新着情報

嗚呼、かんちがい~フッ素は猛毒?

こんにちは!

千葉県船橋市東船橋駅から徒歩30秒にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

 

日々、お子様から大人の方まで幅広い年齢層の患者様とお話しておりますと、“都市伝説”のような歯のお話を耳にすることがあります。そこで、患者様が勘違いしがちな“お口の中&歯のお話“について『嗚呼、かんちがい』と称し、不定期にブログでご案内しております。

 

過去の投稿は以下からご覧ください。

第1弾:『歯のお引越し』

第2弾:『歯の土台』

第3弾:『歯を抜くタイミング』

 

さて今日は記念すべき第4弾、こちらです!(ジャジャジャジャーン♪)

 

 

👻『“フッ素”は猛毒だ!!

 

 

これを見ると歯科医院でフッ素を塗布したことがある方は、ぎゃぁぁ~~!と叫びたくなることかと思います。

しかし、安心してください。フッ素は猛毒ですが、歯科医院での“フッ素”は猛毒ではなく良薬です。

 

・・・・え、なに言っているの?

 

はい。確かにブログの主も書いていて混乱してきました。

今回のブログでは一般的に言う“フッ素”と、歯科医院で言う“フッ素”の違いからご説明していきます。

 

このブログを読んだあとは、

みなさん、“フッ素”を塗りたくて塗りたくて仕方なくなること間違いなし!

ぜひ最後までお付き合いくださいね。

 

 

世の中をつくっているのは?

フッ素とは数ある元素の中の1つ、原子番号9、元素記号Fの元素です。と言っても、「そもそも元素って何?」ってなりますよね。簡単に言うとこの世の中のものをつくっている材料です。

草木などの植物、犬猫などの動物、海、山などの自然物、そしてパソコン、スマホなどの人工物、さらには私たち人間もすべてこの元素、もしくは元素の組み合わせからできています。みなさんが学生の頃、化学の授業で以下のような呪文を唱えた経験はありませんか?

 

『水兵リーベー僕の舟、名前があるシップスクラークか』

 

初めて耳にする方は何のことかわからないかもしれません笑。

こちらは元素の周期表の覚え方です。よく社会科の歴史などでも語呂合わせで記憶するなんてことありましたよね。例えば『聖徳太子はコックさん(飛鳥時代593年に聖徳太子が摂政になる)』、『なっとうネバネバ平城京(奈良時代710年に平城京を都に移す)』と同じです。

 

さて、元素の話に戻りますが、いきなりフッ素だとイメージが付きにくいので比較的身近な元素でお話していきますね。例えば、水素(元素記号:H)は酸素(元素記号:O)と結びついてH2Oとなります。このH2Oという物質、私たちが生きていく上で絶対に欠かせない物質なのですがご存じでしょうか?

そうです、“水“です。つまり水素(H)もしくは酸素(O)のいずれか1つでもなくなると水がなくなってしまい、私たち人間をはじめ地球上のあらゆる生き物が生存できなくなってしまいます。

 

その他にも、鉄(元素記号:Fe)も私たちの生活に欠かせません。これがなくなってしまうと頑丈な建物を建てることができなくなってしまいますね。

 

このように1つでも欠けてしまうと私たちの生活を一変させてしまうような物質、それが元素です。

 

 

“フッ素”って、なに?

 

先ほどこの世の中は、元素、もしくは元素の組み合わせでできていると言いました。ここがポイントです。

“元素単体”なのか“元素の組み合わせ”なのかによって全く異なる物質となるのです。先ほどのH2O(水)が良い例ですね。

もう一つ例を出しましょう。おにぎりを握るときに欠かせないアレです。

そう、塩ですね。こちらの主成分は“塩化ナトリウム”という化合物で元素記号ではNaClと表します。Naはナトリウムで金属元素です。実はこちらのナトリウムは毒物及び劇物取締法によって劇物に指定されている代物です。水と激しく反応、というより爆発します。(参照動画)そのため、油の中で保存されているのです。そしてClは塩素で刺激臭のある有毒な気体です。塩素系漂白剤など市販されていますが独特な臭いですよね。しかしながら不思議なことに、Na(ナトリウム)とCl(塩素)が組み合わさると「お塩」になるんですね。当たり前ですが、こちらは水と触れても爆発しませんし、特に臭いもしません。不思議ですね。このように、“元素単体”と “元素の組み合わせでできた物質”では全く別の性質を表すのです。

前置きが長くなりましたが、ここから本題に入ります。今回の主役“フッ素”のお話をしていきますね。

 

まず“元素単体”のフッ素ですが、こちらは猛毒です。間違いなく猛毒です。しかしフッ素はとても強い酸化作用があり基本的に単体ではほとんど存在できません。つまり他の元素を巻き込んでくっついてしまいます。このように2つ以上の元素が結びついてできた物資を化合物といいます。その中ででもフッ素を含む化合物のことをフッ化物と呼んでいます。そして、実はこのフッ化物こそが私たち歯科医院で使用する“フッ素”の姿なのです。

 

 

なんとなくイメージがつきましたでしょうか?

