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口の機能を育てるには、食事の時の姿勢が大切です

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
以前テレビで大食い選手権なるものが放送されていました。限られた時間でどれだけ多くの食事ができるかといった内容だったのですが、私が気になったのは食べる量の多さ・・ではなく、食べる時の“姿勢”です。出場者の中には競技に夢中になりすぎているのか、いわゆる犬食いの方がいました。子どもの頃に食事中のマナーとして、「皿を持って食べる」、「口を閉じて食べる(クチャクチャしない)」など口酸っぱく言われた私にとって、何とも衝撃的な光景であり、そっとチャンネルを変えたのは言うまでもありません。

ところでこのような食事の時の姿勢はマナーの観点から話題になりがちですよね。しかしそれ以上に食事の時の姿勢は口の機能を育てるためにも重要だということをご存じでしょうか?特に子育て中の保護者様にはこういった意識をもっていただくことはとても大切です。なぜなら、姿勢と言うのはお子様の口腔機能の発達に大きく影響するからです。もし今あなたのお子様に口の機能の遅れが目立つようでしたら、それは食べる時の姿勢に問題があるのかもしれません。このあと詳しくお話しますのでぜひご覧くださいね。

口腔機能の遅れ

口の機能と言えば、「食べる」、「話す」、「表情を作る」などですよね。いずれも私たちが社会生活をしていく上で欠かせません。しかし近年ではこういった口の機能の遅れや未発達が目立つお子様が増えています。いわゆる口腔機能発達不全症です。これは障がいがないにも関わらず口の機能が十分に発達していない状態を言います。なお「発達不全」という言葉からショッキングな印象を受けるかもしれませんが、あくまで発達の遅れのことですのでご安心ください。なお次のような症状がある場合、口腔機能発達不全症が疑われます。

・離乳食が進まない
・食事に時間がかかり過ぎる
・食べ物を丸呑みしてしまう
・食べこぼしが多い
・発音が不明瞭
・常に口呼吸をしている
・口がいつも開いている(お口ぽかん)等

ちなみに私たち歯科では、口腔機能発達不全症の症状がみられるお子様に対して口のトレーニングをおこないます。例えばポッピング(舌鳴らし)や舌回しなどです。ただ専門的なトレーニング以前に大事にしてほしいことがあります。それは食事です。食べることはすなわち口の正常な成長に結びつきます。食べ物をガブッと噛んだり、もぐもぐと咀嚼したり、ごっくんと飲み込んだりという動きを繰り返すことで、口周りの筋肉や舌の動かし方を身に付けていくのです。

とは言え、ただ食べれば言い訳ではありません。口の機能を育てる訓練(=食事)をするには正しい姿勢が大切です。例えばスポーツをする上では正しいフォームを繰り返し練習して身に付けていきますよね?野球のピッチャーであれば投球フォーム、バスケットボールであればシュートフォームなどです。正しいフォーム(姿勢)を体に覚えさせることでその選手が一番力を発揮できるようになるからです。これと同様に食べる際にはその姿勢がとても大切になります

食事中の理想的な姿勢

下のイラストをご覧ください。どちらの姿勢が正しい姿勢でしょうか?

わかりますよね。右が正しい姿勢です。1つひとつポイントを見ていきましょう。

【背筋】猫背のような前傾姿勢では内臓に負担がかかり消化が悪くなります。背筋を伸ばすことで体が安定し口周りの筋肉を動かしやすくなりますので、ピンと背筋をはるようにしましょう。また顎を軽く引くことで食べ物の飲み込みがしやすくなります。誤嚥防止にも効果的ですので意識しましょう。

【机の高さ】机の高さが体にあっていないと自ずと姿勢が悪くなります。イラストのように腕を机に置いた時に、ひじから手首までの部分が床と水平になるくらいを目安にしてください。また食器の位置について、体から遠すぎるとこれも姿勢が崩れる原因になります。手を動かしたときにムリなく食器に手が届く位置を意識しましょう。

【こぶし1個分のスペース】お腹と机、背中と背もたれの間には握りこぶし1個分程の隙間を空けるようにしましょう。正しい姿勢を維持すると共に、食器などを手に取りやすくなります。

【膝は90度】膝の90度に加えて、股関節・足首も90度を意識しましょう。こうすることで体圧が分散されるため、正しい姿勢が維持しやすくなります。

【足裏ピタッ】足がブラブラしていると姿勢が安定しません。足裏全体を地面にぴったりとくっつけられるよう、椅子の高さを調整しましょう。足裏が地面から浮いていると嚥下の際に無駄な力が入ってしまったり、食べ物の誤嚥に繋がったりすることもあります。もし椅子自体の高さの調整が難しい場合には、足置きなどを利用することもできます。

ちなみにこちらはお子様だけではなく大人にとっても食べる時の理想的な姿勢になります。背筋が伸びているか、膝は90度になっているかなど、今一度確認をしましょう。子どもたちは大人の動きをよく観察しているものです。まずはお父さんお母さんの食事の姿勢から見直すことが大切ですね。

監修者情報

所属

  • 日本口腔インプラント学会 専門医・専修医
  • 日本顎咬合学会認定医
  • 厚生省認可日本歯科先端技術研究会認定医
  • RAMRA研究会登録医
  • 日本床矯正研究会会員
  • 日本小児矯正研究会会員
  • 日本全身咬合学会会員
  • 日本老年歯科医学会会員
  • 国際歯周内科学研究会会員

院長

Hirotaka Sekimoto

略歴

  • 1982年

    明海大学歯学部卒業
    明海大学PDI歯科臨床研修所入所

  • 1985年

    明海大学PDI歯科臨床研究所研修課程終了
    開業医勤務

  • 1991年

    ビバ・ファミリー歯科開設

  • 2000~2003年

    市川市在宅寝たきり老人等歯科診療特別委員会委員長
    市川市歯科医師会歯科介護支援センター運営委員長

  • 2003~2006年

    市川市歯科医師会学術担当理事
    千葉県歯科医師会生涯研修委員会委員

  • 2011年~

    市川市歯科医師会会計担当理事

  • 2017年~

    市川市歯科医師会監事

所属

  • 日本口腔インプラント学会 専門医・専修医
  • 日本顎咬合学会認定医
  • 厚生省認可日本歯科先端技術研究会認定医
  • RAMRA研究会登録医
  • 日本床矯正研究会会員
  • 日本小児矯正研究会会員
  • 日本全身咬合学会会員
  • 日本老年歯科医学会会員
  • 国際歯周内科学研究会会員

院長の今までとこれから

文学少年から歯科医へ転身

学生時代は三島由紀夫に夢中で、小説家を目指していたことも。父の一言をきっかけに歯科医の道へ進みました。

歯科医は情熱を注げる仕事

仕事が生活の中心。常に学び続け、より良い医療の提供を目指しています。

今後の展望

予防や噛み合わせに加え、呼吸の問題にも対応できる歯科医院を目指します。