は少ないです。しかし、入れ歯はインプラントのように顎骨に結合しているわけではないため、噛み心地の面ではインプラントに劣ります。とは言え、残された歯の本数や部位、そして骨密度等によってもどちらを選択できるかは変わります。まずはかかりつけ歯科医院でお口の中の状態を診てもらい相談することをおすすめします。

*インプラントや入れ歯についての説明・料金等についてはこちらをご覧ください。

 

Q.入れ歯の留め金(金属)が気になります。目立たない方法がありませんか?

あります。ノンクラスプデンチャーがおすすめです。従来の入れ歯は金属バネを歯にひっかけて固定していましたが、ノンクラスプデンチャーは金属バネを使っておりません。よって違和感が少なく審美性にも優れています。またノンクラスプデンチャーは臭いや汚れが付きにくくお手入れもしやすいのが特徴です。金属アレルギーがある方でも安心して使用できます。

 

 

さて今日は入れ歯についてお話させていただきました。本日10/8は入れ歯感謝デー!!いつもお世話になっている歯科技工士さんに感謝しながらこれからも一緒に患者様のお口の健康を守っていきたいと思います。