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歯周病菌との仁義なき戦い!!

こんにちわ!田畑です。

昔、弟と見ていた戦隊ヒーロー。最近衛生士同士で話題になり「私ピンクレンジャーがいい!」「ずるーい私も!」「私クールなブルー」「・・・田畑さんはカレー大好きイエローですよ~」「怒」などと意味不明なバトルを日々繰り広げている私達ですが、実は毎日もっと過酷な戦いをしています!それは、にっくき歯周病菌との戦いです!!というわけで、先日この3人組で「国際歯周内科学研究会のフォローアップセミナー」に参加してきました。歯周内科とはビバ歯科でも行われている歯周病治療の方法で、歯茎を切る等の外科的な歯周病治療とは違い、お薬で体の中から歯周病を治していくという内科的な治療法の事です。歯周病はとても複雑で原因も様々です。外科治療の方がいいケースもありますし、内科的に治療した方がいいケースもあります。以前のブログ「薬で治す歯周病~リアルタイムPCR検査始めました!」「歯周病でお悩みの方へ~歯周内科治療の成果」で詳しい内容を載せているのでご興味がありましたら見てみてください☆

今回のセミナーでは歯周内科治療の知識のアップデートをしてきました。その内容を少しご紹介したいと思います。

お口の中で悪さをしている厄介な歯周病菌!何故なかなか居なくならないのでしょうか?

それは歯周病菌が『バイオフィルム』というネバネバした膜に守られているからです‼このバイオフィルムがまた厄介なもので、うがいや歯磨きでは落とせません。。抗生剤のお薬もバイオフィルムを通過する事が出来ないため歯周病菌に届かず十分な効果を得る事が出来ません。歯周内科治療では初めに「ジスロマック」というマクロライド系抗菌薬を使います。このお薬は抗生剤としての作用は弱い方ですが、先ほどの『バイオフィルム』を破壊する事が出来るのです‼

≪ジスロマックが歯周病菌に効くメカニズム≫

  • クオラムセンシング阻害能を持つ

実は細菌はお互いに独自の方法でコミュニケーションを取っているのです!びっくりですよね‼この細菌同士のコミュニケーションを断つ働きの事をクオラムセンシングと言います。

細菌A「おい!こっち炎症が強くてごちそうだらけだぜ~」 細菌B「マジかよ!仲間引き連れて今からそっちいくわ」

これは私の勝手な妄想ですが・・このようにお互いにコミュニケーションを取りあって細菌にとって居心地のいい場所に集まる傾

向があります。単体より集団の方が力が強くなるのは細菌でも同じです。ジスロマックはこの細菌同士のコミュニケーションを遮断する力を持っているので細菌を集まりにくくします。

  • ファゴサイトデリバリーシステムを持つ

ファゴサイトデリバリーとは白血球にジスロマックが取り込まれ病巣までお薬が運ばれるシステムの事です。

白血球は炎症の強い場所に運ばれるので届いてほしい場所にきちんとお薬が運ばれるという事になります。そのため効きがいいんです✌

そしてバイオフィルムを破壊する能力があります。

  • 半減期が長い

ジスロマックは体内で1週間は効果が持続するお薬です。

お薬の効果が効いているうちに歯科医院でクリーニングする事で歯周病菌に対する効果が上がります。

このようにジスロマックは歯周病菌にとても効果の高いお薬ですが、これだけでは歯周病菌は退治できません。

大切なのは歯周病菌が住みづらい環境を作る事です。

★毎日のブラッシングを丁寧に行ってお口の中を清潔に保つ

★デンタルフロス、歯間ブラシ、口腔洗浄器を使用して毎日歯と歯の間のお掃除をする

★歯科医院で定期的にクリーニングをして歯石・バイオフィルムを除去する

★位相差顕微鏡やリアルタイムPCR検査で自分のお口の中の菌叢や菌の状態を知る

★お口は体の一部です。規則正しい生活や適度な運動、十分な睡眠を心掛ける

★乳酸菌のサプリメント等で体全体の細菌バランスを整える

お薬を飲んで一時的に菌を減らしても体の調子やお口の環境が悪いとまた細菌が増えてしまいます。。これらの事に気を付けてお口だけの問題ではなく体全体としてケアしていく事が大切です!

セミナーで最後に位相差顕微鏡画像のテストがありました。結果は…………98点✨でした✌

さて、誰がピンクレンジャーにふさわしいか院長に聞いてみました「僕が一番ふさわしいでしょ💕」「・・・」「・・・」「・・・」

とにかくこれからも戦い続けていきます💪

 

 

監修者情報

所属

  • 日本口腔インプラント学会 専門医・専修医
  • 日本顎咬合学会認定医
  • 厚生省認可日本歯科先端技術研究会認定医
  • RAMRA研究会登録医
  • 日本床矯正研究会会員
  • 日本小児矯正研究会会員
  • 日本全身咬合学会会員
  • 日本老年歯科医学会会員
  • 国際歯周内科学研究会会員

院長

Hirotaka Sekimoto

略歴

  • 1982年

    明海大学歯学部卒業
    明海大学PDI歯科臨床研修所入所

  • 1985年

    明海大学PDI歯科臨床研究所研修課程終了
    開業医勤務

  • 1991年

    ビバ・ファミリー歯科開設

  • 2000~2003年

    市川市在宅寝たきり老人等歯科診療特別委員会委員長
    市川市歯科医師会歯科介護支援センター運営委員長

  • 2003~2006年

    市川市歯科医師会学術担当理事
    千葉県歯科医師会生涯研修委員会委員

  • 2011年~

    市川市歯科医師会会計担当理事

  • 2017年~

    市川市歯科医師会監事

所属

  • 日本口腔インプラント学会 専門医・専修医
  • 日本顎咬合学会認定医
  • 厚生省認可日本歯科先端技術研究会認定医
  • RAMRA研究会登録医
  • 日本床矯正研究会会員
  • 日本小児矯正研究会会員
  • 日本全身咬合学会会員
  • 日本老年歯科医学会会員
  • 国際歯周内科学研究会会員

院長の今までとこれから

文学少年から歯科医へ転身

学生時代は三島由紀夫に夢中で、小説家を目指していたことも。父の一言をきっかけに歯科医の道へ進みました。

歯科医は情熱を注げる仕事

仕事が生活の中心。常に学び続け、より良い医療の提供を目指しています。

今後の展望

予防や噛み合わせに加え、呼吸の問題にも対応できる歯科医院を目指します。