 

歯科医院で塗布するフッ素や、歯みがき粉や洗口液に含まれるフッ素はすべて“フッ化物“のことを指しているのです。よって単体のフッ素のような猛毒ではありませんし、むしろ予防歯科として正式に認められているものですのでご安心ください。ちなみに歯科医院で塗布するフッ素の多くはフッ化ナトリウム(NaF)やフッ化第一スズ(SnF2)のことです。

便宜上私たちも「フッ素、フッ素」と呼んでいます。先ほどの塩化ナトリウムもそうですが、こちらのフッ化ナトリウムも劇物のナトリウム(Na)と猛毒のフッ素(F)がくっついたものですから、何とも不思議なかんじがしますよね。

 

 

フッ素の効果は絶大!

 

では実際にフッ素(=フッ化ナトリウム)にはどんな効果があるのか紹介していきます。主に以下の3つです。

 

①歯の質自体を強くする

歯の表面のエナメル質を構成する結晶にフッ化物イオンが取り込まれると酸(むし歯の原因) に溶けにくい丈夫な歯質になります。このとき、元々の結晶構造であるハイドロキシアパタイトが極めて酸に溶けにくい結晶構造であるフルオロアパタイトに変化しています。

②歯の再石灰化を促す

歯は食事の度に溶かされてカルシウムなどが溶け出します(これを『脱灰』といいます)。しかしその後唾液の働きにより再びカルシウムは歯に取り込まれて修復されています(これを『再石灰化』といいます)。これらを繰り返すことで歯はボロボロにならずに保たれているのです。そしてこの時唾液中にフッ素があると再石灰化が起こりやすくなるのです。

③歯垢の生成を抑えます

歯垢の中にフッ化物がとどまり、むし歯菌の活性を抑えて酸を作らせないように働きかけます

 

以上のことから特に、「生えたての乳歯」や「生えたての永久歯」をもつ子ども達にフッ素塗布するのが一番効果的だと考えられています。なぜなら生えたての歯は表面が柔らかくとてもむし歯になりやすい無防備な状態だからです。そして、今このブログを読んでくださっている大人のみなさん、大人でも効果がないわけではありません。子どもに比べると歯は安定しているように思いがちですが、不規則な生活や2次むし歯(治療済の歯が再度むし歯になること)、歯周病による歯茎の後退などむし歯になりやすい環境が揃っています。だからこそ大人にもむし歯予防の一助としてフッ素塗布はおすすめです。実際にビバ歯科・矯正小児歯科にご通院中の大人の患者さんの中にもフッ素塗布を希望される方は多くいらっしゃいます。

 

 

 

 

フッ素の塗り方とそのルール

 

当院では以下3つの方法選べます。

1.綿球法:液体タイプの製剤を綿球に浸して歯の表面に塗っていきます。

 

2.歯ブラシ法:ジェルタイプの製剤を歯ブラシにつけて、通常のブラッシング同様に歯の表面に塗っていきます。

 

3.トレー法:トレーに溶液タイプもしくはジェルタイプの製剤をのせて、それごと口腔内に入れ歯の表面に接触させます。

 

またホームケアとしてお写真のような歯磨き剤も販売しております。

右のお写真の赤枠をご覧いただくとわかりますが、『薬用成分NaF1450ppm』と書いてありますね。市販で販売できるフッ素濃度の最高値は1500ppmですが、現在のところこのチェックアップの1450ppmが市販の中では一番フッ素配合率が高いです。

 

ちなみにブログの主である私は下のお写真の『チェックアップジェル』を愛用しています。実はかねてから悩まされていた知覚過敏が再発し、かかりつけの歯医者さんで薦められたことがきっかけです。就寝前にパパっと塗るのですが、味も匂いもほとんど気にならなくミントで爽快です。使い始めてまだ1ヶ月ほどですが、寝起きのときの口の中が全く違います。私は就寝時にマウスピースをしているため、寝起きになんとなく口の中が気持ち悪かったのですが、唾液がさらっとするようになりました。むし歯予防にもなるので一石二鳥でぜひおススメしたい商品です。

 

なお、ご家庭でフッ素入り歯磨き剤を使用する場合には年齢に応じた濃度、使用量に注意してくださいね。

 

  • 生後6ヶ月~2歳

フッ素濃度:500ppm

使用量:3mm程度

 

  • 3~5歳

フッ素濃度:500ppm

使用量:5mm以下

 

  • 6歳~14歳】

フッ素濃度:1,000ppm

使用量:1cm程度

 

  • 15歳以上

フッ素濃度:1,000~1,500ppm

使用量:2 cm程度

 

ブラッシング後は歯磨き剤を吐き出し、すずきの水は約15ml(大さじ1)、およそ5秒間、1度だけすすいで下さい。ここでブクブクブクとすすいでしまうと、せっかく塗布したフッ素が水と共に流れてしまいますので注意してくださいね。

 

ところで、市販で販売される商品のフッ素濃度は500~1,500ppmとされていますが、歯科医院で使用するフッ素濃度は9,000~123,000ppmです。高濃度のフッ素を使用できるのは歯科医師及び歯科衛生士のみですので、よりむし歯予防に力を入れたいという方は歯科医院でのフッ素塗布が断然オススメです。

 

さて、みなさん今頃はフッ素(フッ化ナトリウム)を塗りたくて塗りたくて仕方なくなっている頃ですね。

まずはビバ歯科・矯正小児歯科までお電話047-421-0118ください。歯科医師・歯科衛生士より詳細をご説明の上、フッ素塗布の治療をご案内させていただきます。